Shiny NOVA&晶華のNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガールというオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

「第5章・くらやみでなぞなぞ問答」感想

 「シュシュ、いとしいしと、わしらのものよ。ちびのホビットがぬすんだのよ。バギンズ、にくむ、いつまでもにくむ」

 ……適当に、ゴラムらしいセリフを書くと、こんな感じですな。
 ある意味、ホビットの全キャラで、「セリフを聞くだけで、誰だか分かる一番キャラ立ちした登場人物」だと思います。
 ……というか、ゴラム以外にこんな独特の話し方をするキャラって、創作作品にいるのだろうか。

第5章あらすじ

 ゴブリン巣窟での混乱の中で、ビルボは仲間のドワーフたちとはぐれ、地底の奥で迷子になってしまう。
 そんな中で拾い上げた「姿を消す一つの指輪」が、彼と親族の運命、そして世界の命運に大きな影響をもたらすことになる。
 指輪の作り手にして、元の持ち主は「冥王サウロン」。復活した彼の意思は、闇の森南部の廃墟ドル・グルドゥアに巣食って、「死人遣い」の名で噂されるようになっていたが、その存在がホビットと彼の見つけた指輪に関連付けられるのは、後の時代のことである。
 ビルボが見つけるまで指輪を持っていたのはゴラム(ゴクリ)。
 彼は指輪の紛失に気付かないまま、地底に迷い込んだビルボと遭遇。隙を見て餌にしようと狙うが、エルフ製の小剣で武装したホビットを警戒し、会話の流れで「なぞなぞ対決」を行なうことに。
 ビルボが勝てば、地底からの出口を教える一方で、
 ゴラムが勝てば、ビルボを餌に、というルール。
 命がけの言葉遊びに臨んだビルボは、幾度もの問題の出し合いの末に、ポケットの指輪に手が触れ、思わずつぶやく。「ポケットの中に入ってるのは何だ?」
 これをビルボの出題と解釈したゴラムは、「その謎々はフェアじゃない」と抗議しながらも、「3回まで答えてもいい」という条件で、勝負に挑む。
 しかし、答えることができなかったゴラムは、約束を破ってビルボを殺すために、指輪の力を使おうと探し始め、初めて指輪の紛失に気付く。
 「ビルボのポケットの中にあるのが指輪ではないか?」と察したゴラムは、ビルボから指輪を取り返すために襲い掛かろうとするが、危険を察したビルボは指輪の力で姿を消してしまう。
 ビルボを見失ったゴラムは、逃げた彼を追うつもりで、地上までの道を走り出す。ゴラムの後に付いていくことで、出口を見つけ出したビルボ。
 最後にゴラムを殺害しようと剣を構えたビルボは、しかし、目の前の無抵抗な醜い生き物に憐れみを感じ、殺さずに脇を通り抜けるだけで脱出を遂げる。
 日の光が苦手なゴラムは、それ以上追跡することができず、泥棒を呪う声だけを地底に響かせた。

 このシーンは、原作も映画も、ほとんど変わりません。
 まあ、謎の数が原作よりも少なくなっているぐらいか。

 ゴラムの謎の答えは「山」「風」「暗闇」「時間」
 ビルボの謎の答えは「歯」「魚」「卵」そして「指輪」

 原作だと、他に「ヒナギクの上に照る太陽」とか「魚の乗った台のそばで、人間が三脚椅子に腰掛け、ネコが骨を食べている」という、奇抜なものがあったわけですが、さすがにそういうのが映画ではカットされた理由は分かります。
 正直、答えを聞いても、なるほどと思えない屁理屈みたいなものだし、他にも答えをこじつけようと思えばできて、問題として成立してないようだから。

初版では

 このシーンが、後の『ロード・オブ・ザ・リング』につながるのは有名なんですが、
 続編のことを考えてなかった『ホビット』初版では、ゴラムの性格と、指輪の位置づけが変わっていたりします。
 まず、元々の指輪は、「単なる便利アイテム」で、姿を消す以上の効能はありません。そして、ビルボも、指輪を使う危険性を全く意識せず、普通に何げなく使ってる。
 そして、ゴラムは、その指輪を「昔、お祖母ちゃんがくれた誕生日の贈り物」と認識していて、あろうことか、謎々でビルボが勝てば、「自分の宝物の指輪をあげるつもり」だった、と。
 結局、指輪の紛失に気付いたゴラムは、「ビルボにあげるつもりのプレゼントがなくなってた」ことを嘆き、ビルボは「だったら、代わりに、出口への道を教えてくれ」と言って、
 両者は納得ずくで、別れることになる形。


 これが続編につなげるための改変として、指輪には「所有者に執着心を持たせる」という副作用があって、「ゴラムがビルボに指輪を贈ると言い出すことは有り得ない」ことから、「指輪を盗られたと悟ったゴラムが、ビルボを恨む」形になった、と。
 その後、小説本編で、「ビルボが書いたとされる赤表紙本(ホビットの原本)の一部で、違う話が出回ったのは、『ビルボが自分に着せられた、盗人の汚名をそそぎたい一心での作り話』と語り、『指輪がサウロンの作った危険な品物と分かった以上は、包み隠さず、真実を話します』と宣言して、つじつま合わせをしてる場面」があって、なかなか面白い裏事情だったり。


 他に、「昔、お祖母ちゃんがくれた誕生日の贈り物」という話についても、ガンダルフの推測では、「川から拾ったときに、友人を殺害するという罪を犯してしまったゴラム(本名スメアゴル)が、罪の意識から逃れるために、自分でそう思い込むように記憶を捏造した」といった感じで語られ、
 改変された設定の矛盾を解消するための辻褄あわせが、ところどころ見られるのは、長期間にわたって書き続けられ、長らく読まれた作品ならではのエピソードか。

映画では

 原作小説が『ホビット』→『指輪』の順で書かれたのに対し、映画は『指輪』→『ホビット』とさかのぼる形なので、指輪に関して矛盾する部分はうまくカットしながら描いてるわけですな。
 まあ、映画における最大の矛盾は、ビルボの役者が変わってることなんですが(笑)。


 『指輪』でのビルボは、イアン・ホルム
 指輪を手に入れたシーンも、回想的に描かれ、そこでの若き日のビルボは、「何だ、指輪か。へへ」という感じのセリフで、大胆な盗人風の演出がされてたわけで。


 『ホビット』のマーティン・フリーマンは、もっと素朴で真面目な印象。
 小市民が怯えながらも懸命に危険に立ち向かう演技は、『指輪』での世知に長けた印象よりも、主人公っぽいわけで。
 まあ、『ホビット』と『指輪』では、ビルボの役割が全然違うために、演出そのものが違ってても当然なんですがね。


 ……でも、ゴラムは10年経ってもゴラムだ。
 ゴラム役のアンディ・サーキス
 今、調べてみると、今年の夏、上映予定の『ゴジラ』の中の人、ならぬCGのモーションキャプチャー・アクターにも選ばれたそうだ。
 え? 
 すると、今年のアメリカ・ゴジラの動きは、ゴラム?
 あ、そう言えば、ゴラムの最後は、「火山の中に落ちた」わけだし、そこからマグマを伝って、指輪の力で成長したゴラムがゴジラとなって、アメリカで暴れまわるストーリーを妄想してしまった(爆)。


 う〜ん、「いとしいしと〜」と叫びながら、コソコソ這い回るゴジラを思い出しそうだ。

ロード?オブ?ザ?リング4分の1スケールフィギュアゴラム  Lord Of The Rings 1/4th Scale Figure Gollum東宝30cmシリーズ 第8弾 怪獣総進撃版 ミニラ (PVC塗装済み完成品 一部組立て式)ゴジラエッグ ゴジラ
 まあ、間にミニラをはさむと、この変化にも納得できる気が。