White NOVAのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSF、TRPGの趣味と、「花粉症ガールというオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

ゴブスレと、時空魔術師と、ソーサリー

前置きゴブスレアニメ感想

 

NOVA「よっしゃー、ゴブスレアニメ全部見たぞ。最後に『ゴブリンスレイヤーwill return』とアベンジャーズネタをやってしまうのは笑えたり」

晶華「わずか1ヶ月で、原作小説とアニメを全部制覇しちゃうなんて、さすがと言うか何というか」

NOVA「それで、コンパーニュの塔でゴブスレRPGのキャラ作りをしながら、小説の感想を書いたりもしていたんだが、こちらでも改めて総括しておこうと思ってな」

晶華「総括って、何をするの?」

NOVA「まずは、アニメの感想だな。1話から4話までが原作1巻の9章までに相当する。ここまでは原作をほぼ忠実に追っているわけだが、俺としては3話と4話からが本番だと思っている」

晶華「NOVAちゃん推しのヒロイン、妖精弓手ちゃんが出るからね」

ゴブリンスレイヤー ぷにこれ!キーホルダー 妖精弓手

NOVA「ああ。彼女がいるから、ゴブスレの物語が一気に明るくコミカルになるんだな。いわゆるムードメーカーって奴だ。アニメの1話は、メインヒロインの女神官ちゃんがゴブリンにパーティーを壊滅させられて、ゴブスレさんに命を救われる邂逅シーンから始まる。初心者冒険者の彼女の視点で、ゴブリンという魔物の恐ろしさと、それを狩るのに執念を燃やすゴブスレさんの狂気じみたバイオレンスが描かれる話。そこにコミカルさは一切ない」

晶華「うん。こんな話がずっと続くなら、このブログで話題にすることもなかったかもね」

NOVA「そこだけだと、趣味の悪いエログロ殺戮アニメの世界だからな。そして、2話ではもう一人のヒロインである幼馴染の牛飼娘にスポットが当たり、ゴブスレさんの生い立ちやゴブリンに復讐する動機などの背景が説明される。ここまでの話がひたすら重いんだが、それを乗り越えて、3話から妖精弓手、鉱人術士、蜥蜴僧侶の異種族3人がゴブスレさんを誘うところから、本格的な冒険物語が始まる。2話までは、狂気の復讐者であるゴブスレさんを、冒険の相方で弟子にもなる女神官ちゃんと、非冒険者ヒロインの牛飼娘視点で真面目に心配する流れを描き、3話からは心配視点とは異なるゴブスレさんの変人ぶり、ゴブリン打倒以外に興味を示さない朴念仁ぶりに対するツッコミ具合が笑いどころとなるわけだな」

晶華「仲間が5人になったことで、キャラ同士の掛け合いの楽しさも加味された、と」

NOVA「妖精弓手は、楽しい冒険を求める陽性キャラなんだよな。だから、冒険を楽しいものと見なさず、手段を選ばない殺戮劇、復讐に明け暮れるオルクボルグ(ゴブスレさん)に、『そんなのは本当の冒険じゃない。私が冒険の楽しさを教えてあげるわ』と言って、重い物語を緩和してくれる立ち位置になる。まあ、話が進むにつれて、高貴な妖精キャラからグラスランナー的な好奇心旺盛のお子さまキャラに転落して、同じハイエルフのディードリットとは異なる個性を示していくんだけど」

晶華「ゴブスレさんが寡黙で、女神官さんが内気な恥ずかしがり屋キャラだから、話を引っ張るのは妖精弓手さんの役割になるわけね」

NOVA「エルフのレンジャーで観察力も鋭いから、周囲の異変に最初に気づくパーティーのレーダー役にもなっているんだな。斥候役も務め、ゴブスレさんの秘密道具にも真っ先に関心を示し、感情的なリアクションの早さで物語を活性化させてくれたり、女神官さんの姉みたいな立ち位置で心配したり、気持ちを引き出してくれたり、彼女がいないと話が回らないぐらい重要なポジションなんだ」

晶華「他の人たち、鉱人道士さんと蜥蜴僧侶さんは?」

NOVA「ドワーフの魔術師というキャラ性は、本作独自の個性に通じる感じだな。一応、知識担当で常識人の立場で意見を言うのが鉱人道士だけど、妖精弓手の感情にツッコミ入れたり、ブレーキを掛ける抑え役でもあるが、からかう役でもあって口論が絶えなかったり。一方、蜥蜴僧侶は戦に習熟した武闘僧で、冷静に状況を見据える軍事アドバイザーだったり。『この状況、どう見る?』とゴブスレさんに問われて、『ふむ、そうですな』と適切な意見を進言するサブリーダー的ポジションと言える」

晶華「妖精弓手さんが話を先導し、鉱人道士さんが掛け合いをして、蜥蜴僧侶さんが手綱を引っ張って、ゴブスレさんが決断し、女神官さんがにっこり微笑んで追随する……って5人の作劇パターンが確立している感じね」

NOVA「ああ。俺も物語や会話劇の書き手として、複数キャラの話のやりとりとかいろいろ研究したり、経験してきた人間だが、5人のセリフをうまく回すのはなかなか難しい。どうしても、喋らない寡黙キャラが出てきて、どう会話に参加させようか書きながら迷うこともしばしばだけど、決断役のリーダーを寡黙なタイプにするとバランスが取れるのかな、という実例を見た感じだな」

晶華「5話から後は?」

NOVA「アニメ版は、そこから原作と話の順番を変えて、1巻のクライマックスを最後に回して、先に2巻の話を展開したんだが、5話がいろいろと転機になった形だ。ここからは前置きが長くなったので、一度、切り替えてみよう」

 

 

アニメ5話以降と原作2巻

 

NOVA「原作1巻のクライマックスは、ゴブスレさんが世話になっている牧場がゴブリンの大軍団の襲撃にあうことが予想される事態に直面し、少人数では対処困難な事態になる。そして、冒険者ギルドに助けを求めるんだが、そこで冒険者としては孤立気味だった復讐者のゴブスレさんが、冒険者の仲間として受け入れられる感動場面と、大規模戦闘の派手な展開になって、ドラマ面でもアクション面でも、アニメ1期の最後を飾るのにふさわしいエピソードだったと思う。最初は一人だったゴブリンオタクが、コツコツ仕事をこなすうちに、次第に理解者を得て、旅の仲間から街中の冒険者の名物として扱われる展開は、ハッピーエンドって感じで拍手ものだ」

ゴブリンスレイヤー 4巻 (デジタル版ビッグガンガンコミックス)
 

晶華「ええと、コミックを貼り付けているけど、その意図は?」

NOVA「アニメが原作1巻のクライマックスを後回しにしたので、コミックはどうなっているか気にしてみたんだが、こちらは原作小説を踏襲。3巻が大規模牧場防衛戦で、4巻が新展開の水の街編に突入する流れだな」

晶華「1巻のクライマックスをアニメの最後に持ってきた理由は分かった。でも、小説2巻を途中に挟んだ意図は何だろうね?」

NOVA「基本的に1巻は牧歌的な辺境の街が舞台で、言わば田舎の冒険。そして2巻は世界を広げるために、ちょっとした都会の水の街の地下迷宮を舞台にした。そこの至高神大司教であり、かつての六英雄の一人である『剣の乙女』の依頼で、ひたすらダンジョン探索をしつつ、強敵相手に死にかけたり、仲間の交流を深めたり、物語が深まるんだけど、最後はゴブリンにトラウマを持つ『剣の乙女』個人の心を救う内向きなエンディングなんだな。深いけど、暗くて、絵的な派手さがない。しかも、2巻はサブヒロインの『剣の乙女』にスポットが当たりすぎるので、そこをクライマックスにしてしまうと、拠点である辺境の街や牧場の牛飼娘が視野から外れてしまう。だから、途中に2巻を挿入して物語の背景を広げつつ、最後は故郷と幼馴染を守るために戦うように順番を変えた。アニメ化での改変が見事と言えるだろう」

晶華「ええと、5話からが原作2巻なんだよね」

NOVA「ああ。9話までがそうだな。ただ、5話には、短編集の原作4巻の話が挿入されている。新米戦士と見習聖女の下水道ネズミ退治のエピソードだな。今度2巻目で完結するコミックの『ブランニュー・デイ』が原作4巻の話らしい」

晶華「はあ。いろいろあるんだね〜」

NOVA「話を戻すと、5話で冒険者の日常生活なんかを描きながら、水の街からの依頼を受ける。6話で水の街の散策と、剣乙女との出会い、地下迷宮の探索を始めて、思いの他に厄介なことを悟る。7話で強敵ゴブリン英雄(チャンピオン)の罠にはまり、あわやパーティー壊滅の危機に陥ったところを、ゴブスレさんの暴走覚醒で状況打開。しかし、重傷を負ったゴブスレさんが瀕死の状態で倒れる」

晶華「ああ。前回見たエヴァのBGMで暴れた怖いシーンね」

NOVA「死んだ女の髪で首を絞めるってシーンが、必殺仕業人の赤井剣之介を思い出したり」


必殺仕業人 エンディング 「さざなみ」 Full 西崎みどり

 

晶華「ゴブスレの話をしていて、必殺シリーズにつなげるのってどうなのよ?」

NOVA「いや、普通にオマージュ入ってるように思うんだが。頼み料をもらって、恨みつらみを晴らす稼業って、俺にとってのゴブリンスレイヤー必殺シリーズの亜流に見えてならない。『ゴブリンヒョコヒョコ、二ヒョコヒョコ。ええい、面倒くせえ、やっちまえ』とか、『のさばるゴブリンを何とする。闇に捌いて仕置する』とか『とかく、この世は一天地六。命ギリギリ勝負をかけて、仕事はよろず引き受けましょう』とか、OPナレーションでも、ゴブスレに流用できそうなものがいろいろだ」

晶華「必殺はともかく、死んじゃったゴブスレさんはどうなったの?」

NOVA「死んでないけどな。それでも、8話のサブタイトルが『囁きと祈りと詠唱』でウィザードリィ・オマージュだ。カント寺院ならぬ剣乙女の蘇生の術で回復したり。そして、9話で名前を呼んじゃいけない目玉お化けが登場したり、粉塵爆発で葬ったり、天井崩しでゴブリン英雄を葬ったり、裏技オンパレードで勝利した感じだな」


SFC アイオブザビホルダー OP

 

晶華「そりゃ、裏技ばかりでボス粉砕していたら、活劇的に盛り上がらない感じよね。大規模戦闘の1巻クライマックスを最後に持ってきた理由も納得」

 

さらなる小説話

 

NOVA「ともあれ、アニメの話は原作の2巻まで。その後、3巻で秋の収穫祭イベント。4巻で短編集。5巻で、来年の映画の原作に当たる雪山の砦攻略で、小説の方での第1期終了ってところだな」

晶華「小説にも1期2期ってあるの?」

NOVA「1巻が春、2巻が夏、3巻が秋、5巻が冬なんだ。正に『春と思えば夏が来て、夏と思えば秋が来て、しょせん最後は寒い冬』って流れなんだな」


冬の花 (必殺仕事人Ⅲ) 【鮎川いずみ】本人出演・FULL

 

晶華「ああ。5巻で、最初の1年が経過した、と」

NOVA「そう。そして6巻は新人にスポットが当たる2年目春の訓練場話。7巻はエルフの森を舞台にした夏のエピソード。ここまでは、コンパーニュでも感想を書いたが、次に8巻。2年めの秋だ」

ゴブリンスレイヤー8 (GA文庫)
 

晶華「表紙が剣の乙女ね」

NOVA「2巻に続いて、彼女にスポットが当たる話だな。海ゴブリンのデマに乗せられて、海蛇マンダ退治をした後で、辺境の街に剣乙女がやってくる。そして、愛するゴブスレさんに『王都へ行くのだけど、途中の街道にゴブリンが発生するので、護衛を頼みたい』という依頼をするわけだ。そこからゴブリン退治をしたり、王都で女の子の入浴シーンがあったり、女神官ちゃんが衣服を盗まれるという流れになる」

晶華「え?  服を盗まれるって、どういうこと?」

NOVA「冒険者に憧れる若き王の妹が、自分に似ている女神官さんの装備を拝借するんだな。服もさることながら、ゴブスレさんとの思い出のある鎖帷子を失った女神官さんが大泣きするシーンに、妙にじんわり感じ入った」

晶華「そりゃ、私だって、大切なものを盗まれたりしたら、大泣きするよ(涙目)」

NOVA「お前にとって、大切なものって何なんだ?」

晶華「もちろん、NOVAちゃんからもらった銀縁メガネのシルバーアイズだよ。私がメガネシルバーなのも、NOVAちゃんの汗と涙と血の染み込んだシルバーアイズがあるからだし」

NOVA「汗と涙はともかく、血は染み込んでないはずだぞ。メガネをかけている時に、頭部から流血したことも、鼻血を出したこともないんだから」

晶華「じゃあ、今から血を染み込ませましょう。さあ、血を流してよ」

NOVA「イヤだ。何かの呪詛でも掛ける気かよ。とにかく、女神官ちゃんの装備を盗んだ王妹ちゃんが、都を出たところ、ゴブリンに拉致されてしまい、ゴブスレさんが剣乙女経由で救出任務に駆り出されるんだ。敵が潜むのは、ウィザードリィの『狂王の試練場』オマージュの『死の迷宮』。ゴブリンシャーマンの中途半端な召喚儀式で呼び出された『グレーターデーモンの手』がラスボスとして立ちはだかる中、剣乙女の援護もあって、何とか王妹ちゃん救出に成功する。これでゴブスレさんは、2巻で剣乙女、5巻で令嬢剣士(改め女商人)、8巻で王妹さんを救出した形になる。剣乙女と女商人はゴブスレさんの支援者になり、王妹さんは女神官さんに謝罪と感謝の気持ちを抱いて信奉者になる。6巻から9巻の2年目エピソードは、総じて女神官ちゃんの成長テーマって感じだな」

晶華「そして9巻ね」

 

NOVA「これが2年めのクライマックスに当たる話だ。表紙はギルドの受付嬢だけど、彼女にはスポットが当たらず、メインヒロインは牛飼娘。ゴブスレさんと彼女が、ゴブリン群団の襲撃にあって孤軍奮闘する話。ゴブスレさんを襲った黒幕は、1巻で水圧カッターに殺されたオーガーの弟で、日頃は恨みを晴らす役である主役が、逆に命を狙われるハードな展開だ。戦闘能力を持たない幼馴染娘を守りながら、大群包囲で身を潜めて雪原の村落廃墟でサバイバルに努めるゴブスレさんの大ピンチにハラハラする話だったり」

晶華「でも、ゴブスレさんにはお仲間がいるはずじゃない。みんなはどうしてるのよ?」

NOVA「女神官さんたちは、知り合いの新米戦士や見習聖女の冒険に付き合って、氷の魔女の洞窟探索に出かけている。つまり、ゴブスレさんのピンチと同時並行で、成長した女神官さんを中心にした別の冒険話が展開しているのが9巻なわけで。なお、氷の魔女の洞窟の元ネタは、ゲームブックのこれだったり」

NOVA「ゴブスレ本編の主役は、もちろんゴブスレさんなんだが、同時に視点キャラという意味では、新米冒険者の女神官ちゃんにスポットが当たることも多い。そして、彼女の現段階での成長極まれりという話が、この9巻。ゴブスレさん不在のパーティーで、彼の代わりにリーダーとして立ち回る彼女の奮闘っぷりが楽しめる。そして、冒険を見事に成功させた彼女がゴブスレさんのピンチに気づき、ここぞと言うところで仲間と共に駆けつける展開が燃えるわけで、自分にとっては、この話が現在のゴブスレ大団円って感じだ」

 

そして3年め

 

NOVA「そして春に出た最新刊の10巻だが、俺は1巻→10巻という変則的な読み方をしたので、9巻の後で改めて読み直した。ここでは、女神官ちゃんの背景である地母神の葡萄畑を巡る事件がテーマで、改めて彼女の周りの人たちにスポットが当たっている。1年めから2年めに掛けて広がった世界観を、もう一度、地元の身近なところから固めて行こうという仕切り直しエピソードになるのかな。だから、あまり冒険らしい冒険をしていないんだ。物語としての派手さでは、8巻や9巻の方が明らかに上で、純粋に冒険物語としても面白い。9巻の後で、10巻だとトーンダウンした感じでもあるな」

晶華「だけど、NOVAちゃんは1巻の次に10巻を読んだから……」

NOVA「そう。初読ではトーンダウンを感じなかった。むしろ、9巻でゴブスレさんの弟子として成熟した感のある女神官ちゃんが、自分の身内絡みで事件が生じたことで、成長が一度リセットされたように凄く動揺して思い悩むんだな。そして、いつもはゴブリンの洞窟を襲撃したり、ゴブリンの襲撃から防衛したりして、バトルで解決してしまう話だけど、今回は街での陰謀を解決するシティ・アドベンチャー展開。つまり、ゴブスレさんの専門分野じゃないんだ。ゲームとしてのテーマはシャドウラン

シャドウラン 5th Edition (Role&Roll RPG)

シャドウラン 5th Edition (Role&Roll RPG)

 

晶華「そんな仕切り直しの変化球作品をNOVAちゃんは先に読んだわけね」

NOVA「そうなるな。まあ、ゴブスレさんと女神官さんの出会いから2年を経て、3年目の春から初夏の話なんだが、俺は読み終えてから秋の話だと勘違いしていたようだ」

晶華「どうして?」

NOVA「葡萄の収穫とか、ワイン作りとか、2年前の収穫祭(3巻の話)といったキーワードがやたらと出てきたからな。だから、どこかの記事で『3年めの秋』と書いていれば、『3年めの春』と正さないといけないわけだ。なお、葡萄の収穫期については8月から10月というのが一般的らしいが、本作では『早摘みの葡萄』と記述されていて、それだと5月から6月も考えられるとのこと。雨の多い時期という描写もあるので、夏至祭とかぶるような記述も、RPGルールブックのワールドガイドに書いてあったから、大体、今らへんの時期かと考える」

晶華「とにかく、仕切り直しの3年めで陰謀企む都市冒険。ゴブリンは関係ない話だと」

NOVA「結局は、地母神に捧げる葡萄作りを邪魔して、捧げもののワインを汚すことで大地の実りを不作にしようと考える混沌勢力の計略があったらしいんだが、その辺の話はゴブスレさんには手が出せないので、名のある忍びだった師匠の昔のツテをたどって、裏稼業に働いてもらう流れなんだ。冒険者ギルドとは異なる闇の盗賊ギルドとの交渉シーンがゴブスレさんの見せ場で、後は裏の組織が動いた結果、混沌勢力の一角が崩れ、陰謀がさらけ出されることになる。そして、至高神殿の剣乙女が動いた結果、地母神殿を守る大規模戦闘に至る一方で、ゴブスレさんのところには混沌勢力と結託して失脚した酒商人の息子さんが依頼に来る。父親の悪事が表に出たことで、混沌勢力からも裏切り者と目されて、ゴブリンの襲撃が予想されるらしい。だから、ゴブスレさんにとってのクライマックスは、ゴブリンから酒商人の屋敷を守っての防衛戦闘になるわけだ」

晶華「ええと、話がややこしくて、よく分からないんだけど」

NOVA「結構、錯綜しているよな。一応、辺境の街の地母神の神殿が混沌勢力の標的にされていて、大規模な戦いはそっちで行われた。一方で、ゴブスレさんの方は、地母神殿を陥れる陰謀を企んでいた悪徳商人を、裏稼業に依頼して結果的に失脚させ、さらに商人の遺された真っ当な息子の依頼で、報復を目論む混沌の尖兵であるゴブリンからの防衛戦闘を行う形になる。女神官さんは、この複雑な状況に思い悩み、『自分の身内を脅かした悪徳商人の屋敷をどうして守らないといけないのか。自業自得ではないのか』とゴブスレさんに問うんだけど、『誰であろうと、ゴブリンに襲われると分かっている者を見捨てるわけにはいかない』と諭され、人間社会の中で単純な善悪で割り切れないものがあることを知るわけだ」

晶華「何だか複雑すぎるよ」

NOVA「まあ、『ゴブリンを憎んで、人を憎まず』がゴブスレさんの精神だから、その点は単純でいいんだけど、背景世界、人間社会はそれなりに複雑なので、そこをしっかり描きつつ、女神官さんに葛藤してもらう。8巻で自分の思い出の品を盗まれたり、10巻で自分の身内を悪評で貶められたり、彼女が嘆き悲しみ、原因を作った相手に恨みや憎しみを感じることもあるんだけど、そこに絶対悪であるゴブリンの被害を差し込むことで、『ゴブリンからは守る。罪を犯した人も助け、赦す』慈悲を彼女に会得させる流れになっているなあ、と」

晶華「真面目に葛藤して、成長するのが女神官さんのキャラなのね」

NOVA「ああ。だけど、それだけだと話がシリアスになり過ぎる。女神官ちゃんは健気でいい娘なんだけど、そのキャラ立てをドラマにするために、彼女を精神的にいじめる形になる。だから、そんな彼女を明るく支えるムードメーカーな妖精弓手ちゃんが必要なんだ。まあ、何だかんだ言って、最後はハッピーエンドにヒロインの心の闇が晴れる作風なので、そこがブレないのは安心して読めるかと思う」

晶華「続く11巻はいつ出るのかしら」

NOVA「これまでのローテーションだと各季節に1冊だったから、夏には出ると思うけど、まだ予定は出てないな。外伝2のダイカタナ上巻が8月に予定されてはいるが」

晶華「それは、どんな話?」

NOVA「本編を戦記とすれば、こちらは伝説に当たるらしい。8巻で登場した『死の迷宮』を舞台に、剣乙女などの6英雄がウィザードリィ元ネタなダンジョン攻略を果たす、本編の10年前のストーリーだそうな」

晶華「10年前にさかのぼるのか〜。時空魔術師のNOVAちゃんとしては、しっかり監視しないとね」

NOVA「ああ、そのつもりだ。11巻の方は、砂漠を舞台にした冒険と予告されているし、それとは別にRPGリプレイも出るし、夏の楽しみってところだな」

 

そしてソーサリー

 

NOVA「以上がゴブスレ総括記事だったが、おかげで本題にするはずだったソーサリーがおまけ程度になっちまった」

ソーサリー・キャンペーン (アドバンスト・ファイティング・ファンタジー第2版シリーズ)

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晶華「ゴブスレ1年目のイメージソースの一つとなった伝説のゲームブックね」

NOVA「ああ。今度の日曜に、こいつと一緒に買いに行く予定」

ソード・ワールド2.5リプレイ トレイン・トラベラーズ!3 (ドラゴンブック)

ソード・ワールド2.5リプレイ トレイン・トラベラーズ!3 (ドラゴンブック)

 

 

晶華「うん、それで?  ゴブスレRPGゲームマスターの件はどうなったの?  ハイラスおじさんに頼みに言ったら、見事に断られたんだよね」

NOVA「 それを言うな。奴にはまだ、ゴブスレRPGは早かったということだ。それよりも、晶華、お前はソーサリーを全部クリアしたのか?」

晶華「いいえ、『城塞都市カーレ』から出たところ」

NOVA「そうか。では聞くが、ソーサリーの48ある呪文の中で、究極呪文と呼ばれるものは何か?」

晶華「ああ、それは気になっていたんだ。確か、ZEDの魔法でしょ?  呪文書の最後に載っていた謎の呪文。あれって一体、何?」

NOVA「うむ。あれは、俺が生まれて初めて使った時空魔術なんだ」

晶華「え?  ZEDって時空魔術だったの?」

NOVA「まあ、物語的なネタバレはしないでおくがな。とにかく、ZEDの呪文を使用した一件が、時空魔術師White NOVAが初めて、呪文の力で時を超えた瞬間と言えよう。それまでは、大魔術師マーリンに召喚されてピップって若者の肉体に入ったりしていたんだが、自分で呪文を操ったのはドラクエかソーサリーが初だと言える」

晶華「そうか。時空魔術師のNOVAちゃんの起源になる呪文なんだね」

NOVA「そして、昭和の時代から平成を経て、令和NOVAに進化を遂げた俺は、ゴブスレRPGをプレイするために、ZEDに匹敵する究極時空魔術を敢行する!」

晶華「え?  たかだかゲームをするために、そんな大技を敢行しちゃうの?  時空を自分で乱すことになったりしない?」

NOVA「大丈夫だ。俺が乱さなくても、すでにジオウやディケイドや電王が動き回って、時空は大混乱だ。今さら俺が乱したところで、逆巻く渦波に小石をチョポンと投げ入れるようなもの。だったら、この乱れた時の流れ、混沌のビッグウェーブに便乗したところで、罰は当たるまい。全ては、魔王とディケイドとイマジンの仕業だと言い張ることもできる」

晶華「それで結局、何をするつもりなの?」

NOVA「うむ。時空魔術で俺自身、アナザーNOVAを召喚して、ゲームマスターをしてもらう。俺以外に迷惑をかけるつもりはない」

 

(果たして、時空魔術師NOVAの時空を超えた召喚魔法は成功するのであろうか?  たかがTRPGをするだけのために、時空魔術を行使しようという状況に涙しつつ、まあ、ゴブリン退治のためなら何でもするというゴブスレ思考に染まったゴブスレチェイサーNOVAなのであった。つづく)