Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

文庫版『岳飛伝』完結(楊令伝)

昨夜から書き始めた、『岳飛伝』完結記念、「北方大水滸伝と共に過ごした、NOVAのネット活動の思い出話を語っちゃうぞ」記事。
いやあ、心のおもむくままに、思い出話を無駄に長々と書いたものだから、夜寝て、朝起きてから5時間ぐらい延々と書き続けても終わらない、何だかつれづれなるままに書いてたら、いつの間にか、こんな時間だよ経験を、またしちゃいました。

で、あまりにも長くなったので、記事を二つに切り分けて、今朝からのはこちら、ということで。

なお、まだ完成していないので、夜、仕事から帰ってから、続きを書くつもり。
幸い、花粉症は今のぼくを避けてくれているようなので、すこぶる絶好調なり。

翌朝、楊令伝

楊令伝 一 玄旗の章 (集英社文庫)楊令伝 文庫版 全15巻+読本 完結BOXセット (集英社文庫)
ええと、昨夜、北方水滸伝について書こうと思ったら、思いがけず、自身の創作企画の思い出話になってしまい、
それでも、まあ、いいか、全く関係ない話じゃないし(NOVAの頭の中では)、この機会にいろいろな想い(他では断片的に吐き出したことはあるにせよ)を吐露しちゃえ、と思ったのが、6時間ほど前だったかな。
で、やっと、話が北方水滸にたどり着いた頃合いに、睡魔に襲われ、以前なら、それでも頑張って最後まで、と徹夜も辞さない勢いだったのが、さすがに歳には勝てないや、若い頃みたいな無茶はできねえ、と適当なところで話を打ち切り、バタンキュー、朝まで寝床でグーグーグー、と妖怪とは異なるバイオリズムで熟睡し、
気付けば朝7時前、あ? ニチアサスーパーヒーロータイムには間に合ったか、もう30分は余裕があるな、と、部屋の時計を見ながら何やら寝ぼけたことを考えてみた後、ハッと自分の間違いに気付きます。*1

それから、当ブログに記事を書きかけだったことを思い出し、
眠気覚ましの読書とばかり、自分の書いた内容を読み返し、
「んー、ここまで真正直にいろいろ書くつもりはなかったんだけど、まあ、特に間違えたことは書いてないし、文章は自分の混乱しがちな頭が書いた割には理路整然としているような気がするし(もう少し整理できるような気もするが)、関係者に大きな迷惑をかけそうな内容でもないし*2」と読み直してからの推敲や、問題になりそうな部分の削除などなどを検討し、
よし、これで行こう(ここから削ったり、書き直すのも面倒だし、と消極的な理由込み)と決定を下した後、ようやく続きを書くのでありました。


って、前置きダラダラ長いな。
もっと読む側の気持ち考えろよ。北方水滸の話かと思ってたのに、続きを読めば、NOVAの昔の創作の話を延々と聞かされた北方ファンの怒りを感じないのか、と、いろいろネガティブなことを思い浮かべながら、
え、北方ファンがわざわざNOVAの拙いブログを見に来るの? ご苦労さま。でも、ここはNOVAのブログだからね。NOVAが書きたいことを書いて、自分を表現する場なんだ。だから、この程度は勘弁してよ、とポジティブになるように切り替えて、
ようやくウォーミングアップを終了し、北方ファンが読みたい話に移る所存なり。


そもそも、NOVAは北方水滸を読むまで、ハードボイルドについて決定的な思い違いをしていたことに気付きます。


❌ 女なんぞに現(うつつ)を抜かしている場合じゃねえ。


はあ、何、その時代錯誤な考え方。
いや、これ、NOVAの古いハードボイルド観ね。
ここだけ読んで、「NOVAは男女差別主義者である」と短絡的なことを考えて、抗議コメントを入れてくるような人は(仮にいたとして)、他人の文章を最後まで読めず、筆者の書いていることの趣旨を汲み取ろうとしない愚か者であることを、自らの手でさらけ出すことになるから、そんな恥ずかしいマネは慎もうね、と老婆心までに。


で、結局、ハードボイルドを何となくの感覚で受け取っていたNOVAは、夏目漱石の『こころ』の自殺しちゃった堅物友人みたいなストイックだけど、建設的ではないし、時代錯誤な(まあ、漱石さんは100年以上前の人だから、時代錯誤で当たり前なんだけど)考えを、ハードボイルドと間違えて認識していたわけだ。
別にハードボイルドは男だけの特権じゃないし、ハードボイルドな女探偵だっているし、北方水滸にだって、鮮烈かつ苛烈な生き方をした男勝りの女傑や、嫉妬心で周囲を巻き込んで破滅させる悪女タイプや、命をかけて息子を守ろうとして殺されてしまう母性に満ちた女や、愛する夫の留守を守ろうと家庭や梁山泊の内政を取り仕切る内助の功と社会進出を両立させた新たなタイプの良妻賢母やら*3、まあ、登場人物の男比率の高い北方さんの小説に女性ファンが意外と多いことにも納得するわけで。

ヒロインがあまり書けない、と創作活動の際に悩みの種にしていたNOVAにとって、単にステロタイプではない、新たな女性キャラの分類枠を提示してくれた北方さんの小説に感化されてしまったため、
きちんと自分の中で昇華しきれないまま、プレ・ラーのヒロインに反映してしまい、何だかカレンさんが精神分裂的な妙なキャラになってしまい、そのことがカートの闇落ちを促す契機になるという、一応、大筋的な話はつながっているんだけど、キャラファンにとっては受け入れ難いであろう暴挙をかましてしまうのだが、まあ、それは別の話。


そして、そんな女(母親)が父ともども、自分の目の前で刺客に惨殺されてしまい、心に深い傷を負った少年・楊令が2シリーズ目の主人公になります。
水滸伝ラストで、激戦の末、宋との戦いに敗北した梁山泊。戦死者続出の中で、生き残った者は散り散りになり、それぞれの立場や状況で再起を掛けるのが序盤の展開。
で、主役の楊令は、前作のメインリーダー宋江から、死に際に梁山泊の志を言葉にした『替天行道』の旗を託されるのだけど、そのまま失踪。リーダー不在のまま梁山泊は徐々に集まり戻ってきたメンバーでとりあえずの活動を再開します。
この辺の展開は、ガンダムOOの第2シーズンの序盤を彷彿とさせますね。かつて世界に戦いを挑み、世界の敵として崩壊したテロリストチームが、より暗い方向に突き進む世界の行く末を案じ、理想の世界を目指して戦うドラマ。
それと、楊令伝は、文庫で発売されたのは東日本大震災の2011年。連載分はそれ以前から描かれ、終盤は思いがけぬ大洪水に見舞われ、かつての敗戦から再建された梁山泊が、またもや壊滅的被害を受けるまでの顛末なんですが、戦争ではなくて天災で崩壊する様は、見事に世相を切り取った(予見した)小説だなあ、と痛感いたしました。


いきなり、話がラストに飛びましたが、この楊令伝は、東日本の震災の記憶とつながりますので、そこを飛ばしては語れない、と考えます。
うちの創作企画の方としては、原案者が震災のトラウマを喚起されたとかで、完全に執筆を断念。前日譚を担っていた自分が、状況の変化の中で、企画そのものを完全に委ねられるというか、何だかリアル楊令になったような気分を味わっていました(苦笑)。
でも、この楊令、幼い頃に自分を守って死んだ両親の記憶がフラッシュバックすると、暴走してしまうんですね。英雄・楊志の忘れ形見ということで、梁山泊の面々に可愛がられ、武術も仕込まれ、将来のリーダー候補と目されて、その結果、まだ成熟しきっていないのに旗まで託され、過酷な運命から逃れるためか、立ち向かう力を得るためか、楊令は北の女真の地で戦いの日々を過ごします。


北の地で黒騎兵を率いて「幻王」を名乗り、盟友の完顔阿骨打(ワンヤン・アクダ。歴史上の人物で、女真の部族を遼の支配から解放し、金を建国)と協力して、歴史の裏で大活躍。
まあ、戦いの中でしか生きられない冷酷な戦士として、かつての優しさを封印して荒れ狂う、言わば闇堕ちキャラに成り果てているのですがね。これが、自分がプレ・ラーで書きたかったイメージに割とぴったり符合するので、強烈に影響を受けるかたわら、「こういう凄い小説を読んで楽しんでいるんだから、別に自分で書かなくてもいいわな」と感じるようにもなったり。
昔、流転氏が似たような理由(自分が書きたかった小説のイメージが、何かの仮面ライダー……キバだったかな、とかぶったから書きづらくなった)を言って、今さら、それを言うか、と問題になりました。元々、ラーリオスの原案自体、「仮面ライダーBLACK」と「聖闘士星矢」の設定を混ぜて、そこに本編は格闘マンガのノリ、プレ・ラーの方はアメコミヒーローや洋物特撮の要素を投入して作った形で、オリジナリティは少ないんですね。だから、「何かと似ちゃう」のは企画始めからの大前提なので、それを理由に執筆を降りるというのは言い訳にならないわけで。
しかも、流転氏は今も昔も口下手だから、「キバの何がどう、書きたいものとかぶるのか、改善策は考えられないのか」と言う疑問や話し合いには全く乗らずに、自分はもう書かないの一点張り。まあ、書かないと言っている人を責め立てても仕方ないので(執筆にお金を払っているわけでもなく、あくまで趣味の創作の範囲だし)結局、企画の動向がぼくに委ねられたのは前述の通りですが、
おかげで、NOVAが降りることを宣言する際にも、似たような言い訳は使えなくなりました(苦笑)。まあ、ラーリオスに専念すると、仕事の方にも悪影響というか、東日本後、日本中がいろいろと不安を抱える時期だからか、入塾する生徒の数も激減、赤字が続くようになり、これは急いで何とかしないと、という形になりました。ちょうど、そんなタイミングでパソコンのキーボードの調子が悪くなり、それを言い訳に執筆を停止。そんなもの、修理に出したり、新しいパソコンを買えば済む話なんだけど、それができない経済状況と、立て直すための時間の確保が目的なので、だからと言って「仕事に支障が出たから書けない」とストレートに打ち明けるのも、何となくどうかなあ、と思ったので、表向きの理由は全て機械のせいにしました。
まあ、それが大体、2013から14年ぐらいの話で、本ブログを開店休業状態にしていた背景も、大体その辺りです。


プレ・ラーの物語も、そろそろ暗い流れに入っていたし、現実の世相も震災の後遺症で暗いし、経営状態も思わしくないし、全てが暗く流れていく感じで、
明るいのは特撮界隈って感じでしたね。アメリカでは『アベンジャーズ』が新たな地平線を開き、『ゴジラ』も復活。日本でも平成ライダーが第2期に入って、なおも順調に展開し、戦隊も『海賊戦隊ゴーカイジャー』が集大成的なお祭り様相を呈し、ウルトラマンもゼロの登場辺りから、また賑やかになってきたかな、と。
単純に子供みたいに、暗いの嫌だ(自分で書いていた物語なのに)、でも、他人の書いた暗い話は苦にならないのか、それとも暗さが明るさに切り替わるのが好みなのか、この時期、『楊令伝』は中盤の明るい部分を何度も読み返した感じ。
何が気に入ったかといえば、北から幻王こと楊令が帰ってきて、南では自滅型宗教テロが跋扈していたのを、宋の武人トップの童貫が鎮圧する過程で、次代の主人公の岳飛を拾い上げて軍人として育て、何とか南と北の様相が安定化した状況で、前作ラスボスの童貫を楊令が中盤の決戦で撃退。ここで、これまでの重いトーンが一気に晴れて、うおー、と喝采をあげたくなる流れですね。
もちろん、楊令が、岳飛の養い親を倒したことで、次作の主人公との対立関係が生じるのですが、岳飛のキャラは未熟とはいえ、豪快な猪武者で読んでいて清々しい。鬱屈しがちな暗い楊令よりも、よほど主人公にふさわしいので、そんなキャラにスポットが当たるのは読んでいて気持ちがいい。


さらに、童貫が敗れて、守る者がいなくなった宋は国内部の政争などもあって、北の金国からの侵攻を受けて、あっさり瓦解。これで打倒・腐敗した宋という大義名分を掲げて頑張ってきた梁山泊の目標はようやく達成となります。
宋は政権が南に逃れて南宋になり、金国の支配地域に残された梁山泊の湖塞は、金国皇帝・阿骨打と楊令の盟友関係により、一時的に安泰。
そして、梁山泊が新たに掲げた目標は、国の思惑や戦争に左右されずに民衆を潤すための大経済交流圏を確立すること。つまり、かつての軍事テロリストが交易・商売で世界を制しようという路線転換。
いやあ、この部分が、経営立て直しを考えないと、というNOVAの背後の状況に見事にマッチして、いろいろ面白い、と。
あ、なろう系の『ログ・ホライズン』も、やはりゲーム的なバトルシーンもさることながら、ギルド同士の折衝や経済に目を向けた異世界会社経営小説とも呼べる代物でしたしね。


いやあ、やはり経営者視点に立って、初めて面白く読める物語があることを、自分はこの時期に痛感いたしました。それまで、あまり経済には関心を持たなかったというのに。
こういう、昔は食べられなかった食べ物(作品)が、味覚が変わったからか食べられるようになったりすると、成長したと思わなくもない。まあ、昔、できたことができなくなるとショックですが。


でも、せっかくの楊令の経済圏勃興の夢も、身内に忍び込んだ暗殺者と、金の皇帝の代替わりによる裏切り、そして突然の天災によって、呆気なく途絶してしまいます。
死に際の楊令は、ライバルにして物語の後継者的な存在である岳飛との決戦に臨み、岳飛の片腕を切り落としたものの、そこで力尽きて絶命してしまいます。
この腕を切り落とされるシチュエーションは、昔から物語の英雄の特異性を象徴する要素の一つとして、時折見られ*4、まあ義手さえ装着できれば、それが力の象徴にもなるという「逆境から雄々しく立ち上がるヒーロー」を象徴するギミックだと思います。
腕の切断の儀式によって、楊令から岳飛に主役がバトンタッチされ、そこから新たな物語が始まった、と。(つづく)

*1:今朝は日曜日ではないし、SHTは昨年10月から朝7時30分開始ではなく、プリキュア後の朝9時からに時間帯変更したし、いろいろ脳内時間が混乱をきたしているのは明らか。まあ、寝起きの頭ってのはこういうもの。

*2:公共の福祉やら、他人のプライバシーの権利に抵触しない範囲で、自身の表現の自由を主張できる内容。たぶん、鬱モードだからか、自分の内面にばかり焦点が当たって、他のことは背景程度にしか触れていないのも、打ち明け話としては功を奏したかな。

*3:戦に明け暮れる男を、女たちで集まって愚痴りながら、それでも根底の愛情を包み隠さず表明して、男って仕方ないけど、だからこそ放っておけない、私たちがしっかりしなきゃ、と言いながら、留守番役のいささか頼りない文官男に、あんたたちもうちの旦那を見習って、気合いを入れなさいよ、と発破を掛ける夫人連中とか、最近、『岳飛伝』で読んだ。貞淑な感じのヒロインも齢を重ねて成熟すると、こんな強い肝っ玉母さんになるんだ、と妙なところでリアルなんだな、と感心しきり。

*4:スター・ウォーズルーク・スカイウォーカーしかり、ムアコック紅衣の公子コルムしかり、プレ・ラーリオスのカート・オリバーしかり……って、ちゃっかり自分の書いたキャラクターを名作と同列に並べる抜け目なさよ。