White NOVAのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSF、TRPGの趣味と、「花粉症ガールというオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

殺人鬼との決着

先に無駄話


翔花「ちょっと、NOVAちゃん。殺人鬼ケイソンとの戦い、あんなことになっちゃって、どうするのよ?」

NOVA「いや、俺も書いていて、あんなに厄介な奴だとは思わなかったよ。やはり、頭の中で物語の流れをイメージするのと、実際に書いてみるのとでは大分違うよな」

翔花「何、言ってるのよ。机上の空論とか、実際の体験とか、そういう話がしたいんじゃないわよね」

NOVA「ああ。そういう話につなげようかと思ったんだが、先に言われたので十分だ。要は、プロットを立てていても、その通りにキャラが動くとは限らないし、俺は実際の執筆中に、キャラが感じた、考えた想いというのを大切にしたい男だからな」

翔花「私の想いを大切にしてくれるんだったら、勝手に別のブログに飛ばして放置したり、殺人鬼と戦わせたりしないと思うの」

NOVA「お前、GTライフに出張したとき、プリキュアになりたいようなことを言ってたじゃないか。俺はお前の願いを叶えようと、俺にできることを考えたに過ぎん」

翔花「プリキュアは、確かに言ったけど、初戦からあんなに大苦戦するなんて、ぶっちゃけありえない〜」

NOVA「ああ、キュアブラックを意識しているようだが、さっき調べたことによると、彼女は『ぶっちゃけ』という言葉は付けずに、普通に『ありえない〜』としか言わないそうだ。まあ、俺はその辺の話は見ていないから、ネットでの間接的な情報しか知らないわけだが、一応、ネタにするなら、公式サイトとか、wikipediaとか、ファンの感想考察サイトなんかは、さらっとチェックするようにするけどな。それを怠って、自分の狭い知識だけで語ろうとして、嘘とか勘違いばかりというのは、良識ある語り手としては、ぶっちゃけありえないだろう?」

翔花「私にとっては、ピンチな状況なのに、こんなにのんびり無駄話をしているNOVAちゃんの方が、ぶっちゃけありえないんですけど」

NOVA「いや、書いている作品の中でキャラがピンチだからといって、作者までが切迫した気分のままだったら、創作家は日常生活を送れないだろう? 大体、アマチュア作家は他に仕事とかしないといけないんだから、その辺はうまく気持ち的に切り替えていかないと、日常系ならともかく、バトル物なんて書けないぜ。プロットは綿密に、実際の執筆は情熱をもって、というのが俺の作品作りのモットーだ。それでも、キャラが自己主張しだすと綿密なプロットも崩れるんだけどな」

翔花「何が崩れたのよ?」

NOVA「お前、ゴミ箱に入るのを嫌がっただろう? そういうところもプロットが崩れた例として挙げられるんだが」

翔花「当たり前でしょ。そんな物をゲートに使うなんてプロットを考える方が、どうかしてると思うの。ゴミ箱なんて、誰が入りたがるのよ」

NOVA「他に例を見ない、画期的なアイデアだと思ったんだが……。それはそうと、ケイソンの奴、ゴミ箱から出て来たんだよな」

翔花「そうね。よくよく考えると、NOVAちゃんの鼻水でベトベトだったりするかもしれないわね」

NOVA「いや、まあ、そこは霊体なんだから、物理的な影響は受けにくいってことで一つ。それよりもだ。ケイソンが敵として、あんな厄介な奴だとは書くまで思わなかったんだ」

翔花「そうよ。初戦の相手があんな殺人鬼だなんて、レベル1のキャラにオーガー(人食い鬼)をぶつけるみたいなものよ。ゲームバランスってものを、ちゃんと考えてるの?」

NOVA「いや、そんなことはどうでもいい。俺が言いたいのは、カタカナだよ。どうして、あいつはカタカナで喋るんだ。普通にひらがなと漢字で喋ってくれればテンポよく書けるのに、カタカナ口調で喋る敵ってのは、いちいちカタカナに変換してやらないとダメで、書きにくいことこの上ない。読む方も苦労するだろうが、書く方の苦労はその比じゃない。俺は、今後カタカナ語で喋るキャラを多用する書き手を、その一点だけでも尊敬するぞ。iPadのキーボードに、ひらがなを一括でカタカナに変換できる機能でもあればいい、と思う。今回、不気味さの演出で、カタカナ喋りにしてみたものの、こんなに手間が掛かるとは思わなかった。もう、ケイソンは喋るな。元々、無口な殺人鬼という設定なのに、何で喋るようになったんだ」

翔花「そりゃ、この話が会話型シナリオスタイルで書いてあるからじゃない? ト書きとか地の文が少ないんだから、セリフで自己主張しないと、キャラが地味になっちゃうでしょ」

NOVA「そうなんだよな。セリフだけで戦闘シーンを演出しようと思えば、アクションもセリフに頼ることになる。当然、説明セリフが多くなって、戦闘中に相手のアクションを解説し始めるという、『おい、お前、ピンチなのに、随分余裕があるな』と読者のツッコミを受けることになる。無口なキャラ同士の戦闘シーンだと、『ムンッ』『ツリャッ』『フッ』『何ッ?』という、どういうことが起こっているかは、読者の想像に委ねるしかなくなるわけで」

翔花「いや、その辺は(刀を大きく振った)(相手の刀を弾いた)(余裕の笑み)(弾いたと思ったが、知らないうちに、軽傷を受けていた)ぐらいのことは、カッコ付きで説明を付け加えようよ」

NOVA「まあ、そういうことだな。他にも、バトル物になって、執筆の際に、面倒なことが増えた」

翔花「それは何?」

NOVA「翔花の名前に、いちいち『BS』を付けないといけないし、俺の名前に、いちいち『思念体』を付けないといけなくなったのが面倒だ。少しぐらいならフレーバーとして許容するが、ずっと、それで通すのは単純に手間が倍かかる」

翔花「だったら、なくせばいいんじゃない?」

NOVA「いや、それだと日常シーンとの違いを演出できないからな。うーん、これからは『翔花BS』の代わりに『ショーカ』、『NOVA思念体』の代わりに、普段どおりの『NOVA』で行くか。思念体の時のセリフは普段のカギカッコじゃなくて、(翔花、諦めるな)って心の声調だから、区別は付くだろう。後はケイソンのカタカナ喋りだけが厄介だが、さっさと決着をつけてしまえば、問題ないだろう」

翔花「それをどうするかが一番問題じゃない?」

NOVA「大丈夫だ。どう決着をつけるかのアイデアは夢で見た。後はそれに肉付けするだけだ」

翔花「ハ? 夢で見たって、そんなのでいいわけ?」

NOVA「夢は、無意識を具現化したものだからな。煮詰まった時のアイデアの源泉としては有効なこともある。そこに理屈付けるのは起きてからの仕事だ。さあ、決着をつけるぞ」

風のドライアド(飛べ、翔花)


ケイソン「小娘、ドコニ消エタ? エエイ、木々ガ多スギテ、ヨク見エンワ。ダガ、必ズ探シ出シテヤル。切リ刻ンデヤル。下僕ニ変エテヤル」

ショーカ(NOVAちゃん、あいつ、行ったみたいよ)

NOVA(ああ、木の中に溶け込むように身を潜めるとは、さすがはドライアド、樹の精霊といったところか。俺にはできん芸当だ)

ショーカ(だけど、これじゃあいつを倒せないよ。花粉症バスターも、カウンター技のSTRも、シーダーウィップだって、あいつには通用しない。どうすればいいの?)

NOVA(考えるんだ。奴は基本、接近戦の物理攻撃型のキャラだから、飛び道具で攻撃するのがセオリーだな。パワーじゃ絶対に勝てないから、奴の間合いの外に逃れて、遠隔攻撃を連射する。近づかれたら、樹々に隠れて……って隠れる瞬間を見破られたら、その樹を鉈で叩き斬られて、ジ・エンドか。奴の前で隠れるのは、リスクが高すぎる。すると隠れるんじゃなくて、奴の前に姿を晒しながら、奴の攻撃の届かないところ……空か)

ショーカ(空って、私、飛べないよ)

NOVA(飛べるだろう。お前、翔花って名前なんだぜ。一人では飛べなくても、俺の託した風の力、空の力を使えば、飛べないはずはない。『飛べ、ショーカ』ってサブタイトルにしてもいいぐらいだ。というか、今、後付けでカッコ付きで書き加えたりもした。『ドライアドは所詮、森限定の陸戦兵器、樹々がなければ動き回れん。何、ドライアドが飛んだ? バカな、連邦は何て恐ろしいモビルスーツを作ったんだ?』ってドップのパイロットの悲鳴が聞こえて来たぞ。ガルマ様がガウに乗って特攻を掛けるのも時間の問題だな)

ショーカ(相変わらず、何の話をしているか分からなくなる時があるけど、要は私が飛べるってことなんだね)

NOVA(俺がいればな。俺自身は足の負傷がたたって、ジャンプもろくにできない身の上だが、年を取れば遅かれ早かれ、みんな足腰は弱る。それに比べて、翔花、お前は若くて生まれたばかりなんだ。その可能性は無限大。自分を信じて、精進すれば、できないことは……まあ、それなりにあるかもしれないが、できることだって、きっとたくさんある。自分がやりたいこと、やらなければいけないことを見失わなければ、そして自分を助けてくれる人の想いを裏切らずに応えていけば、自分の今ある現実と未来の理想をつなげていければ、お前は鳥にだってなれる。幸せをもたらす青い鳥にな)

ショーカ(うん、分かった。NOVAちゃん、私、飛ぶよ。NOVAちゃんに託された力を使って)

ケイソン「娘、見ツケタゾ。ソノ樹ノ中ニ、気配ガぷんぷん臭ウワ。身ヲ潜メタ樹ゴト切リ倒シテヤロウ」

ショーカ(キャッ、見つかったみたい)

NOVA(細かい作戦を立てている時間はなさそうだな。ぶっつけ本番で行くしかない。覚悟を決めて、飛び出せ、翔花)

ショーカ「分かった。行くよ。(樹の中から飛び出して)空の力を想いに変えて、灯せ平和の青信号。花粉SHOWガール、ショーカ・ブルー・スタンド、ここに見参。スギ花粉の力で涙目浄化OKね!」

ケイソン「何ダ、ソレハ? 理解不能、リカイフノウ」

NOVA(80年代のキャラじゃ、そうだろうな。ケイソンの生まれた83年じゃ、魔法少女だってミンキーモモクリィミーマミの時代。92年のセーラームーンはいざ知らず、OVAの『幻夢戦記レダ』や『ドリームハンター麗夢』だって85年だと考えるなら、奴には戦う美少女戦士に対する知識や耐性は全くないはず。そもそも作り手の中学時代の俺に、そういう感性が全くなかったからな。あったとしても、せいぜい81年の『うる星やつら』か、もっと前の元祖・戦う美少女ヒロインの73年『キューティーハニー』ぐらい。それでも、フリルの付いたヒラヒラドレスみたいなコスチュームで戦う魔法少女みたいなキャラは皆無だ。翔花、ケイソンにとって、お前は異次元の悪魔を見るような不可解な存在だということだ)

ショーカ「詳しすぎてクドい解説をありがとう、NOVAちゃん。ケイソンが怯んでいる間に、飛ぶよ。サポートお願い」

NOVA(任せろ。風よ、光よ、風雲ロケット、3、2、1、ゼロ、サンダーバーズ、アー、GO!)

ショーカ「何よ、その呪文。いろいろ混ぜて、元ネタ全部分かる人いるの、それ?」

NOVA(4つぐらい混ぜたな。『快傑ライオン丸』に『風雲ライオン丸』、『とべ!バリブルーン』に『サンダーバード』OPの4大聖霊の加護がお前を祝福している。安心して飛ぶんだ、翔花)

ショーカ「キャッ、背中から勝手にロケットブースターが出て来たわ。熱い、背中が焼けるように熱い。私、花粉症の精霊なのに、ジェット噴射で飛んだら焼けちゃう、燃えちゃう。キャーーッ!」

NOVA(心配するな。ジェットの出力調整とか、飛行のコントロールは俺がやる。お前は戦いに集中しろ)

ショーカ「そんなこと言っても。せっかく、風の力を借りるんだから、もっと優しくフワッという飛び方はなかったわけ?」

NOVA(だって、俺がイメージしたんだぜ? 当然こうなるに決まっているだろう? 不満があるなら、今度からお前が呪文を考えて、自分の飛翔イメージを作るんだな。飛ばせてもらって、文句を言うな)

ショーカ「せめて、スーパーガールやスカイライダーみたいに、マントやマフラー広げて舞い上がるみたいにして欲しかった」

ケイソン「一体、何ガ起コッテイルノカ? 皆目、予想ガツカン。どれすノ小娘ガ、ろけっと噴射デ飛ビ上ガルダト? 我ハ狂イカケテイルノカ?」

針と槍


NOVA(今だ、翔花。奴は今の事態に対応できていない。ここで飛び道具を放つんだ)

ショーカ「そうね。シーダーウィップの応用で、髪の毛一本、アイタタタ、杉は針葉樹なんだから、針を作っても問題ないわよね。髪は女の命だから、何本も抜くなんて、そんなのイヤ。1本抜いたら、後は分散させて、できた。シーダーニードル百連発。これでマジンガーZのミサイルパンチみたいに弾切れ気にせずに連射できるわ」

NOVA(やるな、翔花。飛行状態から放つのは、マジンガーZに例えるなら、ドリルミサイル相当なんだが、あれって結構、妖機械獣相手に起死回生の逆転劇を見せてくれたんだよな)

ショーカ「いいわね、行くわよ。シーダーニードル、トリプルアロー!」

ケイソン「小癪ナ。ソンナ小サナ針デ、我ガ傷ツクトデモ?」

ショーカ「3発でダメなら、これよ。シーダーニードル・フィンガーボム!」

ケイソン「今度ハ5発カ。少々、数ガ増エヨウト……グハッ、爆発シタダト?」

ショーカ「え、爆発なんて、私、そんな力は持っていないはずなのに。どうして?」

NOVA(お前、自分でフィンガーボムって言ったろうが)

ショーカ「いや、それは何となく、5発だから、そういうノリじゃないかと、ついつい口走っただけで」

NOVA(おまけに、その前に『いいわね、行くわよ』と叫んだ時点で、知らず知らずのうちに『モモレンジャー』の加護を呼び起こしていたんだよ。そこに『フレイザード』の技名を口にしたことで、相乗効果が発生し、爆発という属性がシーダーニードルに付与された。言霊の原理、フレイザーによるところの類感魔術の定義『類似したもの同士は互いに影響し合う』の応用パターンと言ってもいい。要するに、お前がシーダーニードルに言葉の力で、爆発属性を付与したんだ)

ショーカ「そんなことができちゃうわけ?」

NOVA(素質ときっかけがあればな。それに、言霊魔術は俺の専門の一つだ。さらに、お前は今、背中のロケットを熱いと感じている。その感じが、熱を外に放出しなければいけないという無意識の想いに駆られて、針に火炎属性を付与したのかもしれん)

ショーカ「全てはNOVAちゃんの計算どおりということ?」

NOVA(さあな。俺はきっかけを与えたに過ぎん。うまく活用したのは、お前のセンスだ。さあ、今なら、奴を倒せる。それだけの破壊力のある技をイメージするんだ。お前にふさわしい技をな)

ショーカ「私にふさわしい……針葉よりも大きいのは、枝、幹。針を大きくすれば、それは槍。見えたわ、シーダーランス、今ここに」

NOVA(おお、翔花のかざした右手に、植物の気が収束して、眩き光の槍が生成していく。朝の光を反射した陽樹槍シーダーランス。これなら闇の殺人鬼を浄化できる。まるで、『翔べ!必殺うらごろし』の先生みたいじゃないか。お経の響きが脳裏に鳴り響くぞ。行け、翔花、合点承知の必殺供養だ。今は亡き藤田まことさんのOPナレーションも応援しているぞ)

ショーカ「……そんなの私のイメージじゃない」

NOVA(ん、どうした、翔花? 今なら、敵にトドメをさせるんだぞ)

ショーカ「NOVAちゃんは私に何をやらせたいの? 必殺シリーズみたいに、晴らせぬ恨みを晴らす殺し屋さん? それは、NOVAちゃんの好みであって、私のなりたい自分じゃない」

NOVA(ショーカ、お前……)

ショーカ「それに……よく考えてよ。ケイソンさんだって、NOVAちゃんが生み出した子供の一人なんだよ。花粉症から生まれた私といっしょで、NOVAちゃんの苦しさから生まれ、それを吐き出すために作られた想いの結晶。それなのに、私は愛され、大切にされて、ケイソンさんはそうされなかった。NOVAちゃんは、ケイソンさんときちんと向き合って、話をしたことはあるの?」

NOVA(話すも何も、奴は殺人鬼だぞ。人を大勢、殺して来たんだ)

ショーカ「本当に? それって、ジェイソンのことであって、ケイソンさんのしたことじゃないわよね。NOVAちゃんは、実際にケイソンさんが人を殺したところを見たの? それとも……書いたりしたの? よく思い出して」

NOVA(そんなことを言っても、翔花。奴は最初に俺を殺して……)

ショーカ「だけど、NOVAちゃんは今、生きている」

NOVA(そりゃ、お話の中であって、俺は確かにケイソンに殺され、ゾンビになって大勢の人を……ああ、ケイソンは確かに俺しか殺していない。その後の犠牲者は全部、ゾンビになった俺の仕業だ。俺は自分の罪を全部、ケイソンに押し付けて……)

ショーカ「違うの。中学時代のNOVAちゃんが書きたかったのは、そういう殺人鬼とか、ゾンビとか、そんな恐ろしいだけの話じゃない。人を殺して喜ぶような話じゃない。ただ、心の中で書きたかったのは……」

NOVA(お前に、中学時代の俺の何が分かると言うんだ?)

ショーカ「分からないよ。今のNOVAちゃんしか見てないし。だけど、これだけは言える。NOVAちゃんは一度、ケイソンさんときちんと向き合う必要があると思うの。だって、昔のケイソンさんは無口な殺人鬼だったんでしょ。まともに会話することもなかったんでしょ?」

NOVA(そりゃ、いきなり追いかけられて、殺されちゃ、会話なんてできっこないだろう。中学時代の俺も無口で、殺人鬼と会話なんて思いもしなかったからな。今だって本当は怖いんだよ。どうやって、翔花がケイソンを倒せるように考えようかって、そればかり……)

ショーカ「私は、ケイソンさんに恨みは持っていない。だって、あれ見て」

燃えるケイソン「グオーーッ、熱イー。我ハコノママ燃エ死ヌノカー。積年ノ想イモ成就デキズニ、口惜シヤー」

ショーカ「可哀想だと思わない?」

NOVA(お、おい、翔花。何をするつもりだ?)

ショーカ「風の力よ、お願い。クリスタルレイクから水を運んで来て、ケイソンさんの火を消してちょうだい。翔花の力は消火に使います」

NOVA(おい、せっかく倒せるチャンスを)

ショーカ「NOVAちゃんは黙って見ていて。私はケイソンさんに歩み寄って、お話してくる」

NOVA(やめろ。そんなことをしたら殺されるぞ)

ショーカ「私は死なないわ。だって、NOVAちゃんが生み出した花粉SHOWガールだから(ニッコリ)」

浄化


翔花は、NOVAの制止も聞かず、シーダーランスを収め、自分の意思でフワリと林間地に降り立つ。
ああ、殺人鬼相手にどうしようってんだ、この娘は。
心配する親が見たら、泣くぞ。シクシク。


ケイソン「娘、一体、何ノツモリダ? 我ヲ倒セヌト見テ、命乞イニデモ来タノカ?」

ショーカ「そうじゃない。あなたに私は倒せないことが分かったもの。あなたの攻撃は私には通用しないの」

ケイソン「血迷ッタカ? 我ガ鉈ノ一撃、ソノ身ニ受ケテ、忠誠ヲ誓ウガイイ!」


ブンッ。

スカッ。


ケイソン「何ト、コノ娘、鉈ヲ当テテモ素通リスルトハ。イカナル妖術カ?」

ショーカ「だって、私、不定形の花粉症の精霊だもん。体が花粉の粒子でできているから、武器による打撃や切断などの物理攻撃は拡散して無効化しちゃうの。戦うのは初めてだったから、自分の能力には気付いていなかったんだけどね」

ケイソン「ムム。ソレハ面妖ナ。ダガ、燃ヤセバドウナル? 我ノ体ハ、先程ノ炎ガクスブッテオルゾ」

ショーカ「そ、それは危険かもしれないわね。でも大丈夫。NOVAちゃんのことだから、きっと炎に強いRXロボショーカって感じにフォームチェンジさせてくれると思うわ」

ケイソン「RX? がんだーRX78、がんだむノ話ヲシテイルノカ?」

ショーカ「ガンダーRX78? ガンダムは知っているけど、そんな呼び方は知らないわ。それにガンダムの話なんてしてないし。仮面ライダーの話だし。RXと言えば、南光太郎に決まっているでしょ」

ケイソン「何ヲ言ッテイル? 光太郎ト言エバ、南デハナク、東光太郎に決マッテオロウガ。シカモ仮面らいだーダト? 光太郎ト言エバ、うるとらまんたろうデアッテ、仮面らいだーデXト言エバ、せたっぷト叫ンデ、くるーざー大回転ト宙ニ舞イ、真空地獄車デハナイノカ。イヤ、我ハ実物ヲ見タコトガナク、書物ノ知識シカ持タヌ身デアルガ。主題歌スラ歌エナイ……」

ショーカ「NOVAちゃん、ダメ。こいつ、何を言ってるかよく分からないよ。どこのパラレルワールドの住人なわけ? 光太郎と言えば、南に決まってるでしょ。そんなの特撮ファンの常識よ」

ケイソン「違ウ。光太郎ハ東ダ。ソンナ基礎知識モ持タズニ、我ニ特撮論争ヲ挑ムトハ、詳シクハナイ女子トハ言エ、許シガタイ所業。斬ッテヤル!」

ショーカ「ベーだ。斬れるものなら斬ってみなさい」

ケイソン「言ッタナ。後悔シテモ知ラナイゾ。ソリャっ!」


ブンッ。

スカッ。


ケイソン「むっ、ヤハリ効カヌカ。ナラバ我ヲ苛ム炎ノ力ヲ逆利用スルトシヨウ。新必殺技ふぁいやーぶれーど。宇宙カラ来タ金属鎧ノ刑事ノ技ガ元ねたダ。全身ガ光リ輝ク。瞳ガ発光スル。チャラララ、チャラララ〜♪」

ショーカ「何、こいつ? 突然、鼻歌を歌い出して? あ、でも、炎は危険かも。NOVAちゃん、何とかして」

NOVA(全く、お前らの会話を黙って聞いていたら、世代差が酷すぎて、全然、話が噛み合ってないじゃないか。83年の知識しかないケイソンはともかく、翔花、お前は昔の知識も今の知識も持っているんだろうが。お前が譲ってやらなくて、どうするんだよ?)

ショーカ「そんなこと言っても、私、83年の何が常識で、何が違うのか、そんな細かいことは覚えてないよ。光太郎さんは何年?」

NOVA(87年だ)
ケイソン「73年ダ」
NOVA&ケイソン『そんなの常識だ。そんなことも分からないのか、小娘が』

ショーカ「えーん、二人から同時に合体攻撃を受けて、翔花ちゃんのメンタルはボロボロよ。どうして私が二人掛かりで精神攻撃を受けないといけないのよ。NOVAちゃん、悪霊に魂を売ったわけ?」

NOVA(というか、悪霊の方を俺が理解したというか、こいつ、お前と話しているのをよくよく聞くと、何だか他人に思えなくなってきたんだわ。ちょっと翔花、ブルーアイズをかざしてみな)

ショーカ「え、NOVAちゃんから借りたメガネから光が? 光の中にNOVAちゃんの姿が浮かび上がって?」

NOVA投影体「ええい、静まれ、静まれーい。ショーカさん、ケイソンさん、もういいでしょう。ここはお互い、武器を収めて、私の話をよく聞きなさい」

ケイソン「むっ、水戸ノ御老公カ? イヤ、違ウ。髭モナク貧相ナオッサンダガ、ドコトナク懐カシイヨウナ、憎ラシイヨウナ……」

NOVA投影体「まあ、確かに水戸の老公の威厳に比べれば、俺なんて貧相でしょうよ。だが、この歌を聞いてもまだ、そんな口が聞けるかな?」

ケイソン「うおおーー、我ヲ悪ニ染マリシ者ト呼ブノカ? 我ハタダ、我ヲ創リシ者ノ想イヲ満タサンガタメ……」

NOVA投影体「ああ、そうだろうよ。だから、その重荷から解放してやろうと言うんだ。そのマスクの下の素顔をさらすことによってな」

ケイソン「ぐぐっ、ヤメロ。ソレダケハナラヌ」

NOVA投影体「観念しろ、ケイソン。 翔花、ブルーアイズの光を奴に向けろ!」

ショーカ「え、何が何だか分からないけど、これでいいの?」

ケイソン「ぐわああ、我ガマトイシ闇ガ消エ失セテ行クーーーっ! 我ガ、ワレガーーーーッ」

NOVA投影体「外道照身霊破光線!汝の正体見たり!諸事情で本名は明かせんが、35年前の俺!」

ケイソン「バァレタカァ!」

ショーカ「そんな。ケイソンのマスクが割れて出てきたのは、意外に可愛い男の子?」

男の子「可愛い言うな! こう見えても、中学生だ。背が小さくて色白だからって、親まで『女装したら似合うんじゃないか』なんて言うんだぞ。ぼくだって、これから成長期に入るんだ。小学校の時は嫌いで飲めなかった牛乳頑張って飲んで大きくなってやる」

NOVA投影体「まあ、中学校3年間で20cmぐらいは伸びる。それから高校で10cm。それでも平均よりは低いが、何とかなる。だから、心配するな」

男の子「おじさんなんかに、ぼくの気持ちが分かるもんか」

NOVA投影体「痛いほど分かるから、言ってるんだがな。それと、おじさんはやめてくれ。確かにおじさんには違いないが、自分に言われてると思うと複雑な気分だ。こっちがおじさんなら、お前のことは順之助って呼ぶぞ」

男の子「何で、ぼくが順之助なんですか? あんな素人と一緒にしないで下さい」

NOVA投影体「だったら、誰がいいか三択で答えろ。『1.かんざしの秀』『2.三味線屋の勇次』『3.念仏の鉄』」

男の子「そんなの1番に決まっているじゃないですか。三田村邦彦の大ファンなんですよ。それより、3って誰なんです? そんな仕事人、聞いたこともない」

NOVA投影体「仕事人じゃなくて、仕置人な。中村主水の最初にして、最高のパートナーだ。お前も1年後に名前を知ることになる。映画のパンフレットでな」

男の子「仕事人が映画になるんですか? それは絶対に見に行きたい」

NOVA投影体「全く。お前のその反応は、無邪気に仕事人に憧れる初期の順之助まんまじゃねえか」

男の子「勘弁してください、おじさん。ぼくは秀がいいんです」

NOVA投影体「だったら、俺のことはおじさんじゃなくて、八丁堀と呼びな。俺も47だからな。藤田まことさんが最初の仕事人で中村主水をやってる時と同じ頃合いだ」

ショーカ「ちょっと、二人で何、意気投合しちゃってるのよ。どういうことか、私にも分かりやすく説明してくれない? 二人とも必殺シリーズのファンだってのは分かるけど」

NOVA投影体「ケイソンは、こいつの心の闇が生んだ存在ってことだ。闇が晴れたら、創り主のこいつが現れたって感じだな。正確には、こいつは創り主の記憶と姿をコピーした分身ってところなんだろうけど」

ショーカ「それって、つまり、83年のNOVAちゃんってこと?」

NOVA投影体「ああ、中学1年の時の俺だ。もう、BSモードを解除していいぞ。俺もこんな投影体ではなく、過去の自分と直接話したくなった」

ショーカ「本当に危険はない? NOVAちゃん、襲われたりしない?」

NOVA投影体「中1の時なら、まだ大丈夫のはずだ。中3の時は、人間関係のトラブルで割とささくれ立っていたがな。気になるなら、試しにシーダーニードルを一本、渡してみろよ。面白い芸を見せてくれるぜ」

ショーカ「大丈夫かな? でも、まあ、NOVAちゃんが言うならいいか。はい、君、これあげるね」

男の子「杉の葉ですか? これで、ぼくに何をしろと?」

NOVA投影体「お前が秀と呼ばれたいなら、そいつがかんざしだ。やることは分かるな」

男の子「こうですか?(指の間にニードルを挟んでからクルッと回して)シャリーンッ。チャーララララー、チャチャチャ、チャララ、チャララーン、チャララーン♪」

NOVA投影体「ジャカジャーン、ジャカジャーン♪」(二人で、必殺仕事人IIIの殺しのBGMを鼻歌合奏)

NOVA「よーし、かんざし回して、その曲を奏でるとは、仕事人マニアの第1歩を踏み出したな。俺は、お前を『秀』と認めてやる」

秀「ありがとうございます。八丁堀の旦那」

NOVA「ただし、真の秀なら、『想い出の糸車』ぐらいは歌えないとな」

秀「すみません。友達がそういう話をしていたんですが、仕事人のパート2は、まだ小学生だったので、親が見せてくれなくて。中学生になって、パート3から見始めたんです」

NOVA「心配しなくても、そのうち再放送で見られるようになるさ。そして、仕事人以前の昔の作品も見るがいい。シリーズ全作追跡するのは奥が深いぞ。マニアへの道は一朝一夕では進めない。まずは、映画のパンフレットを買って、歴代シリーズ作品を知ってからだな」

秀「はい、精進します」

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翔花「やれやれ、完全に、昭和NOVAちゃんと、平成NOVAちゃんの一人二役、師弟劇場になっちゃったみたいね。殺人鬼退治のはずが、NOVAちゃんの自分探しでオチがついちゃったのは、良かったのか、悪かったのか。これ以上は、私の出る幕はないようだから、せっかくなので、平和なスギ林を散策して来ようかしら。殺人鬼がいなくなったら、ここも気持ちが良さそうだしね。じゃあ、これにてケイソン退治の物語はおしまい。めでたしめでたしってこと」

(バトル創作編、終了。次回から日常編に戻るつもり)