ターゲットは2009年
NOVA「さあ、晶華。いよいよGM召喚儀式を始めるぞ。お前のシルバーアイズを貸してくれ」
晶華「え? NOVAちゃんの前のメガネのシルバーアイズを? どうして?」
NOVA「召喚儀式には、対象につながる何らかの触媒がいるんだよ。過去の俺を召喚するには、俺を象徴する品物があれば成功しやすい。それこそ、シルバーアイズだ」
晶華「それって間違えて、違う時代の私を召喚してしまわない? たぶん、実体を持つ人間よりも、物理的に希薄な精霊の方が召喚されやすいのだろうし」
NOVA「大丈夫だ。そのために補強材料として、これを用意してある」
晶華「ええと、これはNOVAちゃんが愛用している腕時計よね」
NOVA「ああ。仮面ライダージオウの持っている歴史改変エネルギーを利用するには、象徴的なアイテムである腕時計を触媒にするのが有効だからな。10年前の俺も、この腕時計を使っていたから、間違いなく俺につながるはずだ」
晶華「どうして、10年前なのよ」
NOVA「そりゃ、こういう時代だからな」
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晶華「なるほど。ディケイドさんの時代か。だったら、普通よりも時空が歪みやすい、ということね」
NOVA「10年前の6月28日。それはディケイドがディエンドの世界に行った時だ。その後、さらにディケイドは、シンケンジャーの世界や、BLACKおよびRXの世界や、アマゾンの世界にまで行って、最後にライダー大戦の世界に行き、夏未完のまま劇場版に突入。夏に大ショッカーの首領となったり、冬に激情態と化して各ライダー達を次々と撃破するなどの大暴れを繰り広げた後、Wにバトンタッチして以降も、電王に次ぐゲスト出演回数で映画やTVに登場し続けてきたわけだ」
晶華「つまり、ディケイドさんがジオウさんの世界に出入りしている今なら、ディケイドさんの時代への門を開きやすい、と」
NOVA「さらに、俺自身のスケジュールを確認した。これが2009年6月27日の俺のブログ記事だ」
晶華「あ、『必殺仕事人2009』の最終回記事」
NOVA「そうだ。さすがに必殺マニアの俺が、未来に召喚された影響で、毎週楽しみにしていた仕事人を見逃したということにでもなれば、一生恨まれることになりかねん。何せ俺は根に持つ男だからな。そんな俺が仕事人2009を見逃したとあっては、歴史が悪い方向に変わってしまう。だから、仕事人2009の終わったタイミングこそがベストなんだ」
晶華「だけど、TVを見逃したことで恨み骨髄を抱くんだったら、ディケイドやシンケンジャーを見逃して恨まれたりはしないかしら?」
NOVA「大丈夫。ニチアサには影響しないように、プレイ時間を調整することは可能だ。おまけに、過去のブログ記事を読んでいて、不思議なことが一つ発覚した」
晶華「何?」
NOVA「2009年7月のブログ記事がたった一つしかないんだ。なぜだと思う?」
晶華「ええと、夏場で仕事が忙しかったとか?」
NOVA「それもあるかもしれん。しかし、俺はここで一つの仮説を思いついた。2009年7月の俺は、10年後に召喚されて不思議な体験をしたのだ。当然、それを覚えていれば、ブログに書いていたのかもしれんが、未来の記憶はこの俺が封印した。もちろん、歴史を歪めないためにな。よって、NOVA2009は令和元年の記憶を持たないまま過去に戻った。当然、頭の中が混乱して、まともなブログ記事が書けるわけがない。すなわち、2009年7月のブログ記事が、これ一つしかないことこそが、その時期の俺に何か異変があった証拠と言えないだろうか」
晶華「それって、何だかこじつけめいてるけど、私は2009年のことを知らないし、今のNOVAちゃんがそう言うなら信じるしかないわね。どっちにせよ、私には迷惑が掛からないし。その時はまだ生まれてもいないんだから」
NOVA「俺だって、昔の俺に迷惑を掛けたいとは思ってないよ。おまけに肉体ごと召喚してしまっては、神隠しか失踪事件として扱われても嫌だしな。あくまで、召喚するのは意識のみ。代わりに依代として、こいつを用意した」
晶華「これは、電王さんのフィギュア!」
NOVA「しかも、デンカメンを外した素体のプラットフォームだ。これに思念体のNOVAタロスが宿ると、アナザーNOVA2009になってくれるはず。それにシルバーアイズとNOVAライドウォッチを装着すれば、晴れて俺たちのためにゲームマスターをしてくれるって寸法よ」
晶華「そんな簡単に行くのかしら」
NOVA「大丈夫。俺のことは、俺が一番分かっている。それより、ここでお前の協力が必要だ。この呪文を読み上げてくれ」
晶華「何これ?」
NOVA「ゴブスレRPGに掲載されている精霊召喚の呪文(コントロール・スピリット)のアレンジバージョン、NOVAの精神召喚の呪文だ。元が精霊魔法だから、精霊のお前が使う方が効果的だし、俺が自分を召喚する場合、間違えて今の精神と2009年の精神を交換してしまう危険がある。予測される危険はなるべく避けておきたいわけだ」
晶華「予測されない危険は?」
NOVA「そりゃ、出たとこ勝負の臨機応変で対処するしかないだろう。だが、お前が失敗しても、そのフォローは俺ができる。俺が失敗した場合、お前にフォローできるか?」
晶華「……たぶん、無理ね。NOVAちゃんが失敗して、命を落とすようなことがあれば、私も嘆き悲しんで後追い自殺を図るような未来が見えた」
NOVA「そんな未来は嫌なので、失敗はしないようにしないとな。さあ、呪文を頼む」
晶華「分かったわ。失敗した時のフォローはお願いね」
『宴の時間ぞ白新星(ホワイト・ノヴァ)、気ままに歌いて舞い踊れ
語れよ萌やせや遊演戯(ロールプレイ)、ゲームマスターの出番ぞな』
【仮面ライダー電王】全フォーム 変身集【Kamenrider Den O】
アナザーNOVA、参上
晶華「あ、電王フィギュアのアーマーが変形したよ。仮面も装着されて、青くなった」
NOVA「おお、ロッドフォームだな。胸アーマーが前後反転してから、胸部装甲が肩に展開する。玩具だと、肩アーマーがポロポロ落ちるのが難点だが、この胸部展開ギミックはゲイツリバイブにも採用されていたりする」
晶華「アーマーが開くと、シルエットだけでなく、カラーリングも変わるのね」
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電王フィギュア「ん? ここはどこだ? ぼくは確か、ニチアサのシンケンジャーとディケイドを見て、それから二度寝したはず。すると、これは夢か」
NOVA「やあ。2009年からようこそ。俺は令和NOVA。君の目から見ると、さしずめ未来人ってことになるな」
電王フィギュア「レイワノヴァ? ロシア人か? いや、そういう発音だと、女性名ってことになるな。男性だったら、レイワノフになるはず」
NOVA「誰がロシア人やねん。俺は関西人だ。レ・イ・ワNOVAだ」
電王フィギュア「ああ、レイ・ワノバさんね」
NOVA「何だよ、ワノバって。ええと、分かりやすく言うと、俺がお前で、お前が俺で、どっちもWhite NOVAで、令和時代の俺が平成時代のお前を召喚したんだ」
電王フィギュア「??? 何だか分からないことだらけだが、分かっていること、ただ一つ。これが、おかしな夢だということだ。とにかく未来人と名乗るレイ・ハノーヴァーという男が、このWhite NOVAの夢に現れて、何やら寝言をほざいているみたいだが、これって小説のネタになるかなあ? 未来の世界の自分が、主人公の夢に現れて、不可思議なメッセージを送る。後から、その謎が判明するとか。よし、プレ・ラーリオスのプロットに組み込めないか考えてみよう」
晶華「NOVAちゃん、これって本当に2009年のNOVAちゃんなの? どうも察しが悪いし、言っていることが微妙にズレているというか」
NOVA「いや、シンケンジャーとかディケイドとか、それにプレ・ラーリオスというキーワードが素で出てくるということから、間違いなく2009年の俺だと思うんだが。シンケンジャーやディケイドを話題にする者は多くても、プレ・ラーリオスをどうこう言い出す人間は限られている。だが、さて、どう説明すれば今の状況を納得してもらえるやら」
晶華「じゃあ、私が話しかけてみるね。おおい、電王フィギュアの中にいる2009年のNOVAちゃん」
電王フィギュア「ん? 女の子の声? スーザン? カレンさん? それともトロイメライか? 声はすれども姿は見えず。大体、電王フィギュアって何だよ」
晶華「もしかして、私たちや自分の姿が見えていないの?」
NOVA「もしかすると、召喚酔いという奴で、感覚が付いて来ていないのかもしれんな」
電王フィギュア「君が誰かは知らないけど、ぼくのことをNOVAちゃんって子ども扱いするのはやめて欲しい。もうすぐ40歳のおじさんなんだからな」
晶華「それは分かっているわ。私はNOVAちゃんの娘だし」
電王フィギュア「ぼくには娘なんていない。可愛い姪っ子と甥っ子はいるけど」
晶華「だから、あなたの未来の娘なの。花粉症ガール2号の粉杉晶華。NOVAちゃんが生み出した精霊少女よ」
電王フィギュア「精霊少女? 何だ、ただの妄想か。しかし、鑑賞ガールって何だよ。何だかイヤらしそうな言葉だな。それとも完勝ガールか? 艦将ガールかもしれんが。どういう漢字を書くんだ?」
晶華「カンショウじゃなくて、カフンショウよ。そんな分からず屋のアナザーNOVAちゃんなんて、くらえ、花粉症バスター!」
電王フィギュア「うおっ、何だ? 毒ガスっぽい粉で攻撃された? ハッ、ハッ、ハッ、ハックション!」
BOM!
晶華「うわっ、電王フィギュアが大きくなったよ。等身大のロッドフォームさんだ」
電王ロッドフォーム「ん? 体が何かおかしい。ぼくの顔、仮面をかぶっていて、しかもアーマー着ていて、と、取れない。もしかして、星輝転装でもしたか? ここはプレクトゥスだったりするのか?」
NOVA「いい加減、頭の中をラーリオスから離せよ。今は2019年。ラーリオスの物語はとっくに終わったんだ。正確には、2018年7月5日にな。 終わらせた本人が言うんだから、間違いない」
電王ロッドフォーム「勝手に終わらせるなよ。今、頑張って『夜明けのレクイエム』を書いているんだから。ラーリオスを終わらせていいのは、ぼくか原案者だけだ」
NOVA「だから、未来のお前であるNOVA2018が終わらせたんだ。元々、ラーリオスの時代設定は2017年だったし、原案者がさっさと放置したのを、俺が頑張って書いていたけど、結局、仕事が忙しくなって完結できず、まあ、それでも娘の花粉症ガールたちの協力で、一応のエンディングは仕上げたわけだ」
電王ロッドフォーム「そ、そうか。よし、ラーリオスは頑張って書き続けるとしよう。明晰夢の世界で、スターウォーズネタを投入するところは考えているんだ」
NOVA「ああ、できればアベンジャーズとかのアメコミヒーローネタも入れて欲しいな」
電王ロッドフォーム「アベンジャーズ? 何です、それ?」
NOVA「そう言えば、2009年の時点じゃ、まだ知らなかったか」
電王ロッドフォーム「アベンジャーなら知っている。D&Dコンパニオンルールにある悪の聖騎士的な復讐者でしょ?」
NOVA「間違っていない。間違っていないがな。とりあえず、アメコミヒーローとプリキュアは今からこっそり勉強しておけ」
電王ロッドフォーム「何でプリキュアを? ぼくはハードボイルドな物語を描きたいのであって、ナンパ方面は原案者に任せているんだから」
NOVA「いや、これからの時代はハードボイルドからハーフボイルドがキーワードになる。それに、プリキュアはこれから4人め登場で燃える展開になる。いいか、萌えとハードボイルドは両立できる。逆に、ヒロインが描けないなら、現在の男女平等の時代で大きな武器を放棄することになるし、そもそも娘の花粉症ガールが生まれて来れないことになる」
晶華「それは困るわ。NOVAちゃんが2009年からプリキュアを見なくなったら、未来の歴史が変わって、世界から花粉症ガールがいなくなって、花は枯れ、鳥は空を捨て、人は微笑みをなくしてしまうの。だから、お願い、プリキュアを見て」
電王ロッドフォーム「ぼくがプリキュアを見ないと世界が滅ぶということなら、見ないわけにはいかないけど、わざわざ、そんなことを言うために、ぼくは呼ばれたのか?」
NOVA「……とにかく、今の状況を整理しよう。まずは鏡で自分の姿を見るといい」
電王ロッドフォーム「うお、これは千の偽り、万の嘘。嘘だと言ってよ、バーニィ。どうして、ぼくがロッドフォームなんだよ」
NOVA「まあ、メガネキャラだからな。ヤンキーなモモや、パワフルなキンってキャラじゃないだろう?」
電王ロッドフォーム「どちらかと言えば、ガンフォームのお子さまリュウタロスだと思っていた」
NOVA「そりゃ、ダメだろう。塾の教師が『答えは聞いてない』なんて、発言をするわけにはいかんし」
平成NOVAと令和NOVAと花粉症ガール
ロッドフォーム改め平成NOVA「……大体、分かった。未来のぼくは時空魔術師を自称して、妄想ブログで空想の娘と特撮談義やスパロボ話やTRPGにまつわるネタ話、時々、必殺シリーズネタを加えたりしながら、楽しくおしゃべりしているという設定なんだな。そして、ぼくは寝ている間に思念体として召喚されて、電王フィギュアの中に封じられた。そこまではいい」
晶華「いいんだ」
平成NOVA「いや、よくない。そこまでは何とか理解したって意味だ。今、気になる問題は、どうして電王フィギュアが等身大に大きくなったか、という一点」
令和NOVA「そりゃ、花粉症バスターを喰らったからだろ?」
平成NOVA「だから、何ですか、その花粉症バスターって? それでフィギュアが大きくなって、普通に動いて、喋れるようになるなんて、おかしいだろう? 小説書きなら、読者に何て説明するんだよ? ぼくが読者なら、こんな意味不明な展開にツッコミ入れずにはいられない」
令和NOVA「頭の固いことを言うなよ。夢とか妄想ってのを受け入れておきながら、少しぐらい不思議なことが起こったのに、いちいちツッコミ入れてたらキリがないだろう。ここは新設定だと受け止めるんだよ。『花粉症バスターを受けたフィギュアは、戦隊怪人の巨大化現象と同様に大きくなる』とか『2009年のNOVAの想いの力と、花粉パワーが時空魔術の副作用的な化学変化を起こして、奇跡を起こした』とか、それっぽい理屈を半分妄言混じりで口にすれば、読者の方が勝手に脳内補完してくれる。お前はもう少し読者の柔軟さを信じろよ」
平成NOVA「ぼくは信じない。こんな適当なことを言っている男が、10年後のぼくだなんて。これじゃ、必死に物語の整合性を考えながら、プロットを綿密に練り上げている自分がバカみたいじゃないですか」
令和NOVA「まあ、ラーリオスと今のブログ記事はそもそもの作風が違うからな。大体、10年も経って、根本的な性格はともかく、作品の描き方とかが何も変わっていないことの方が成長していないってことだろう? 少なくとも10年前の俺は、ルールーちゃん萌え〜と言ったりとか、娘といっしょにプリキュアになってキュアNOVAと名乗ったりとか、絶対にしてなかったぜ」
平成NOVA「50前のおっさんが何をやってるんですか? 恥ずかしい」
令和NOVA「恥を忍んでこそ、至れる境地があるということだな。お前はまだ、そこまでの域に達していない。精進するがいい」
平成NOVA「何を達観した師匠面してるんですか、あんたって人は?」
晶華「まあまあ、二人とも、いい年した大人がつまらないことでケンカしないの」
令和NOVA「何で、お前が母親みたいな言葉を口にするんだよ?」
晶華「だって、二人のNOVAちゃんが言い合っているのって、何だか兄弟ゲンカみたいだもん。だったら、私はアサヒちゃんみたいに、はい、飴ちゃんと言って、ハッピーにするのが役割かなって思って」
平成NOVA「とにかく、ぼくはレイさんが未来の自分だとは信じない。ぼくの未来は、ぼく自身が決める」
令和NOVA「ああ、精一杯がんばるがいい。しかし、フレッシュプリキュアとアベンジャーズはしっかり見ておけよ。さもないと、世界が滅ぶのを回避できない」
平成NOVA「どうして、ぼくの見るTV番組や映画で、世界の滅亡が決まるんですか」
令和NOVA「そりゃ、俺とお前が特異点だからだよ。電王のボディに宿っているんだから、分かるだろう、ノヴァミ・良太郎くんよ」
平成NOVA「誰が良太郎だ! ぼくは別に電王ごっこなんてしたいと思ってない」
令和NOVA「そうか? だが、昭和の終わりの高校時代に、友達のブラック君といっしょにシャドームーンごっこをしていた過去は否めまい」
平成NOVA「うっ、それは恥ずかしい黒歴史!」
令和NOVA「安心しろ。シャドームーンは、夏のディケイド劇場版以降、たびたび復活して、その都度倒されるネタキャラになっていく。まるで、ギルハカイダーのようにな。お前はそれらの映画を見るたびに、自分がシャドームーンだった過去を思い出し、苦笑しながら、やがて、いつかネタにできれば面白いな、と吹っ切れるのさ」
平成NOVA「……まるで、悪魔の囁きみたいだ。レイさん、ぼくはあんたのことを妄想だらけの時の魔王と呼んでやります」
晶華「え? その呼称はまずいんじゃないの?」
令和NOVA「確かに。仮にも平成NOVAは、世界創造の特異点パワーを持っているわけだから、そいつに認定されると、俺が本当に妄魔時王になりかねん」
平成NOVA「妄魔時王? 何です、それ?」
令和NOVA「世界の破壊者、大ショッカー首領に匹敵するぐらいの、最低最悪の魔王のアレンジバージョンだよ。とある未来人は、俺が妄魔時王になると予言したそうだが、俺はそんなものになりたくはない」
平成NOVA「そうか。それはいいことを聞いた。『お前は未来に破滅をもたらす』と予言されたら、人はどんな気持ちになるんだろう? ぼくのプレ・ラーリオスの主人公はそういう立場だけど、どうも頭で想像するしかなくて、いまいち実感が湧かないんですよね。だから、実際に予言された人間の気持ちというものをインタビューしたい」
令和NOVA「いや、だから、他人事じゃないだろう。俺が妄魔時王になるなら、お前もそうなるわけで」
平成NOVA「そうなるとは限らないでしょ? ぼくは予言なんて信じていないし、未来は自分の手で変えられると信じている。ただ、ぼくの目から見て、妄魔時王なんてものが存在するとしたら、それはレイさん、あなただ!」
晶華「だったら、私は? 魔王の娘の魔女になるのかしら?」
平成NOVA「う〜ん、まだ小さいから、魔女っ子とか魔法少女ってところかな」
晶華「わ〜い、魔法少女に認定されたよ」
令和NOVA「そんなことで喜ぶなよ、晶華。とにかく俺は、ただゴブリンスレイヤーRPGをプレイしたいだけなのに、どうして妄魔時王に認定されるリスクを冒さなければいけないんだよ?」
平成NOVA「ゴブリンスレイヤー? 何です、それ?」
令和NOVA「そんなことも知らんのか。ハードボイルドと萌えを両立させた傑作ファンタジー小説だ。グループSNEがTRPGとして出版するんだから、それぐらい覚えておけ」
晶華「いやいや、NOVAちゃんだって、原作小説を読んだのはつい最近だし。1年前はタイトルぐらいしか知らなかったのに、10年前に知るわけないじゃない」
令和NOVA「そもそも、10年前は存在すらしてなかった作品だからな。もっとも、ゴブリンスレイヤーという単語は90年代に安田社長が使っていたことが、最近ツイッターで発覚したんだが。出典は旧ウォーロック誌のウォーハンマーRPGリプレイ。単行本だとこちらだな」
令和NOVA「このリプレイに登場する詐欺師(後に月神の神官)ムッシュー・クロワッサンのプレイヤーが安田社長だと今回ツイッターで初めて知った。リプレイ読んでると、ずいぶんワガママな(押しの強い)プレイヤーだな、と思っていたが納得。そういう目で、このリプレイを読み直すのも面白そうだ」
平成NOVA「ほう。それはなかなか興味深い情報ですが、そもそもツイッターって何なんです?」
令和NOVA「……お前、そんなことも知らないのか。遅れているなあ、いつの時代の人間なんだ?」
晶華「NOVAちゃん。2009年って分かってるでしょう? NOVAちゃんがツイッターを始めたのっていつ?」
令和NOVA「あれは、東日本大震災の頃だから、少し後か。だが、ツイッターがサービス開始したのが2006年。日本に入って来たのが2008年。だったら、2009年には知っていてもおかしくない」
平成NOVA「いや、ぼくは最新の情報機器にさっさと飛びつく人じゃないし。イノベイターじゃなくて、アーリーアダプターでもなくて、どちらかと言えば、レイトマジョリティだと自覚している」
令和NOVA「せめて、アーリーマジョリティぐらいにはなっておけ。自営業だと、情報感度は必須の才覚だぞ」
晶華「??? 何だかよく分からない話になっているんだけど、イノベイターってガンダムOO?」
ダブルNOVA『違う違う。イノベイター理論ってのは、マーケティング理論の一つで顧客層分類などに関係するんだ。要は、流行りものに敏感かどうかということ』
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晶華「そんなダブルで訴えられても、私は経営者じゃないからよく分からないよ。要は、平成NOVAちゃんが流行に敏感じゃないから、令和NOVAちゃんがもっと流行に目を向けろって言っているんだよね」
令和NOVA「おおむね間違っていないな。ただし、流行には周期があるからな。その周期を観察しながら、時の流れを研究することが仕事と言える」
平成NOVA「それは共感するけど、東日本大震災って何なんです?」
令和NOVA「……まあ、頑張って乗り越えろよ。直ちに影響はないが、その2年後ぐらいに、お前の仕事は経営悪化に見舞われて、一つの選択を求められることになる。覚悟しておけ」
平成NOVA「何だよ、気になるじゃないですか。レイさん、教えてくださいよ」
令和NOVA「お前、予言とか信じないんじゃなかったのか?」
平成NOVA「当然でしょ? ノストラダムスは当たらなかったし」
令和NOVA「マヤ暦だったら、2012年に世界が滅びるらしいな」
平成NOVA「だけど、2019年にあんたがいるってことは、世界は無事ってことじゃないですか」
令和NOVA「無事じゃないかもしれないぞ。俺が肉体を持たない霊体で、一種の残留思念で、お前に警告を与えているのかも」
平成NOVA「何ですか、それ?」
令和NOVA「警告する。お前がプリキュアを見なければ世界が滅ぶ。そして、アベンジャーズこそ世界を救う鍵だ。全人類の半数を失った世界は、アベンジャーズの活躍で再生する。そして、かつては伝説とされた数々の物語、ドラゴンランスやロードス島、ソーサリー、スターウォーズやゴジラ、宇宙刑事ギャバンやジライヤ、ウルトラマン・ジョーニアスやアイゼンボーグ、グリッドマンなどが時代の終わりに際し、次々と復活するであろう。破壊と再生の神話こそ、これからお前が10年の間に直面する出来事だ。覚悟して受け止めよ」
平成NOVA「……どこまで信じていいのか分からないけど、2009年のぼくとしては、ウルトラマンメビウスの次のウルトラマンが気になります。円谷の経営状態がヤバいって聞いてるし、ウルトラはきちんと続くんですか?」
令和NOVA「メビウスの次は、大怪獣バトルのレイだったが、それはチェック済みだよな」
平成NOVA「ああ、レイさん。って、もしや、あんた?」
令和NOVA「いや、俺はレイオニクスじゃない。それにしても、レイって名前のキャラはアムロ、綾波、火野、一堂、南斗水鳥拳、レジェンドガンダムのパイロット、キカイダーOO、仮面ライダーレイ、ダイナピンクなどなど、思い付くだけでもいっぱいだなあ。だが、レイの次のウルトラはゼロだ。セブンの息子にして、レオの弟子」
平成NOVA「は? レイの次がゼロで、セブンの息子だって? 嘘っぽいなあ」
令和NOVA「俺の言葉の半分は妄言だからな。信じるか信じないかは、そっちの勝手だ。ついでに、タロウの息子のタイガが次のヒーローだったりする」
平成NOVA「セブンの息子とか、タロウの息子とか、だったら、ぼくの好きな新マンにも息子がいる?」
令和NOVA「残念ながら、新マンことジャックと、エースがいまいち不遇なのが今のウルトラなんだな。ジャックはケバブ屋の親父になっちまったし」
平成NOVA「そんな未来、ぼくは認めたくない」
そして、ゲームマスターの話
晶華「ねえねえ、NOVAちゃん」
ダブルNOVA『何だ?』
晶華「だーっ。今更だけど、二人もNOVAちゃんがいると紛らわしい!」
令和NOVA「ダブル翔花を相手にしたときの俺の気持ちが分かったか」
晶華「読者の人たちも読みにくいと思うので、令和のNOVAちゃんのことはパパって呼ぶね。平成のNOVAちゃんは、ロッドフォームなのでロッドさん」
令和改めパパNOVA「パ、パパだと? パ、パ、パパパパパパパパパッ、イッパツマン♪と歌いたくなるぞ」
平成改めロッドNOVA「妄言親父の戯言はさておき、ロッドNOVAって何? どうせなら、ロードNOVAだったら、神さまっぽく聞こえるし」
パパNOVA「そうだ。俺はお前に、神さまになってもらいたくって呼んだんだ」
ロッドNOVA「は? 神さま? それこそ、ラーリオスの設定じゃないですか。やっぱり、これはただの夢だ。いい加減、うんざりなので、ぼくはそろそろ夢から覚めます。寝て起きれば、現実に帰れると思うので。おやすみ」
パパNOVA「おい、寝るな。今までのは、お前に2019年の状況を分かってもらうための前置きに過ぎん。本当の話はこれからだ」
ロッドNOVA「前書きが長すぎます。ぼくはあなたと違って暇じゃないんだ。最初からクライマックスでお願いします」
晶華「そうよ、パパ。妄想ブログを書くようになって、どんどん寄り道が多くなるんだから。自分でも呆れるぐらいムダ話ばかりじゃない。ここは私に任せて」
パパNOVA「分かった、晶華。俺も説明に疲れたから、お前に任せた。2009年の俺が、こうも察しが悪いとは思わなかったぜ」
ロッドNOVA「あんたの説明が回りくどくて下手なんだ。それでも教師ですか」
パパNOVA「おお、お前よりも10年長く続けてるわ。震災後の不景気な時も頑張って乗り越えて、今があるんだ」
晶華「ラリホーマ!」
パパNOVA「ZZZ」
晶華「ふ〜、パパNOVAちゃんに好きに喋らせておくと、話が長引いて、ちっとも終わらないんだから。しばらく眠っていてね。さて、ロッドさん」
ロッド「ああ、ええと、君は晶華さんで良かったかな? 本当に精霊で、ぼくの未来の娘ってこと?」
晶華「あなたが夢見る心を忘れなければね。それよりも、私とパパはあなたにお願いしたいことがあるの」
ロッド「ああ、何だか偉そうなレイさんならともかく、君みたいな可愛い娘の頼みなら叶えたい」
晶華「だったら、お願い、ゲームマスターをやって」
ロッド「ヘッ? ゲームマスターってTRPGの? ああ、神さまってそういうことか。システムは何がいい? クラシックD&Dか、ソード・ワールド旧版か、ブルーフォレストか、T&Tなら割とすぐにできるけど、ルールブックが欲しいな」
晶華「ルールならあるし、キャラクターも完成している。プレイヤーも4人揃っていて、あとはゲームマスターだけが足りないのよ」
ロッド「へえ。そこまでお膳立てが整っているんだ。で、システムは何?」
晶華「ゴブリンスレイヤーよ。はい、これがルール」
ロッド「って、ちょっと待って。そのルールは初めて見る。いきなり知らないルールブックを渡されて、早速GMやれって無茶振りもいいとこでしょ」
晶華「あなたならきっとできるって、パパが言っていたわ。何しろ、86年の高校時代からTRPGを続けていて、20年以上のゲームマスター歴を誇るベテランですものね」
ロッド「それを言ったら、君のパパは30年以上ってことになるじゃないか。ぼくは無理。初めてのシステムだし、割とブランクも長いし、最近はTRPGじゃなくてスパロボとか、コンピューターゲームのバルダーズ・ゲートとか、リプレイ読んでるだけだから、改めてGMするには相応の準備と覚悟が必要だ。それに、できればGMよりもプレイヤーがいい。誰か、ぼくをプレイヤーに誘ってくれる奇特な人がいないかなあ」
パパNOVA「チッ、せっかくGMをさせようと呼んでみたら、GMじゃなくて、プレイヤーをやりたいだと?」
晶華「あれ? パパNOVAちゃん、起きてたの?」
パパNOVA「フッ、お前のラリホーマなどで、いつまでも寝ていられるか。自分との語らいで疲れたから、少し休んでいただけだ。それより、平成時代のお前、プレイヤーやりたいってのは本当だな?」
ロッド「もちろんです。TRPGのプレイヤーをやるなら、たとえ火の中、水の中、地獄の底だって飛び込んでみせましょう」
パパNOVA「適当なことを言ってるなよ。そんなところでプレイしちゃ、キャラクターシートがダメになっちまう。冒険の舞台ならともかく、そんな過酷な環境で俺はGMなんてしたくないぜ。夏場はクーラーの効いた環境で、まったりプレイしたいと思っている」
晶華「もしかして、パパがGMやるの?」
パパNOVA「ああ、仕方ないだろう。平成のこいつより、今の俺の方がGM技能が高いんだからな。こいつはブランクが長いが、俺はこの10年の間に、ログ・ホライズンとか、ソード・ワールド2.0とか、ゴーストハンターとか、それなりにやっているわけだし。平成NOVAには、俺の作った学術騎士のプレイヤーになってもらう」
ロッド「え、騎士をプレイできるの? フフフ、こう見えても、このぼくはバルダーズ・ゲートで聖騎士NOVAをプレイし、かつてはあのロードスでも密かにボーグナインというキャラを演じ、歩く騎士道精神と呼ばれた男。しかも、母の実家の名字がキシで、まさに騎士をプレイするために生まれたわけで」
パパNOVA「何を調子づいているんだ、お前。いいか、俺がプレイヤーの座をお前に譲ってGMをやるのは、情けは人のためならず。お前の長年の夢『誰かが自分をTRPGに誘ってくれて、プレイヤーをしたい。自分がGMとして誘うんじゃなくて』を叶えてやるためだ。そうすれば、もしかすると未来人の俺が今の俺を召喚して、プレイヤーを楽しめる日が来るかもしれない、と期待してのことだ」
ロッド「いや、何だっていいですよ、レイさん。あなたはぼくをTRPGに誘ってくれて、プレイヤーとして楽しんでいい、と言ってくれる。まるで夢みたいだ。あなたのことを神さまと呼んでもいい」
パパNOVA「フッ、過去の自分から神さまのように崇められる今の境涯か。それもいいかもな」
晶華「じゃあ、早速、コンパーニュの塔に行きましょう。KPちゃん、リバTちゃん、また留守番をお願いね」
(こうして、花粉症ガールの晶華は、過去と現在の二人のNOVAと一緒に、ゴブリンスレイヤーRPGのプレイをすることになったのでした。別ブログにつづく)
後に残された者たち
ケイP『あ〜あ、また出かけちゃったな』
リバT『すぐに帰って来れるとは思いませんわね』
ケイP『7月1日から1週間、シンカリオンの期間限定イベントがスパクロで行われるのにな』
リバT『戻ってきたグランドマスターが、それを知ったとき、「ああ、俺がいない間にシンカリオンを見逃してしまうなんて! もう、この世界がどうなったって構わない〜」と嘆き悲しんで、闇堕ちする未来が見えたような気がしますわ』
ケイP『それを阻止するために、おらとお前で、しっかりシンカリオンのイベント追っかけ記事を残すことにしようぜ。イベントのメモリもしっかり記録しておいて、マスターNOVAをがっかりさせないようにしねえとな』
リバT『そうですわね。グランドマスターNOVAの心が崩壊すると、このブログ世界も終わってしまいますので、私たちでしっかり支えて行かないと。それが世界を守るためにもなると信じて』
ケイP『それにしても、過去から自分を召喚して、試練を与えるなんて、おらにはマスターのやってることがオーマジオウに思えてならないんだが』
Kamen Rider Oma Zi-O FINISH :Ep15
リバT『この未来がどこに通じているかは分かりませんが、グランドマスターとミストレスが元気に健全に過ごせる未来であって欲しいものです』
(当記事 完)