White NOVAのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガールというオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

翔花2号の憂鬱な試練(翔花外伝・時空天翔編)

父と娘のOP会話


翔花2号「お盆休みが終わって、平常運転に入ったのはいいけど、温泉編に引き続き翔花外伝なのよね」

NOVA「ああ、毎週木曜はバトル創作の翔花伝を書くのが通常スケジュールだったんだが、まだ番外編エピソードが終わっていなかったからな」

翔花2号「それにしても、お姉ちゃんを差し置いて、日常編の私がどうして面倒くさい主役をやらないといけないのよ」

NOVA「ああ、それは7月5日に約束したからな。その時の会話を引用すると、こうだ」

NOVA「ということで、お姉ちゃんに頼れない部分は、妹のお前に頼ることになるんだが」

翔花2号「だから、どうして九州で修行しているお姉ちゃんより、私の方が忙しいのよ。メガネンジャーにも出演して、まさかの翔花伝にも出演して、助演女優賞をいただきたいわ」

NOVA「これだけ働いているのに、主演じゃないのが少し不憫だな。そのうち、お前が主人公の冒険物語を書いてやるか」

翔花2号「そんなのいらない。私には過酷な冒険生活よりも、クーラーの付いた快適な部屋で、のんびり読書している平和な日常が似合っているの。面倒くさい危険な冒険は、お姉ちゃんに任せた」

NOVA「結局、お前もその系のキャラかよ。自分が面倒だと感じる仕事は、全部他人に任せて良しとする系。こっちがお膳立てを整えてやって、初めて行動するところは姉とちっとも変わらん。もっと主体的にだな(ブツブツ)」

翔花2号「そんなのいらないって、私、断っているよね。それなのに、NOVAちゃんったら、私の意向は全く無視して(ブツブツ)」

NOVA「まあ、そう言うなよ。1号のピンチに2号が助けに駆けつけるのは、ヒーロー物の定番だぞ。レオのピンチにアストラが、ロッソ兄さんのピンチに弟ブルが、01のイチロー兄さんのピンチにキカイダー・ジローが駆けつけるのは、どれも燃える展開だ」

翔花2号「普通は、年上の兄キャラが助けてくれるものよね。鳳凰星座の一輝兄さんとか、ジュウレンジャーのブライ兄さんとか、ギンガマンの黒騎士ヒュウガさんとか」

NOVA「どっちのケースもありってことさ。要は、家族は助け合いってことだな」

翔花2号「じゃあ、私のピンチにお姉ちゃんが助けに駆けつけるって話もいつか書いてくれる?」

NOVA「考えておこう」

翔花2号「やっぱり考えなくていい。そもそも、私がピンチってシチュエーションを書かなければ、それでいいんだから。私はピンチとか過酷とは無縁な、のんびり日常ライフを満喫できれば、それでいいの。ピンチで危なっかしいのは、お姉ちゃんやNOVAちゃんに任せた」

NOVA「俺まで、ピンチで危なっかしくするなよ。過酷な夏のハードワークはもうすぐ終了するんだから。過酷な最終決戦は、今週から26日で片付けて、9月からはジオウと共にワクワク楽しい秋の新生活が始まる予定なのに」

翔花2号「内海さんとげんとくんが無事に蘇ったらね。さもなければ、父娘揃って闇堕ち確定よ」

NOVA「うわ、ピンチで危なっかしいな。俺、そうならないように白いパンドラパネルに祈り続けてるし」

対決!? 粉杉翔花2号VS日野木アリナ


ケイP『ここが1号ママのために用意された寝室です』

シロ(翔花)「へえ、ずいぶん大きな扉ね。まるで、ラスボスが待ち構えているよう」

ケイP『何しろ、玉座を中に持ち込めるほど大きな寝室ですからね。だけど本当に日野木さまと対決なさるおつもりですか?』

シロ(翔花)「魔王ヒノキの塔に囚われたお姫様役のお姉ちゃんを助けるためなら、私が勇者を演じるしかないじゃない。いざという時には、ドゴランキーパー2号バージョンになるわ。準備しておいてちょうだい」

ケイP『トホホ。せっかくミストレスから解放されたと思ったのに、2号ママのサポートをする羽目に陥るとは、私もつくづく運がない。これほど過酷な試練を与えるとは、私が一体何をしたと? ガメラの悪口なんて私は一切言ってないのに』

シロ(翔花)「そうね。相手は何百年も生きてきた大精霊、若作りしたアダルト老婆。NOVAちゃん以上に魔術を使いこなすかもしれない。そんな魔法使いのお婆さんに、生まれたばかりの私たちが挑むんだから、ずいぶん過酷な試練だってことは分かっている。だけど、私たちだって負けていないものがある」

ケイP『いや、私にとって過酷なのは、日野木さまよりも、むしろミストレス……』

シロ(翔花)「そうよ。過酷さなら私だって負けていない。だって、私にはカーラ様トロイメライ様の加護がついているのだから。それに私がヒノキさんに絶対に負けていないもの。それは若さよ。若いがゆえに、未来への可能性に満ちている。さらに、お姉ちゃんを想う家族の真心や、主人公補正という奇跡を呼ぶ源。これだけあれば、あとは必要なものは勇気。そう、足りないところは勇気で補え。それこそ勇者の心意気ってものなの。KPちゃん、あなたもしっかり勇気を持ちなさい」

ケイP『うおっ、言葉の意味はよく分からないが、とにかく凄い自信だ。もう少し慎重に考えて行動しろ、というバトルモード31858が本能一色に塗りつぶされるようなこの気魄。分かりました、この私、K・ピエール・プルナレフ2世、翔花ママのドゴランアーマーとして、潔く散りゆく覚悟でブレイブを示したいと思います。システムチェーンジ!』


シロ(翔花)「KPちゃんがやる気になってくれたのはいいんだけど、ここで勇気と無謀を履き違えるのは、知力の翔花2号の流儀じゃない。せっかくのネコマタボディですもの。ここは慎重にいかせてもらうわ」

ケイP『おお、慎重とはどのように?』

シロ(翔花)「もちろん、扉の前で忍びがすることと言えば、あれに決まっているじゃない。罠が仕掛けられていないか丁寧に調べて、中の音を聞き耳して、事前に想定される危険を最低限にする。ダンジョン探索の基本よ」

ケイP『いや、確かに基本は基本ですけど、さすがに寝室の扉にトラップを仕掛けるようなマネは普通しないでしょ』

シロ(翔花)「なるほど。ヒノキさんは、KPちゃんの知る限り、ダンジョンの扉という扉全てに罠を仕掛けるような偏執狂的な(イカれた)ゲームマスターじゃないってことね。では、罠探索は省略。その代わり、聞き耳はさせてもらうわ」

ケイP『ああ、それならご自由に』

シロ(翔花)「ネコ耳忍びイヤーON!」

ヒノキ・アダルト(屋内の声)「コナっちゃん、済まなかったのう。そなたが入浴初心者ということをうっかり忘れて、楽しさのあまり、長湯をさせ過ぎるとは。これでは、わらわを信じて、そなたを預けてくれた新星殿に申し訳が立たぬ。そなたが元気になるまで、わらわが付きっきりで看病に邁進するつもりじゃ」

シロ(翔花)「付きっきりですって? それじゃ、お姉ちゃんを助ける隙がないじゃない。こうなったら、何とかヒノキさんの気を引かないと。ええと、ここは快盗さんの流儀を見習って」


(そっと扉を開けて、中に一枚のカードを投げ入れる)


ヒノキ「ん? 何じゃ?」

ヒノキ「こ、これは!? おのれ、快盗。よりによって、このコンパーニュの塔に忍び込んで、わらわのお宝をいただいて行くとは。一体、この塔にいかなるルパンコレクションがあったというのじゃ。心当たりは……もしかして!?」
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ヒノキ「倉庫に眠る戦隊玩具にいくつか心当たりがないわけでもないが、ええい、国際警察は何をやっておるか。みすみす快盗の侵入を許してしまうとは……って、そもそも快盗がどうやって、この塔のある異空間に侵入できたんじゃ? ギャングラーやエボルトならともかく、奴らに次元間移動の手段はなかったはず。これは何らかの陽動作戦と見たぞ。わらわをこの場より引き離して、その間に無防備なコナっちゃんを狙おうという腹か。そうとも、今この状況で、わらわの最大のお宝はコナっちゃん以外にあり得ん。しかし、コナっちゃんがまさか、快盗の狙うルパンコレクションの一つだったとは思いもしなかったぞ。とは言え、グッドストライカーのように心を持ったお宝も存在するわけだし、精霊少女がルパンコレクションであってはならぬ、という決まりごとはないからのう」

シロ(翔花)「お姉ちゃんがルパンコレクションの一つ!? 何を言いだすかと思えば……いいえ、でも、考えてみれば、突然アストロモンスの力を召喚するとか、クウガさんと一体化するとか、ああいう能力はルパンコレクションに起因するのかもしれないわね」

ケイP『そんなことを言うなら、突然、灰色の魔女の力を借りるとか、今みたいにビャッコさんの体に憑依するとか、2号ママの能力だって、侮れないものがあります』

シロ(翔花)「そうか。お姉ちゃんと私は、どちらもルパンコレクションに相当するお宝ってことなんだ。すなわち、海賊の狙う宇宙最大のお宝にして、プレシャス。やるわね、私たち。よし、この秘めたる力さえあれば、何もコソコソ動く必要はない。そうよ、ここはプレシャス豪快パワーで、正面突破あるのみ」


(扉をバーンと開ける)


ヒノキ「おお、シロか。ちょうどいいところに。先ほど、この塔に快盗ルパンレンジャーだか、その名を騙る偽者だかが侵入して……って、何じゃ、そのメガネは? まさか!?」

シロ(翔花)「そう、そのまさかよ」

ヒノキ「わらわのために、メガネシルバーのメガネをゲットして来てくれたか。デカしたぞ、カカカ」

シロ(翔花)「そう、これぞメガネシルバーのメガネ。NOVAちゃんの汗と涙と知性の一分を宿したシルバーアイズ。しか〜し、断じてあなたのためにゲットしたわけじゃない。これは私自身のもの。NOVAちゃんから銀のメガネを授けられし私こそ、メガネシルバー粉杉翔花2号なのよ」

ケイP『あ〜あ、自分から正体をバラすなんて』

ヒノキ「シロや。これはどういう遊びじゃ? わらわはコナっちゃんの看病で忙しいのじゃ。もしや、先ほどの快盗カードもそなたの仕業なのか? わらわはコナっちゃんの応待で頭がいっぱいで、そなたの快盗ごっこや変装ごっこに付き合っている余裕はないのじゃ。ふざけるのもいい加減にせい」

シロ(翔花)「あんた、バカ?」

ヒノキ「な、何じゃと?」

シロ(翔花)「あんたがそういう風にお姉ちゃんに掛かりっきりで、このネコマタのことを顧みなくなるから、この子がお姉ちゃんのことを嫌ったりするんじゃない。この子がどれだけ、あんたのことを想い慕っているか、あんたはまともに考えたことはあるの? お姉ちゃんの面倒を、あんたがしっかり見ようとしていることは分かったけど、身内の従者の気持ちももっと大事にした方がいいわよ。あんたは従者に敬われて当然って思っているのかもしれないけど、一度、従者に見限られた主人の気持ちが想像できる? 失ってから後悔しても遅いのよ」

ケイP『え? それはご自分の体験では!?』

シロ(翔花)「……ただの一般論よ。KPちゃんが私を見限るなんて有り得ない。ただ、私よりもお姉ちゃんの方が危なっかしいから、そっちを優先しただけで」

ケイP『いえ、2号ママも別の意味で危なっかしいので、単に危うきに近寄らない判断をしただけですが……』

ヒノキ「つまり、今のそなたはシロではなく、コナっちゃんの妹御ということか」

シロ(翔花)「そうよ。あんたのお宝、従者の一人の体は私がいただいた」

ヒノキ「ムッ、そなたが本当に明鏡戦隊の見習い隊員、メガネシルバーだというなら、そのような非道なマネはしないと考えるのじゃが」

シロ(翔花)「大丈夫。正義の味方だって、しょっちゅう他の人に憑依しているから。ウルトラ一族のゼロさんとか、イマジンのモモタロスさんとか、ゴーストの偉人さんとか」

ヒノキ「それなら、戦隊特有の名乗りをしてみるといい。そうすれば、そなたがメガネシルバーだと信じてやってもいい」

シロ(翔花)「それぐらい、お安い御用よ。銀のメガネは知力の印。花粉症ガールの力を秘めし、新米少女メガネシルバー! 明鏡戦隊メガネンジャー、伝説は私たちが目撃する!」

ヒノキ「おお、これぞメガネンジャー、カカカ。と言っても、その名乗り文句は初耳なのじゃが」

シロ(翔花)「確かに、私たちの初名乗りは8月9日だったから、いまだ7月のこの時間には知られていないわよね。これでも信じないなら、こうするだけよ」


PON!


小さな閃光と共にシロの体から分離す。


翔花2号「ふう。これで私が正真正銘の粉杉翔花2号だって分かったわね。さあ、ネコマタはあなたに返すわ。だから、約束どおり、お姉ちゃんを返してもらうわよ」

ヒノキ「いや、そんな約束をした覚えはないのじゃが」

翔花2号「何ですって? こっちは正々堂々名乗りを上げて、人質に使えるネコ娘を返してあげているのに、あなたはよもやここに来て『はて、そんな約束などしたかの?』ってとぼけるつもり? 何て卑劣な悪党なのかしら」

ヒノキ「ちょっと待てい。この日野木アリナを悪党呼ばわりとは、いくらコナっちゃんの妹御とはいえ、失礼千万であろうが。この燃える正義の魂に掛けて、人の大切な宝に手を出した報いは受けさせてもらわねばの。格の違いを見せてくれるわ(ゴゴゴゴゴ)」

ケイP『こ、これは、日野木さまの全身を赤い霊光が覆い、背後に朱雀のシルエットが浮かび上がるとは』

翔花2号「クッ、やはり素の状態では勝てないのは明らかね」

ケイP『翔花ママ、至急アーマーを装着して下さい。ドゴランアーマーの防御力なら、多少は凌げるかも』

ヒノキ「フッ、アダルトモードで本気を出し、ゲンブの火炎耐性をも凌駕したわらわの攻撃が多少なりとも凌げるじゃと? 小賢しいわ、カカカ。さあ、非礼を詫びるのは今のうちじゃぞ」

翔花2号「日野木アリナ。確かに、あなたは強力な力を備えているかもしれない。私はまだまだ未熟かもしれない。だけど、未熟だからこそ、世界を新鮮に受け止め、自分を支えてくれる人々の想いを真剣に感じ入って、感謝を捧げることができる。そう、今の私を支えてくれる想いの結晶はこの作品にある」
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ヒノキ「何? 呪われた島ロードスの冒険の全ての記憶が、コナっちゃんの妹御の体から満ち溢れているじゃと? いや、違う。この記憶は銀のメガネの前の持ち主、新星殿に起因するというのか? 宇宙全体よりも広くて深いもの、それは一人の人間の心。どうして、メタルダーの歌詞が今、響き渡るというのじゃ?」

翔花2号「フッ、それは1987年という時にある。それはメタルダーの放送時期であり、ロードスリプレイ第2部の連載時期でもある。NOVAちゃんが TRPGD&Dを初めて購入し、以降の創作活動において基盤を形成した年。そして、86年10月に放送開始された聖闘士星矢のTVアニメが暗黒聖闘士編のクライマックスから始まり、一輝兄さんとの決着をつけ、その後、白銀から黄金の聖域十二宮編に順調に展開し、ファンの人気に火をつけていた時代。そう、日野木アリナ、あなたが朱雀を名目に一輝兄さんの力を借りて調子づいているなら、私はそれとつながる1987年という時代そのものから力を借りることができる。その時代に青春を送り、いろいろな思い出を大切にし、今なお尽きない原点として記録し続ける時空魔術師NOVAちゃんの魂の欠片、想いのこもったシルバーアイズを受け継ぎしゆえに。そう、あなたが対峙しているのは1987年という時代よ」

ヒノキ「バカな。わらわは何百年も生きているのじゃぞ。たかが一年の記憶、思い出ごときに圧倒されることなぞ」

翔花2号「それが長く生きた者の傲慢であり、過ちにつながるのよ。人間は精霊よりも寿命が短いゆえに、時にその命を爆発的に燃焼させる。その輝きにこそ、私たち精霊は心惹かれ、魂の契約を結ぶのじゃないかしら。しかし、あなたは長く生きたために、その一つ一つのかけがえの無さにいつしか無頓着となり、大切なものを失ってもすぐに代替可能な一過性のものと感じるようになった。過ぎ行く一年一年をそれぞれが大切な想いの結晶と見なすことなく、ただ長く生きて蓄積してきたものだけを誇るようになる。青春時代の一年は、年を重ねてからの一年よりも濃密で、ずっと味わい深く、それ故に純粋な力となる。NOVAちゃんにとっての1987年に相当するほどの想いを、あなたは私に示すことができるのかしら」

ヒノキ「わらわは……わらわにだって大切な想いの数々は残っておる。しかし、それらは全て時の彼方に失われ、二度と戻って来ない。今、思い返しても、残るは悲しみの記憶ばかり。だから、わらわはそうした想いを記憶の底に沈め、今、目の前にある楽しいことに夢中になるよう切り替えた。そうでなければ、この世の全てを憂い、心が折れてしまいそうでの。精霊がこの世に存在できる理由は、人の持つ想いの強さにある。蓄積された長い年月は大切じゃが、その一年一年を細かく記憶する生き方など、わらわはして来ておらん。そんな物は歴史家に任せればいいこと」

翔花2号「だからなのね。NOVAちゃんが時空魔術師を名乗るのに、あなたがそう名乗らない理由は。だったら、あなたがNOVAちゃんに時空の対決で勝てる理由はない。NOVAちゃんはヒーローたちの系譜をしっかり語り、一つ一つに意味づけを見出すけれど、あなたにとってのヒーローはその時その時に楽しませてくれるだけの一過性の娯楽品に過ぎないから。同じヒーロー愛を力の根源にしたとしても、深さが全然違う。こだわりが全然違う。そこに掛けた思い入れが全然違う」

ヒノキ「それは……新星殿のことであって、そなた自身のことではなかろう。虎の威を借る女狐、親の七光を笠に着た娘とはそなたのこと。その傲慢な物言い、わらわが叩き直してくれるわ(ゴゴゴゴゴ)」

翔花2号「カーラ様、お願い(ゴゴゴゴゴ)」

ケイP『こ、これは。翔花2号ママの全身からも紫色の霊光が立ち上り、日野木さまの赤き霊光と激しくぶつかろうとしている。行けません、このままでは無防備に寝ている1号ママの身に危険が……』

翔花1号(寝言)「う、う〜ん、2号ちゃん、ヒノキちゃん、もうやめて。私のために争わないで」

ヒノキ「ハッ、こんなところを戦場にしては、塔もコナっちゃんも巻き込んでしまう。おい、妹御、ここはお互い手を引かんか」

翔花2号「甘いわ。カーラ様の力がみなぎる。カーラ様の魂が燃える。カーラ様のメテオがほとばしる」

ヒノキ「全部カーラ様頼りかい。おのれ、快盗。万丈のセリフまで勝手にパクりおってからに。しかし、本当に暴走モードでメテオを落とされてはかなわん。やむを得ん。そなたみたいな聞き分けのない未熟者の相手をいちいちしてはおられんでな。元の時間軸に帰るがいい。喰らえ、朱雀幻魔拳弐式・時空天翔!」

翔花2号「(ニッコリ微笑んでから)……キャーーーーーッ」


HYUN!


小さな閃光と共に消失す。

小さな嵐の後で


ヒノキ「フーッ、ようやく騒がしい侵入者がいなくなったわい。素直で可愛らしいコナっちゃんに比べて、何とも生意気で人騒がせな妹御じゃったの。人の話を聞いているようでいて、思い込みが強過ぎるからか、根本的な性格が歪んでいるからか、おかしな方向にねじ曲げて受け止めるらしく、話がうまく噛み合わん。しかし、去り際の笑みの意味は、何じゃったのか。まるで、全ては計画どおり、してやったりって感じのドヤ顏にも見えたが」


カラン


ヒノキ「ん? 何か落ちて行ったかの?」

ケイP『あ、それはマスターNOVAの銀メガネ、シルバーアイズみたいですね。2号ママが飛ばされた際に、吹き飛ばされたとか?』

ヒノキ「おお、これがメガネシルバーの伝説のメガネ。わらわの手元に残るとは、正に天の配剤よ、カカカ。どれどれ、装着してみるかの」

ケイP『あ、それはおよしになった方が』


バチン!


ヒノキ「あ痛ッ! 何じゃ、強力な静電気で、わらわの手を弾きおったわ」

ケイP『ええ、マスターのメガネには、セキュリティ機能が搭載されていて、契約者以外が触れると、反発するようになっております』

ヒノキ「どこのどいつが、メガネにそんな機能を仕込むというんじゃ!?」

ケイP『いや、関西のマスターNOVAということはご存知のはずですが』

ヒノキ「もちろん、分かっておるが、普通はメガネにトラップなぞ仕込まんじゃろ」

ケイP『まあ、うちのマスターは普通ではございませんから。「フッ、まさかこんなところにトラップが仕込まれているとは、誰も気付くまい。さあ、引っ掛かる愚か者は誰かなあ?」と、ニコニコさわやかな笑顔でゲームシナリオを考えていた御仁ですから』

ヒノキ「そんな偏執狂的なゲームマスターの作るシナリオなんぞ、プレイしたくはないのう」

ケイP『まあ、資格者のみ触れるグレンダイザーみたいなメガネってことで、私なら何とか。これは預かっておきましょう』

ヒノキ「頼む。落し物ゆえ丁重に預かっておきたいが、トラップ付きメガネなぞ物騒でかなわん」

ケイP『おや、日野木さま宛にメッセージメールが、メガネに登録されていらっしゃいます』

ヒノキ「何じゃと? そんな機能まで? 昨今、たまに話題に上がるスマートグラスって奴か?」

ケイP『そんな高機能な代物ではないはずですが、私なら解析可能という程度でして』

ヒノキ「で、メッセージは何と?」

ケイP『差出人は2号ママのようです』

ヒノキさんが、お姉ちゃんのことを大切に考えているのは間違いなさそうね。だったら、任せてもいいのかも。
問題は、あのネコマタね。あいつがお姉ちゃんに敵意を持っている限り、私も安心できないわ。まあ、この件はヒノキさんがもっとお姉ちゃんだけじゃなくて、シロちゃんにも変わらぬ愛情を注いでいることを示せば、半分くらいは解決するんじゃないかしら。


私も、NOVAちゃんが私以外の誰かや何かに夢中になって、私のことを放ったらかしにしていると感じたときは、とても寂しかったし、私からNOVAちゃんを奪うものを敵のように見なしたこともある。だけど、そういう気持ちは、NOVAちゃんときちんと話し合ったことで解消された。
今の私は、NOVAちゃんが好きなもの、愛するものを一緒に愛でることで、NOVAちゃんの想いと通じ合っていると思う。


ヒノキさんが、その時のNOVAちゃんみたいに、きちんとシロちゃんと向き合ってあげて、あの子の寂しさを減らしてあげて、一緒にお姉ちゃんと仲良くするように持ちかけてあげたら、多分、うまく行くんじゃないかな。
まあ、他所の家庭事情に私が口を出すのも変だと思うんだけどね。
私が大切なのはお姉ちゃんだし、お姉ちゃんが傷つかないようにしてくれるなら、ヒノキさんに任せてもいい。
だけど、今のままじゃ、ヒノキさんのお姉ちゃんラブが行き過ぎて見えるので、結果的にシロちゃんを傷つけ、お姉ちゃんまで傷ついて、みんなが不幸になるんじゃないかな、と私の知力は訴えている。


こういう気持ちがヒノキさんに通じて、うまく対処できればいいんだけど、大丈夫かな。ヒノキさんも年寄りっぽく、高慢で人の話をきちんと受け止めてくれない気がするから。


それに、私もどうやって、元の時間軸に帰ったらいいのかな。うまく、時空天翔を仕掛けさせて、メッセージをKPちゃんに託して、それからそれから、ええと、こっちの誠意はシルバーアイズに託すよ。
私の大切な宝物を、しばらくヒノキさんに預けておく。
それから次に出会った時にでも返してくれれば、私もヒノキさんの誠意を信じて、「花粉症ガールV3」の称号を認めてやってもいい。


だから、次の約束を守ってくださいね。


1.お姉ちゃんを傷つけないこと
2.シルバーアイズを大切に保管して、返してくれること
3.お父さんを亡くした可哀想なシロちゃんを、前みたいに可愛がってあげること


こんなことは、直接、口に出して言えないので、KPちゃんに託します。うまくヒノキさんに伝えてね。


Byメガネシルバーこと粉杉翔花2号

ヒノキ「……こ、これは、妹御にしてやられた、ということかの?」

ケイP『私も、2号ママがここまで先読みをして、全てが丸く収まるように知謀を巡らせておいでとは、考えも及びませんでした』

ヒノキ「聞き分けのない生意気なだけの小娘と思うておったが、なかなかどうして侮れんのう。うまく元の時間軸に飛ばすことができれば良いのじゃが」

ケイP『もしや、戻せないとでも仰るのですか?』

ヒノキ「いやあ、時空を飛ばすのは専門じゃないからの。確定された過去に飛ばすのは、まだ座標が定めやすいと言えるが、確定されていない未来に飛ばすのは、座標も曖昧になりやすいし、コントロールもつかめん。願わくは、あの娘が飛ばされたという8月16日の直後ぐらいに狙いどおり到達できれば良いのじゃが……って、しまった。今はアダルトモードであった。本気の力で飛ばした以上、いささか大きく飛ばしすぎたやもしれん」

ケイP『大きくって、どれくらい?』

ヒノキ「さての。来月以降なのは間違いないが、未来という名のどこかとしか。新星殿の夏の仕事が片付いてなおも行方不明のままだったら、彼に謝って、創作ならぬ捜索活動を要請せねばならぬかもしれんな」

ケイP『そんな無責任な』

ヒノキ「とは言え、わらわは時空魔術の専門家じゃないからして、できるのは自分の周りの時間軸の辻褄合わせをすることぐらい。ちゃんと、8月16日には妹御に時空天翔を掛けて、この時間軸に飛ばしてやらんとな。それ以外は、せいぜい誠意を見せて約束事には違背しないようにするかの、カカカ」

翔花1号「う、う〜ん」

ヒノキ「おお、気づいたか」

翔花1号「うん、だけど、何だか頭がぼーっとする。何故か知らないけど、2号ちゃんがここに来て、ヒノキちゃんと争っていたような気がする」

ヒノキ「それは、またひどい悪夢を見たものじゃのう。心配するでない。それも夢じゃからな」

翔花1号「また夢? 何だかヒノキちゃんと会ってから、私、夢ばかり見ている気がするよ」

ヒノキ「それは、わらわが夢多き女じゃからの、カカカ」

翔花1号「あれ、これも夢かな? ヒノキちゃんが何だか大きくなっているような」

ヒノキ「おお、そろそろ元に戻っても良さそうじゃな。マルヒヒ、マルヒヒ、ハンリリフ。ホレハハ、ホレハハ、ハンミリト。まばたきショットでロリータモードになーれ」

翔花1号「あ、元のヒノキちゃんに戻った。不可思議現象ね。こんなの現実じゃ有り得ない。やっぱり夢なのね。夢ばかり見て疲れたわ。もう一眠りしましょう。ZZZ」

ヒノキ「まったくもって、よく寝る娘じゃの」

ケイP『原因の多くを作っているのは、日野木さまかと思いますが』

ヒノキ「ヒヒヒ、否定はせん」

シロ「ハッ、ボクは一体? 体が自由に動く? ここは?」

ヒノキ「おお、こっちも無事に目覚めたようじゃな」

シロ「ア、アリナ様。申し訳ありません。あの粉杉翔花の妹と名乗る女にまんまとしてやられて、ボクは自分の不甲斐なさが許せない。こんなことで、アリナ様の従者を務める資格は……こうなったら、大人しく腹を切って、亡き父の名誉だけでも守りたく……」

ヒノキ「何か勘違いしておるようじゃの。そなたがいないと、誰がわらわのために美味しいデザートを作ってくれるんじゃ。そなたの忠義、言葉にはせなんだが、深く感謝しておる。この度は、他者の心を惑わす悪夢の亡霊にしてやられたようじゃが、一度や二度の失敗で諦めるような不甲斐ない従者を、わらわは持った覚えはないぞ。いいか、シロや。お主が未熟なのは確かじゃが、だからこそ未来に可能性があることを、わらわは期待しておる。未熟ならば、失敗を通じて学べばいい。学ぶ気概さえ失って腑抜けになったならば、このコンパーニュを去ればいい。じゃが、意味もなく死ぬことだけは許さん。そなたの命は、わらわが先代ビャッコ、そなたの父御から預かったもの。意味もなく死なせては、わらわがそなたの父の御霊に顔向けできん」

シロ「ハッ、アリナ様。ボクのような者に、もったいない御言葉……」

ヒノキ「もったいない、とは無駄遣いをした時に使う言葉じゃ。おぬしは、わらわの心からの言葉を無駄にするつもりか?」

シロ「いえ、そのようなつもりは……」

ヒノキ「だったら、素直に受け止めるがいい。忠義者への励ましの言葉とな。確かに、わらわはコナっちゃんを客人であり、大切な友として扱っておる。そなたに対しては、友とは見ておらん。それを察して、そなたがコナっちゃんに不穏な感情を抱いたらしいので、こう申しておこう。そなたは友以上の身内、わらわの家族も同然だとな。元より、そなたの父とは義兄弟にも似た仲じゃからして、そなたは姪っ子になるのかな。じゃが、決して伯母さんと呼ぶでないぞ。そなたがもっと大きくなれば、アリナ姉さん、いや、アリナお姉ちゃんと呼ぶことを許そう。どうじゃ、これでも不服か」

シロ「ア、アリナ様。不服だなんて……」

ヒノキ「ほう、赤面したか、ヒヒヒ。いつもはクールな無表情のそなたが、そのような顔を見せるとはの。ならば、今すぐ、お風呂へ行こう。さっきは、上せたコナっちゃんを介抱するために入り足りんかったが、シロよ、今回はそなたとハッピー入浴タイムじゃ。その汗くさい忍者装束を脱ぎ捨て、可愛い毛皮をモフモフさせてくれ」

シロ「そ、そんな、アリナ様。行けません」

ヒノキ「いいや、行くんじゃ。入浴時限定で、アリナお姉ちゃんと呼ぶのを許可する、ヒヒヒ。いざ、ビッグボディ温泉へレッツ・お風呂インじゃ」

ケイP『お風呂インOK。お風呂インOK。仲良く行ってらっしゃいませ。その間に、翔花ママは私が見守っていますので』

ヒノキ「任せた、ケイP」

シロ「アリナ様とお風呂。ボクは夢を見ているのか。ニャー(=^ェ^=)」

そして……2068年


翔花2号「あ、ええと、ここはどこなの? 何だか見覚えのない世界に飛ばされちゃったよ〜。ヒノキさんの誠意に期待した私がバカだった。どうやって、元の世界に戻ったらいいの!?」

(今話完。粉杉翔花の、時空を超えたアドベンチャーはまだ続く?)