昼間にちょっとした揺れ(震度3)を感じて、ビクッとなり、
その後のニュースで、ひどい惨状を知ることになって、いろいろ感じ入っている最中。
自分は16年前の阪神・淡路大震災経験者なので、地震のことは人一倍、過敏に反応することもあるけれど、ニュージーランド地震のときは、さすがに遠い外国の話なので、少なくない日本人犠牲者のことも、どこか他人事のように受け止めていた。もちろん、亡くなられた方には哀悼の意を表明するけれども、それは外国の戦争被害者などに対する気持ちと大差ない。笑えない話だとは思うけど、我が事のように哀しんだり、身内のように心配するのとは違う感情。
でも、今回の宮城&茨城地震(正式名称は未定と思う)は、衝撃度が違う。
自分自身がわずかにせよ揺れを感じたこともあるし、同じ地続きの国内ということもあるし、折りしも「中学生の卒業式の日」(少なくとも、うちの地元では)とか「国公立大学の後期試験の前日」とかもあって、そういう子たちの悔しさとか、焦りとか、動揺とか、そういう気持ちも容易に想像できてしまうからだ。
もちろん、被害を受けたのは学生だけじゃないけど、自分が職業柄、身近に想像しやすいのはティーンエイジャーの気持ち。
門出である卒業式の日に、命を奪われることになったり、身内や友人を失ったり、あるいは無事だったとしても、卒業式に地震を体験するという不愉快な気持ちは、かなりキツイだろうなあ、と察することができる。
受験についても同じこと。ただでさえ、デリケートになるタイミングで、こういう重大なハプニングに見舞われるのは、想像するだに厳しいだろう、と思われる。
そういうところから敷延して、いろいろな立場の人が震災で日常生活を奪われて、物理的にも精神的にも苦しんでいる状況は、今回の場合、決して他人事とは思えずにやるせない。
せめて、何かの形で吐き出さないと、自分自身が耐え難いので、もしかすると不謹慎かも、と思いつつ、趣味に絡めた話にまとめておく。
歴史絡み
宮城といえば、伊達政宗なんだよね。今回の地震では、政宗の墓所にも被害があったと聞く。
そして、宮城に続いて大きな地震が発生した茨城は、もちろん水戸だ。
う〜ん、今期の「水戸黄門」を追跡している身としては、スルーできなかったりするわけで。
一応、先週の放送分は、あまり面白くなくて気が乗らなかったけど、
今週の分は当たりだと思ったので、二週まとめて書こうかな、と思いつつ、別の作業に時間を費やして先送りにしていた矢先。
で、地震のことを考えると、何だか、童心に返って、単純に「面白かった」とか書きにくい心境なんだよね。
この辺はナイーブになっているので、気持ちを整理してから、ということになります。
特撮絡み
特撮で、宮城となると、自分的には『ガメラ2』が真っ先に出てくる。
で、この映画でも、仙台市がひどいことになってしまうんだけど、公開年は1996年の夏。
関西では前年に阪神・淡路大震災が、関東がその後に地下鉄サリン事件が起こって、その記憶がまだ生々しい時代。
ドキュメンタリータッチが特徴の本作でも、それらの二つの大事件を想起させるような怪獣被害が見事にリアルに描かれ、少なくとも自分の中では、「阪神大震災」と「仙台」ってのが、イメージ的につながってしまう回路が出来上がっている。
それから15年経って、今回の地震でしょ?
自分の中でつながった回路が、もう一度、反応してしまった次第。
ロボットアニメ絡み
テレビニュースを見ていると、今回の地震の名称として「東北・関東大地震」という表記と、「東北地方太平洋沖地震」という表記が目に付いた。
どちらに落ち着くか、あるいは別の名称が設定されるか気になるけれど、
改めて見ると、被害地域も宮城や茨城だけでなく、岩手、福島なども結構、大きな被害を受けていて、規模としてはかなり大きいものだったと改めて実感。
そして、阪神のときと違うのは、津波による被害が大きいこと。
「大津波警報」なんて言葉は、初めて聞いた気がする。
で、ちょっと調べてみると、大津波警報の発表された例は過去5件。
- 1953年、房総沖地震
- 1983年、日本海中部地震
- 1993年、北海道南西沖地震
- 2010年、チリ地震
- 2011年、東北地方太平洋沖地震
1つめは、生まれる前なので、聞いてなくて当然。
2つめは、地震の名前すら知っていなかった。まだ、子供だったからか。
3つめは、地震の名前は知っていたけど、細かい関心までは持っていなかったと思う。あと、2つめと3つめは、警報伝達が、津波襲来に間に合わなかったらしい。それに、自分に被害がなければ、警報も聞き流すのだろう。
4つめは、昨年のことなのに、外国のことだと思って、やはり細かい関心はなかったんだろうね。一応、発令は2月28日〜3月1日の1日間だけ継続。そして、この時は「予測が過大だった」と気象庁が謝罪していたりもする。つまり、日本国内では予想ほどには大きな被害がなかったわけだね*1。
そして、今回の地震だ。国内における大津波による被害というものを、自分が初めて意識したと言える。
で、大津波だと特撮やアニメで見るのが常だったもので、そういうスペクタクル映像の方が印象的なんだけど、現実に水没した建物とか、一つの地域が壊滅したとか聞くと、気持ちがど〜んと沈みます。
フィクションだったら、遠い世界の話と割り切れても、
ノンフィクションだと、死んだ人だけでなく、住む場所が流されたりして生活基盤を奪われた人という生々しさが付きまとうからね。
で、その重さを直視したくがないために、似て非なる映像で昇華させたい心境なんだけど、
津波で印象的なのは『未来少年コナン』。
少年少女、そして大人のヒーロー、ヒロインを貼り付けてみるわけだけど、
コナンにとっての「海」は自然と生命の象徴だから、「津波」という自然災害も、「科学文明を破壊して、自然へと回帰させる再生の象徴」とも言える。
つまり、劇中、津波は確かに危機を盛り上げるスペクタクル映像なんだけど、それで実際に死ぬようなものではなく、「危機に際して、敵だった人物も一緒に協力したり、助けられたりする描写」が為され、結果的に「雨降って地固まる」ような作劇に使われていた。
ある意味、「コナンにおける津波」は、後の「ナウシカにおけるオウム襲来」と同じく、「自然の猛威と、人々の結束の契機、そして再生の奇跡」に通じるといえる。
一方で、もう、どうしようもない破壊エネルギーとして、アニメ史上、最も悲惨に津波が描かれたのがこれ。
本放送で打ち切り最終回となった32話が、「敵の仕掛けた人工太陽を破壊することができず、極地の氷が溶けて、世界中が大津波に見舞われるラスト」で完結、と。
これほど救いのないラストはないという噂のアニメで、近年、DVDやスパロボZで補完されたりしながら、もう一度、その悲惨さも含めて再評価されていたりする。
DVDの場合は、本放送時に製作されながらも未放映だった3話分(31、33、34話)が収録されているけど、本来、最終回だった39話までは「脚本、絵コンテのみ完成」とのこと。いずれにせよ、悲惨さが上乗せされる展開だとか。
その「明日を救えなかったバルディオス」が、初めて希望のフィナーレを迎えることができたのがスパロボZ。
続編にも、バルディオスは登場してくれるので、楽しみにしている最中。
でも、ゲーム(フィクション)だけでなく、現実でも「明日を救うような、再生・復興」を心から願いつつ。
PS:一応、こんな形で無理矢理結んでみるけど、こういう時こそ、政治家含め、救助・復興支援の結束がきちんとできたらなあ、というのが目下の希望。こんなことまで、政争の具にするような政治屋はいらない。
自分自身は、仕事絡みで、教え子の受験生の勝利を祈りつつ、いろいろ考えたい。