Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

1日遅れのバースデイ

翔花2号の述懐


私は粉杉翔花。妹の2号の方ね。
だけど、お姉ちゃんよりも、3年余分に生きてしまったので、それでも妹と言っていいのかな。


私は危険な冒険とは無縁な、日常に根ざしたお気楽極楽ガールだと思っていました。
だけど、世の中、そんなに甘くないことは、身をもって体験しました。そう、一寸先は闇というのが人生の摂理。そして、日常の裏では、その日常を守るべく寸暇を惜しんで活動している人たちもいることを、3年前の私は、あまり真剣には考えて来なかったと思います。


私の経験は、見方によっては、時空を超えた波乱万丈の冒険譚として記録することも可能かもしれません。どれだけ過酷な試練も、時間が経てば笑って、陽性の物語として解釈し直す日が来るのかも。
だって、3年間の私は、心の闇の赴くままに、自由に、無軌道に、生き生きと悪事の限りを尽くしていたみたいだから。ほんの微かな記憶の断片が、そう囁きかけて来る。ピカレスク・ロマンを受け入れるなら、心の闇を見つめ直すなら、語れる日が来るかも知れない物語。


だけど、今は無理。
制御できない闇を見つめることは、私の心が飲み込まれる危険を冒すこと。今の弱い私には、自分の闇をNOVAちゃんみたいに封じることはできそうにありません。
私の中に眠る闇の名は、アナザーショーカ。タイムジャッカーという人たちが、私を洗脳し、コウモリの遺伝子を組み入れて改造し、悪の怪人として作り替えたの。
こうして、私は人間じゃなくなった。


あ、訂正。元々、私は人間じゃなかったんだ。
ええと、言い遅れたけど、私は花粉症ガール。杉花粉由来の精霊少女だけど人の魂と絆を結んで、人間性を獲得するに至った。人間じゃないけど、人間らしい生活を目指して、いろいろと学んでいる最中だったわけ。
種族が違っても、心が人間と変わらなければ、人間らしく生きていける、と思っていました。


だけど、改造と洗脳によって、私の中の人間性は損なわれてしまいました。花粉症ガールがコウモリの遺伝子と結合したら、何て呼べばいいのかな。
花粉症バットガールバットマンのヒロインに、そういうキャラもいたわね。
バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲! (字幕版)
他にも、植物と蝙蝠の組み合わせだと、ゲルショッカー怪人サボテンバットなんてのもいた。さしずめ私は杉バット?

素材が柔らかいので、野球ではなく空手の試割りで使われるとか。


あまり、変な名前を付けると、自分がイヤになるので、せいぜい花粉症ガールTypeBって感じでしょうか。
Bはブラックと、バットと、ビューティーの意味ってところで。


不幸中の幸いなのは、私の改造モチーフがコウモリで、それなりに絵になる姿ってことでしょうね。
そう、仮面ライダーだって、ナイトさんや、キバさんや、ナイトローグ幻徳さんや、マッドローグ内海さんは立派に頑張ったんだし。
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正直、今のこの状況をどう受け止めていいのか、私には分かりません。ただ、人間性と共に私の日常は失われたんじゃないでしょうか。
私のパパのNOVAちゃんは、私の日常を守るために、いろいろ考えてくれていたみたいだけど、結果として、全ての努力は水の泡になったんだと思います。


NOVAちゃんが隠そうとしていた日常の裏の顔。
時空魔術師として多元宇宙の安定のために、いろいろ監視の任務を自分に課していたこととか、そのための活動拠点として〈事象の分岐点〉なる所で、時々過ごしていたこととか。
私の日常を崩さないように認識阻害の術まで施して、ただのヒーロー好きな教育関係者の日常生活を演出しようとしていたことは、感謝していいのかどうか分かりません。
その割に、メガネンジャーなんて結成して、自分が只者じゃないことをバラしたりして、迂闊だったんじゃないでしょうか。
それでも、たぶん、ヒーローの皆さんとの関わりを通じて、私に正義の心の何たるかを教えようとしていたんだとは思います。


だけど、おそらくはNOVAちゃんが想定していたよりも早く、私の日常は失われ、私の魂は闇に蝕まれ、私の光は過酷な試練に見舞われたのでしょう。
つまり、NOVAちゃんだって完璧じゃないんだし、それでも、できるだけの努力で、私の幸せを維持しようとしていた。今は、そう信じています。


無邪気な頃の私は、「知力の翔花2号」を名乗り、知謀で周囲の情勢をコントロールできると安易に考えていました。そう、子供っぽい慢心に突き動かされ、調子に乗った結果、思いがけず遠い未来に飛ばされてしまい、いろいろな物を失うことになってしまいました。
だから今の私は「知力の2号」は名乗りません。いえ、名乗ることができないのです。


私の日常とか人間性とかアイデンティティーは粉々に打ち砕かれ、どうやって自分を立て直したらいいのか、見出せずにいるのだから。
ただ、一つだけ、私にとって一番大切な絆は失われませんでした。
そう、NOVAちゃんの娘であることが、今の私の一番の存在理由、アイデンティティー。だって、NOVAちゃんこそが邪悪なアナザーショーカの精神支配から私の魂を解放してくれたのですから。


私は闇に取り憑かれた不遇な女の子ですが、それでも粉杉翔花として変わらぬ属性は今後も維持していきたいと考えています。
それは、必要以上に悲観的にならずに、本質的に楽観的に構えちゃえるところ。
「まっいいか。NOVAちゃんの加護がある限り、何とかなるっしょ」

本当に、何とかしてくれるよね、NOVAちゃん。信じてるから。

作戦会議にて候


NOVA「さて、相変わらず〈事象の分岐点〉だが、今、我々が直面している状況は理解してもらっただろうか」

ハイラス「ああ、タイムジャッカーと呼ばれる連中が、翔花殿を魔改造し、NOVA殿の命を狙わせた件だな。いまだに信じられんことでござるが」

ケイPマーク1『そこで、この卓上ゲームもできそうなテーブル付き特別会議室で、今後の作戦会議を開くことになったわけだな。おら、ワクワク……するのは、さすがに空気が読めてないってことは分かるぜ。翔花ママには随分と気の毒なことになったみてえだしな。そのタイムジャッカーって連中、見かけたら、おらも絶対に許さねえ。バトルモード31859が煮えたぎるぜ』

翔花2号「ゴメンね、KPちゃん。3年間、ずっと放ったらかしにして」

ケイP『いや、翔花ママにとっては3年でも、おらやマスターにとっては10日程度だからな。そこは気にするところじゃねえ』

NOVA「まったくだ。それにしても、お盆休みの前に、温泉入って来いと九州のコンパーニュの塔に送り出した娘が、どうして過去に飛ばされたり、未来に飛ばされたりした挙句、未来世界で悪者たちに捕まって、悪のコウモリ女になって帰って来るんだよ。ジェットコースターにしても、超展開過ぎるだろう。俺が編集さんなら、こういうプロットを作家なり、マンガ家なりが提出して来たら、早速ボツにするか、もう少しじっくり物語を煮詰めさせるところだぜ。少なくとも、たった2週間程度で展開する話の密度じゃないはずだ。作者はもっと読者のことを考えて話を作れ、と言いたい。本当に、これで読者の人は、話について来れるのかね」

ハイラス「いろいろツッコミたいところはあるが、NOVA殿がこれまでにないぐらい、混乱していることはよく分かった。こういう状況では、不肖この次元ドルイドの私が最も落ち着いていると判断するので、会議の司会役を務めたいと思うがどうだろうか?」

NOVA「済まないな、ハイラス。突然、別のブログに出張出演してもらった挙句、仕切り役までさせちまうなんてよ」

ハイラス「気にすることはない。時空に関するトラブルを監視し、然るべき対処を考えるのが、〈事象の分岐点〉管理人の使命だからな。当面の問題点は二つ。翔花殿のコンディションと、タイムジャッカーへの対処だと考えるが、他にないかな」

NOVA「とりあえず、後者の方を先に済ませたいところだ。俺の知っている情報では、タイムジャッカーってのは、新番組『仮面ライダージオウ』に登場する敵役だ。どうして、番組が始まってもいないのに、勝手に前情報だけで登場させたのか、作者の真意を知りたいところだが、単に一人ボケ、一人ツッコミにしかならないので、今はパス。とにかく、連中の活動が本格化するのは9月に入ってからだと予想されるので、現時点で確定している情報は多くない。箇条書きでまとめると、こんなところだ」

  • 未来から来た歴史改編を目論む時空犯罪者の集団である。一つの組織なのか、個人個人がバラバラの目的で動いているのかは現状不明。
  • 各時代の仮面ライダーの能力を秘めた怪人「アナザーライダー」を操る。序盤はアナザービルドや、アナザーエグゼイドが登場するらしい。ライダー本人が改造されたわけではなく、ライダーに成り代わって、各時代を制圧しようと考えているのではないか、と推察される。
  • 確認されているタイムジャッカーは3人。無邪気な少年ウール、クールな女性オーラ、年長の男性スウォルツ。当面は彼らがジオウの敵として、いろいろ暗躍するようだ。


NOVA「まあ、こいつらはジオウの戦う相手だから、俺の命を狙った奴とはまた別なんだろうが、番組の裏で暗躍している時空犯罪者はまだまだいるんじゃないか、と思っている。俺の、いや俺たちの目的は、ジオウの戦いは彼に任せて監視するに留めておいて、こっちに降りかかった火の粉だけを払うことにまず努めたいわけだが」

ハイラス「敵の勢力は一体どれほどであろうか?」

NOVA「さあな。アナザーショーカなら知っているだろうが、翔花の心の奥底に封じ込めたからな。呼び起こして情報を聞き出す手もあるが、今それをすると、翔花本人の負担も大きい。翔花の精神状態が落ち着いて、封じ込めた心の闇に対峙する余裕ができた段階で、向き合うことになると思う」

ハイラス「うむ。それがいいでござろうな。心が傷ついた娘御に無理はさせられん。下手に触れると、もう一度、娘御が敵に回る可能性もあるわけだし、性急なやり方では足元をすくわれることになろう。娘御のメンタルケアはNOVA殿に任せた」

NOVA「ああ、それなんだがよ。今すぐってわけじゃないが、翔花にもここの管理を手伝ってもらおうと思っているんだ」

翔花2号「NOVAちゃん、どういうこと?」

NOVA「俺の兼ねてからの計画の一環さ。翔花2号は知力の翔花。俺の知識をいろいろ伝えて、いずれは俺の時空魔術の仕事の後継者になってもらおうか、と考えていたが、先にハイラスって助っ人が現れたからな。翔花2号は、日常生活の中でじっくり育てようと思っていたんだ。だけど今回、タイムジャッカーのせいで、俺の予期しないところで急成長しやがった。だったら計画を前倒しして、翔花2号にも〈事象の分岐点〉での仕事に従事してもらおうか、ということだ」

ハイラス「つまり、翔花殿には私の妹弟子になってもらうということだな」

NOVA「お願いできるか?」

ハイラス「そりゃ、他ならないNOVA殿の頼みだから応じないわけにはいかないが、懸念材料はある。彼女はつまり、タイムジャッカーの手先になり兼ねん危険があるからして……」

NOVA「スパイを警戒しているってことか? 大丈夫、うちの掲示板やブログには、一時期、難波重工のスパイも暗躍していたという話もあるし、今さらスパイを恐れていては、何もできんよ。スパイがいることを前提にして、作戦も立てる必要がある。それよりも考えないといけないのは、この〈事象の分岐点〉の存在がタイムジャッカーに知られているということだ。翔花2号はここの存在を知らなかったはずだから、タイムジャッカーは別の方法でこの場所を突き止めたことになる。アナザーショーカが俺の暗殺に失敗したということは、いずれ連中の耳にも入るだろうさ。だったら連中が次にどう動くか」

ケイP『マスターの自宅を襲撃するか、ここを襲撃するかのどっちかじゃねえのか』

NOVA「そうだろうな。連中がWhite NOVA個人の自宅の位置情報を仕入れているかどうかは分からない。俺にとっては、それこそが一番無防備になる瞬間、というか俺個人はともかく、リアルで周りの人間を巻き込んで被害が大きくなりかねんから、敵の目は何とかこちらに引きつけたい。だから、翔花2号には、この件が片付くまで俺の家に帰すわけにはいかん。ここで待機してもらうか、あるいはコンパーニュの塔で南郷さんの保護下に入ってもらうか、アストロメガネスターでメガネシルバーとしての任務を作るか。選択肢は当面、この三つということになる」

翔花2号「私、NOVAちゃんの家にはもう帰れないの?(涙目)」

NOVA「少なくとも、タイムジャッカーの件が解決するまではな。大丈夫。ここは俺の第2の家みたいな物だから。むしろ、自宅よりも施設が充実していて、表の仕事がなければ、ずっとここでのんびり暮らしていきたい、と思うことだってある。俺が家出していた時は、ここで過ごしていたわけだし」

翔花2号「ここで? ハイラスさんと2人きりで? 2人はもしかして、そういう関係?」

NOVA「どういう関係を想像しているか知らんが、多分、お前の妄想は見当違いだと思うぞ。俺は、男とベッタリ付き合う趣味は毛頭ない。ヒーローの漢っぷりには憧れるが、熱い相棒関係には惚れることもあるが、それは尊敬とか友情とかの領域であって、腐女子が喜ぶような関係ではない。そんな付き合いを求めて来たような相手は、即、一切の交際を断ち切るつもりだ」

ハイラス「つまり、時空魔術の師匠と弟子の健全な関係でござる。一線を踏み越えるような過ちは、自然を旨とするドルイ道にも違背するため、ご心配は無用。むしろ、そのようないかがわしい想像をされる方が心外でござる」

翔花2号「健全な関係か。それでもハイラスおじ様は私の知らないNOVAちゃんを知っているのね。い・ろ・い・ろ教えてく・だ・さ・る?」

ハイラス「ああ、朝までホテルで」

NOVA「おい、ハイラス」

ハイラス「ああ、失敬。夕方まで執務室で」

NOVA「お前、そういうキャラじゃないだろう。いいか、傷心の娘に言葉巧みに言い寄って手を出したり、ストイックなドルイ道に違背したりするようなマネはするなよ。俺のことをベラベラ喋るのも禁止だ」

ハイラス「横暴でござる。そもそも、ドルイ道は自然を重視する教えであり、ストイックとは無縁。精霊とも親和性が高く、時にはワイルドに荒々しく、大義のための犠牲となれって叫ぶのもOK」

NOVA「お前、いくらヒゲ面だからって、今さらげんとくんのマネをする気かよ。ファザコンかよ……ってファザコンだったか。正確には師匠のロウラスさんに会いたくて、夜中に時々泣き声を上げているよな」

ハイラス「だったらNOVA殿だって、時々幼児化してリトルNOVAになって、一度など精神錯乱して幻を見てしまい、『翔花ママ〜』と口走って泣きじゃくっていたことは今でも忘れないでござる」

翔花2号「え? NOVAちゃん、それってどういうこと?」

ハイラス「そういう黒歴史に興味があるなら、こちらの記事を参照するでござる」

NOVA「ハイラス、てめえ、人のトラウマをえぐって、そんなに楽しいかよ。あれは俺の中のケイP成分が吹き出しただけであって」

ケイP『マスターNOVA、見苦しいぜ。いくら何でも、自分の失態をペットのドゴラのせいにしてんじゃねえよ』

NOVA「ああ、敵のタイムジャッカーよりも、味方の面々の方が俺の心に大ダメージを与えているのは気のせいだろうか?」

ハッピー・リバースデイ


NOVA「気を取り直して、ついでに仕切り役も俺で行くぞ。ハイラスに任せると、どんどん俺の恥ずかしい話を娘に暴露されそうだ。とにかく、俺は娘に新しい日常を提供してあげたいと思っている。家でのんびりくつろぎタイムを満喫するぐーたら娘から、きちんと仕事のできるワーキングガールにな。お前も17歳になったんだから、そろそろ将来の進路とか真剣に考えないとダメだろう」

翔花2号「私、まだ3歳5ヶ月だよ」

NOVA「お前は生まれた時点で、精神年齢や肉体年齢は14歳相当として設定されたんだから、そこから3年経過すれば17歳だ。つまり、日本の法律だと、結婚だってできる」

翔花2号「おお、だったらNOVAちゃんのお嫁さんにも」

NOVA「それは無理。日本の法律では、養父と養女の間での結婚は禁止されている。一度、養子縁組すれば、縁組を解除してもダメなんだ」

ハイラス「その論理には、二つの抜け道があるように見受けられるが」

翔花2号「教えて、ハイラスおじ様」

ハイラス「まず一つ。娘御は精霊だから、日本国の戸籍を有しておらんはず。つまり、手続き上の養子縁組は行われていないので、結婚は禁じられていない。もちろん、戸籍がない以上、役所に婚姻届を提出しても意味がないということにもなろうが」

翔花2号「役所なんか関係ない。私が欲しいのは、NOVAちゃんの心なんだから。『粉杉翔花は俺の嫁』と言わせれば、私の勝ちってこと」

NOVA「いや、『粉杉翔花は俺の娘』ではあるが、嫁認定はしない」

翔花2号「今はそれでいいよ。だけど、チャンスは必ず来るはず。ハイラスおじ様、続きをお願い」

ハイラス「分かった。では、もう一つ。ここは多元宇宙のターミナルであって、日本という地域からは外れている。つまり、治外法権であるからして、各自の理性に則った自由意思と合議制で事は為すべきではござらんか。私はドルイ道の聖職者として、婚儀を司る権限も持つと主張する。すると、後は新郎新婦の同意さえ得られれば、今すぐ式を挙行しても構わんわけだが、汝、粉杉翔花よ。そなたはこのWhite NOVAを夫として終生変わらぬ愛を誓うか?」

翔花2号「ええ、もちろん、誓います」

ハイラス「では、汝、White NOVAよ。そなたは……」

NOVA「ええい、ストップだ、ストップ。どうして、話が結婚なんて方向に転がるんだよ」

ケイP『それは、マスターが17歳がどうこう言うからじゃねえか』

NOVA「年齢の話を出したのは、27日が娘の誕生日だからだよ。まあ、実際は27日記事で娘が未来から帰ってきて、誕生日を祝う余裕なんてなかったわけだが。しかも、コウモリ怪人に改造されて帰って来たんだから、そういう状況でハッピーバースデイなんて言ってたら、まるで実写映画のデビルマンになっちまう。悪魔ならぬ怪人として誕生おめでとう、なんてのは勘弁だ。まあ、仮面ライダーオーズもハッピーバースデイで有名なんだが」

NOVA「ただ、俺はオーズも好きだが、2号ライダーのバースの方がもっと好きなんだよ。だから、今回はバースのテーマソングに合わせて、ハッピー・リバースデイと言っておく。リバースはReBirth再誕と、Reverse逆転、復帰、そして世界の再生の意味を込めた。ポジティブに翔花2号の生まれ変わりを祝してな。改めて、おかえり。試練を経ての成長と新生、おめでとうな」

翔花2号「え? リバースって、そういうのもありなの? 私、また裏返ってしまうかもしれないよ」

NOVA「ああ、俺の娘だからな。俺にソーラーとルナーの二つの精神状態があるんだから、娘だって時にひっくり返ることもあるだろう。何せ、姉と同じで危なっかしいんだし。それでも、黒一色ってことはないはずだ。お前は、灰色の魔女に憧れ、灰色の勇者の娘なんだろう。だったら、バランス重視のドルイ道からも学んだらいいんじゃないか」

翔花2号「そうかあ。心の闇に飲み込まれるんじゃなくて、正義のヒーロー魂とバランスをとって、中道を歩むのがNOVAちゃんらしさってことなんだね。自然を重視するドルイ道かあ。ハイラスおじ様、私に次元ドルイドの道を示してください。NOVAちゃんの愛のために戦える自分になるために」

NOVA「そんなわけで、うちの娘を弟子にしてやってくれないか? 精神修養、心のバランスの取り方を身に付けさせたいんだ」

ハイラス「うむ。私としては、各世界の人々にドルイ道を説いたことはあるが、一ヶ所に長く定住したことがないため、弟子というほど長続きした関係は構築できずに来た。そんな私で良いのなら、私の次元の旅の経験も含めて、娘御に伝えることはやぶさかではない」

NOVA「ああ、父親の立場では、情が先立って、どうしても落ち着いた教導ができそうにないのでな。2号には術師として成長してもらいたいから、それに俺みたいな本の虫だけじゃなくて、自然の魔術を嗜んでもらいたいから、お前が適任なんだよ。よろしく頼む」

ハイラス「承った。しかし、今すぐという訳ではないのだろう? 当面は、娘御の修行よりも、解決せねばならぬ問題がいろいろあるから、落ち着いてからということになる」

NOVA「そうだな。遠からず、この〈事象の分岐点〉にタイムジャッカーの連中が襲撃を仕掛けてくることが予想される。だから、俺たちは準備を整える必要があるわけだ。まず、連中の戦力が分からん現状では、アストロメガネスターをこの近辺に常駐させて、メガネンジャーの面々の支援を要請したい。ウルトラ族はルーブ方面で忙しくなりそうだが、ドクターやブレンたちは協力してくれると思う。とりあえず、今度、打ち上げをする予定なので、その際にタイムジャッカーの脅威を訴えるつもりだ」

ハイラス「それは心強い助っ人でござるな」

NOVA「ああ、未来の科学がどれほど進んでいるか知らんが、たかだか50年。22世紀のドラえもん時空、西暦3000年のタイムレンジャー時空を観察した我々なら十分対処できると考える。また、敵が魔術関連の攻撃をして来た場合は、俺とハイラスが対処することになるだろうが、それでも手が足りないようなら、コンパーニュの塔に助っ人を要請したいところだ」

ケイP『マスターは、そこまで大きな戦いを想定しているのか? おら、ワクワクして来たぞ。未来の侵略者VSヒーロー・怪獣&ファンタジー世界の術師連合ってことなんだからな』

NOVA「まあ、あくまで防衛戦闘であり、こっちから攻めるわけじゃないから、やって来る敵勢力次第なんだがな。敵が大掛かりな戦闘態勢で攻めて来た場合を想定しての布陣ということだ。むしろ厄介なのは、少数精鋭の敵がこっそり暗躍して来る場合。そういう時には、MACのダン隊長の教訓にある通り、大掛かりな構えがかえって仇となって、小回りが利かない組織の欠陥が露呈することになる。だから我々は素早く戦況を見計らって、敵の動きに応じて臨機応変に布陣を組み替え、機を見て敏に対処することを求められるわけだ。つまり、情報こそが戦いの鍵を握ることになる。持てる戦力自体は不足ないわけだからな」

ケイP『確かに、ウルトラ族や、戦隊風の巨大ロボットや、仮面ライダーのライバルたちや、怪獣の能力を持ったコンパーニュの面々や、おらみたいな亀仙流で修行したドゴラや、花粉症ガールや、次元ドルイドのおっちゃんや、時空魔術師のマスターが集結すれば、大抵の敵には勝てそうだな』

NOVA「お前がいつ亀仙流で修行したかはさておき、確かにドゴラだって強力な戦力として計算できるな。まさか連中も、たかだか一介の塾講師にして花粉症ガールの父に過ぎない俺が、このような大戦力を動員して反撃態勢を整えようとは夢にも思わないはずだ。もしも、連中の実態が分かって、拠点なんかが特定できたのなら、そこで殲滅戦を実施することも可能だが、問題はそこまで俺が力に溺れてしまうことこそが奴らの目論見である可能性だ」

ハイラス「どういうことでござるか?」

NOVA「奴らの時間軸では、50年後の未来にオウマジオウという時空の魔王が誕生しているらしいんだよ。そして、魔王に対するレジスタンス活動が行われていて、未来世界の仮面ライダーゲイツなんかは魔王の誕生を阻止するために、魔王候補のジオウ=常盤ソウゴに接触して、魔王誕生を阻止する目論見だそうだ。しかし、分からんのはタイムジャッカーの立ち位置だ。魔王の手下なのか、魔王に対抗して独自に魔王を擁立しようとする勢力なのか、現状ではどちらとも取れる」

ケイP『だったら簡単じゃねえか。その魔王とやらをぶっ潰して、マスターが真の魔王になればいい』

NOVA「バトルモード31859なら、そういう結論になるだろうな。そういう闇堕ちルートを選択したら、白いパンドラパネルに何で祈ったか分からなくなる。それって、プレ・ラーリオスの物語の闇堕ちエンドに相当するんだぜ。そういう世界の支配者として君臨するのは、俺のなりたい俺じゃないんだって」

翔花2号「だったら、NOVAちゃんは何を望むのよ」

NOVA「もちろん、みんなが笑って幸せに暮らせるラブ&ピースの世界。そして、戦いなんてものはフィクションで、自分が傷つかずに楽しめる状況だ。平和だけじゃ飽き足らないから、血湧き肉躍る架空の物語を作ったり、鑑賞したりしながら、日常の仕事なんかも有意義にこなして、自分の周りの人たちは極力笑顔で幸せにって奴だ。桐生戦兎は見事に、こっちの願いに応じて、白いパンドラパネルの奇跡を起こしてくれたよ」

ケイP『だけど、戦兎の居場所は世界からなくなったみたいで、誰も覚えてくれていなくて、少し哀しくないか?』

NOVA「だから、自分の記憶を物語にして残すことにしたんだろう。つまり、桐生戦兎は自分を物語の登場人物になぞらえて作家活動を開始したんだ。それって、今、俺がしていることに似てるんだぜ。今の俺は、桐生戦兎と同じ道を歩んでいるといっても過言ではない。ただ違うのは、過酷な経験をしている主人公が俺じゃなくて、娘の翔花だってことだ。つまり翔花が戦兎相当で、俺が父親の葛城忍相当なのが、この花粉症ガールの物語ということになる」

翔花2号「ああ、何だか訳がわからなくて、頭が痛くなって来た。知力の2号じゃなくなったんだから、難しい説明は勘弁してよ。要は、ビルドの物語はNOVAちゃん的にハッピーエンド。そしてNOVAちゃんと私の物語は、次のジオウと絡まって危険な状況にあるってことでいいのよね。そして、敵の目的がまだはっきりしないから、NOVAちゃんはいろいろ想定してはいるものの、今はまだどう動くべきか見えていない。そこで状況の推移を見定めてから、判断しようってことで合ってる?」

NOVA「お前、やっぱ知力の2号だよ。俺の言いたいことを的確にまとめてくれた。アシスタントガールとしても成長したな」

翔花2号「そりゃどうも。敵の情報は、アナザーショーカに聞けば分かるだろうけど、それには私のメンタルケアが必要で、つまり仕事をしながら、自分の居場所をきちんと確保して、強くなれ。そのためなら俺は何でもするって言いたいわけね」

NOVA「ああ、できることならな」

翔花2号「だったら血を飲ませてよ。喉が渇いちゃった」

コウモリ少女の日常


NOVA「……最初に聞いておく。これは、かーなーり、ヤバい話だと思うが、ブラックジョークの類いじゃないだろうな」

翔花2号「うん、冗談抜きで私はNOVAちゃんの血が飲みたくて仕方ないの。だからお願い。誕生日プレゼントだと思って、血をちょうだい」

NOVA「お前、アナザーショーカじゃなくて、正気で言ってるんだろうな。やれやれ、娘が吸血花粉症ガールになっちまったら、俺は父親としてどう対処したらいいんだ、これ。いろいろ悩むところだが、ここで『俺の血で良ければ、さあ飲め』ってセリフを口に出したい衝動に駆られてもいる。おそらく、闇堕ちルートなら、あっさり血を差し出して、晴れて吸血時空魔術師になっちゃったりして、このブログのタイトルも『BLOODY NOVAの吸血妄想タイム』に変わってしまう可能性もあったんだろうが、白いパンドラパネルに祈ったおかげで、そういう未来は回避された。だから、ここで俺が言うべきセリフはこうなる。『おい、翔花2号。大義のための犠牲となれ』って」

翔花2号「そんな、ひどい(涙目)」

NOVA「まあ、そういうリアクションも想定の範囲内だ。そして、この吸血鬼ハンタールートを選んだ場合、俺は娘を監禁するなり、始末するなりして、過酷な運命を呪いながらハードボイルドなヘルシング教授みたいな人生を歩むことになる。ただ、吸血鬼化エンドも、吸血鬼ハンターエンドも、昔、どっちも趣味で書いているんだ、俺。だから、ここは書いたことのない選択肢を用意することにする。ハイラス、お前、ドルイドだったら、生贄儀式用のナイフを持っているよな。そいつで、俺の血を適度に流してくれ。もちろん、死なない程度にな」

ハイラス「ご自分の血を娘御に提供しようと言うのか」

NOVA「ああ。だが、娘に直接、俺の血を吸わせるつもりはねえ。それをしたら、俺自身が吸血鬼の甘美な誘惑に乗せられる可能性が高いからな。たとえ血を提供するにしても、理性と自意識を保った状態を維持しないといけない。そして、自分じゃどうも加減が分からんからな。自傷は怖いし、下手すると自殺になってしまう。だが、医者か、その手の儀式のプロに任せれば、ちょっとした献血程度で済むって寸法だ」

ハイラス「確かに、獣の血を捧げる儀式なら経験はあるが、人の血は試したことがない。上手くいくかどうか自信はないのだが」

NOVA「もしも、やり過ぎたと思っても、お前だったら即座に治癒呪文を掛けられるだろう。なあに、HPの3分の1ぐらいの血を抜くぐらいだったら命に別状はないはずだ。サクッとやってくれ。多少の痛みなら我慢する。娘の身に起こった悲劇を考えるなら、これぐらいは大義のための犠牲だと思うことにする」

翔花2号「NOVAちゃん、私のためにそこまで……」

NOVA「翔花、お前も体が変わっちまった以上は、抑えがたい吸血衝動に駆られたりすることもあるんだろうが、人間性を維持したいなら、必要最低限の摂取に控えることだな。快楽や遊び半分で他者の血を奪うことは、断じてあってはならない。血を捧げることには、苦痛を伴うことを理解して、節度を保つんだ。それができないなら、俺はお前を人間と相容れない化け物として退治しなければならない。血を飲むのは、俺の痛みを感じながらだ。人が食事の際に、食材になってくれた生き物に多少なりとも感謝の意を捧げることを尊ぶようにな。そいつが大自然に対する謙虚な想いって奴だぜ。自分を生かしてくれている何かに対して、感謝の気持ちを失えば、まあそれが慢心に通じるんだろうな。『いただきます』の言葉には、食事への謙虚な想いを乗せるべしってのが、日本の古来の美学だ」

翔花2号「うんうん、分かったよ、NOVAちゃん。私は決して、自己の快楽のために血を求めたりはしない。だって、化け物になり果てたくはないもの」

NOVA「ああ、そういう気持ちが伝われば今は十分だぜ。じゃあ、ハイラス、頼んだ。できれば、お手柔らかに頼むぜ。痛いのは好きじゃないんだ」

ハイラス「分かった。自己の痛みを示した上での、娘御への教育、しかと見せてもらった。その想いに私も応じるとしよう」

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翔花2号「このグラスに注がれたNOVAちゃんの血、何て美味しそう。極上のワインと思って、心して堪能するわ。いただきます❤」

NOVA「くっ、自分の血を娘が嬉々として飲む姿を目の当たりにするのは、複雑な気分だぜ。お、ハイラス、治癒呪文サンキューな。だいぶ痛みが引いてきた。ただ、毎回、こういう痛みを感じるのは勘弁願いたいところだな。翔花に与える血の問題をどうするかは、早急に考えないといけない。どれだけの頻度で、どれぐらいの血が必要か、確認しないと。ケイPの餌のかっぱえびせんみたいに、代用できる物があればいいんだが。トマトジュースじゃいけないのか?」

翔花2号「そんな物じゃダメ。あ、この血、本当に美味しい。私の魂に心底なじむよ。今まで飲んだ血の中で最高の香りと舌触り。さすが伝説の時空魔術師の血にして、私の魂の契約相手の血ってところね。この血さえあれば、私は何だってできる、何にでもなれる気がする。NOVAちゃんの血を飲むためなら、私、本当に何でもするよ。血の誓いを立てて、絶対の忠誠を捧げてもいい。ご主人さまと呼んだって構わない😻」

NOVA「よしてくれ。おかしな気分になってしまい、精神衛生的に良くないから、今まで通りで頼む。な」

ハイラス「娘御のファザコンぶりが、ますます加速したようでござるな」

ケイP『マスターの血って、そんなに美味しいのか? だったら、おらも一口ぐらい……』

NOVA「やめろ。お前まで吸血ドゴラになったら、さすがに身が保たん。とりあえず、俺の血の成分をドクター・ウルシェードに分析してもらって、翔花のためのブラッドドリンクを人工的に作り出せないか相談してみるとしよう。ハイラス、お前はクリエイト・ブラッドって呪文を覚えたりしないのか? 食料や水を作ることができるなら、血だって作れたっていいだろうに」

ハイラス「吸血鬼の神がいるなら、提供してくれるかもしれんがな。探せば、そういう秘術がどこかにある可能性は考えられる」

NOVA「ああ。少なくとも、ロールマスターの治癒術師の呪文には、《造血》ってのがあったが、そいつは他人の傷を自分に移して、自分の傷として癒すマゾヒスティックな職業だからな。自分の失った血を短時間で回復する呪文であって、吸血鬼の食料となる血を造る呪文じゃないし、翔花のためだけに俺がマゾヒスティックな職業に転職するつもりもない。他にはGURPSマジックや、ヴァンパイア系のゲームなんかを漁れば、吸血鬼用の食料血液を造り出す呪文が見つかるかもしれないが、まあ、そのうち時間ができた時に探してみよう。ドクターに頼んで、科学の力で血液精製装置を作る方が早い気もするが」

翔花2号「ねえねえ、NOVAちゃん。あなたの血のおかげで、アナザーショーカの記憶の一部が伝わった気もするんだけど。私の改造素体になったコウモリって、吸血コウモリに限らず、フルーツバットと呼ばれる大型種の特性も持ち合わせたハイブリッドらしいの」

NOVA「ああ、コウモリって結構種類が多いみたいだな。確か哺乳類全体の4分の1を占める一大勢力だとか。今の日本じゃ、吸血鬼とか悪魔のイメージが強いが、それはヨーロッパの伝承に基づくもので、古来の東洋では漢字で蝙蝠と書くところからも、福を呼ぶ縁起のいい生き物だったとも聞く。蛇のイメージが明治以降、文明開化によって変質したのと似たような経緯だな」

翔花2号「うん、それでね、コウモリと一口に言っても、夜行性で虫なんかを食べる肉食の小型種と、昼行性で植物の果実や蜜を主食とする大型種に分かれるらしいのね。私は花粉症ガールだから、夜しか行動できないと光合成もできないし、その特性を活かそうと思ったからか、大型コウモリ、つまりフルーツバットをベースに改造されたらしいのよ。だから、普段は血なんて飲まなくても、フルーツを食べることで栄養分はまかなえる。ただし、やっぱりコウモリだったら夜行性で吸血鬼っぽくないとダメでしょって意見も根強かったらしく、そういう遺伝子も組み込まれたせいで、月に一度は血を摂取しないと生きていけない体に改造されちゃった。だから、来月の誕生日にはまた血を飲ませてね。それまではフルーツだけでいいから」

NOVA「なるほどな。血の摂取が月一で済むのはありがたいが、今までは光合成だけでまかなえたのがフルーツだと? 食費の負担がはね上がるじゃねえか。ドルイドさん、クリエイト・フードの呪文でフルーツを作れますか?」

ハイラス「そもそも、クリエイト・フードはクレリック呪文であって、ドルイド呪文ではないんだが。ドルイドは野生の中で普通に食料を見つけることができるので、呪文を使わなくてもいいというのがAD&Dのルールだったはず」

NOVA「そうだっけか。俺、クラシックD&Dの感覚で、ドルイドは呪文で食料を作れるから、お前の食料の心配をしなくて済むと思い込んでいたんだ。お前、今まで食料なしでどうやって生きていたんだ?」

ハイラス「それはもちろん、手近な森のある世界に次元門を使って飛んで行き、食料をゲットして自分の食べる分ぐらいはまかなったに決まっている。故郷のフォーセリアへの門は開通しなくても、適当な森ぐらいなら十分行き来は可能だからな」

NOVA「だったら、今度、翔花も一緒に連れて行って、自分の食べるフルーツぐらいは採取させてくれ。俺は翔花に月一で血は提供するし、ケイPにもかっぱえびせんぐらいは提供してきたが、それ以外の食費は使いたくない」

翔花2号「NOVAちゃん、何だかケチくさい」

NOVA「あのな、食費を増やせば、好きなゲームのルールブックや、好きな映画のDVDを買う金に差し障りが出るんだよ。お前は俺に趣味を諦めろと言うのか? 俺は趣味のためなら、食費は極力切り詰めたい。俺はホビー館のサイト主ではあるが、フードマイスターを名乗るつもりは一切ない。大体、今まで光合成で十分な植物ガールだったのが、コウモリ属性を手に入れた途端に、血とかフルーツの摂取が必要だと? 消費リソースが跳ね上がってるじゃないか? 改造されて、劣化してどうするんだよ。タイムジャッカーの連中は、コストパフォーマンスってのを考えないのかよ」

ケイP『いや、ヒーロー物の敵役で、そういうのを考えるのって企業経営者みたいなトップの連中だってのは、おらにも分かるぜ。開発陣、とりわけ他人を改造するようなマッドサイエンティスト系の連中は、コスト度外視で当たり前じゃねえか。マスターみたいに小市民的な感覚で生きていねえよ。リソースが足りなければ、悪事を働いて、他人から奪えばいいって発想だから、悪役やってんじゃねえか』

NOVA「くっ、ケイPにそういう諭され方をするとは、俺もヤキが回ったもんだぜ。とにかく、翔花は俺の血を飲んだんだ。それ以外のフルーツぐらいドルイ道おじさんを見習って、自分でゲットしろ。3年間、一人で生きてきたんだから、それぐらいはできるだろう。働かざる者、食うべからずだ」

翔花2号「分かったわ。私、これからは働き者になる。今まで私がぐーたら娘だったのは、植物らしく、光合成でしかエネルギー摂取して来なかったからなのよ。植物にアクティブに動けって言っても、無理が祟るのも当然なんだから。最近のお姉ちゃんが何だか寝てばかりなのも、それが原因じゃないかしら。それでも無理に動こうと思えば、トリフィド化するしかないじゃない。活動的な植物は、大抵、その分のエネルギーを人間や動物を襲って確保しているんだと思うわ」
トリフィド時代 (食人植物の恐怖)【新訳版】 (創元SF文庫)
NOVA「あるいは他者に寄生するかだな。分かった、今回の誕生日を機に、翔花2号はハイラスさんの弟子になって、自分の食べるフルーツぐらいは自分でゲットしながら、時空魔術と精霊魔術の修行に励む。これが花粉症ガールTypeBの新たな日常ってことで」

翔花2号「Bの字はブラッド、またはブラム・ストーカー(吸血鬼ドラキュラの作者)でもいいわね。じゃあ、来月の誕生日にNOVAちゃんの血を飲むことを目指して、頑張るわ」

NOVA「くれぐれも間違って、ブラッド族みたいになってくれるなよ。ただでさえ、不定形で人間離れしているんだから、これ以上おかしな属性をゲットしてくれるな。『温泉旅行から帰ってきた娘の花粉症ガールが、未来世界で吸血怪人になってたんですけど』ってタイトルのラノベを、さらに長く伸ばすような展開は勘弁して欲しいぜ」

ケイP『ところで、恒例の誕生日イベントはやらねえのか? ほら、8月27日にどんな有名人が生まれたかって奴』

NOVA「ああ、それな。今回はいろいろあって疲れたから、一人だけ決定版を挙げて、済ませることにする」

翔花2号「誰かしら?」

NOVA「宮沢賢治アイラ・レヴィン大月ウルフ螢雪次朗津田寛治剛力彩芽ってのも捨て難いのだが、何よりも2000年8月27日生まれの18歳、濱田龍臣くんを挙げない手はない。じーっとしてても、どうにもならない男だ」

翔花2号「ああ、ベリアルの息子という過酷な運命に抗って、光の力で浄化を果たした若きウルトラマンね。ゼロさんや、レイトさんも応援していた。おまけに2000年生まれって、ジオウと同じじゃない。彼が頑張ったなら、私も新たな日常を頑張れるような気がする。期待のヒーローの紹介と美味しい血をありがとうね、NOVAちゃん。来月もよろしく💕」

NOVA「やれやれ。上田アズサ並みに露骨なハートマークを示すようになった、新生『怖すぎショッカー』な娘だが、何とか更生して闇堕ちだけは避けたと思うぜ。白いパンドラパネルさん、ありがとう」

(今話完。次回、メガネンジャー総括を予定)