Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

あは「アンデッド」のあ(その2)

 昨夜、手頃な記事ネタになるか、と思って始めた「五十音順エッセイ」。
 でも、アンデッドその1の「スケルトン」で、いきなりお腹いっぱいになるとは思いませんでした。
 フィリップほどではないにしても、自分の星の本棚もなかなか侮れません。偏った雑学だけは、いっぱい詰まっているんだから、もう。


 さて、その2は、「ゾンビ」だけど、これもネタが多そうだなあ。
これはゾンビですか?1  はい、魔装少女です (富士見ファンタジア文庫)これはゾンビですか?豪華版 第1巻 [DVD]
 萌えヒロインネタとしても、割と旬だったりしますしね。


 好きなゲームの話題にもつながるし、ちょっと本腰を入れてみます。

D&Dルールの確認

 ええと、自分にとってのアンデッド入門教科書とも言える「D&Dダンジョンズ&ドラゴンズ)」ですが、ここでの使用テキストは古いです。
 85年に新和が翻訳を出した「クラシックD&D」のシリーズ。通称・赤箱といえば、分かる人は分かる。
ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版スターター・セット
 ↑なお、こちらは装丁こそ、昔の赤箱に似せたスターターセットですが、現行のD&D(第4版)に基づいていますので、ルール内容は大幅に異なっています。ご注意のほどを。
 ターニングアンデッドのルールも変わっていて、よりシステマチックになった分、専用の表は用意されていません。


 寄り道をして、D&Dの歴史なんて話をしてしまえば、いつまでも帰って来られそうにないので、割愛。

ゾンビとグール

 さて、旧版D&Dのターニングアンデッド表によると、最弱(便宜上レベル1と表記)がスケルトン。レベル2がゾンビになりますが、いっしょにレベル3のグール(食屍鬼)の話までした方が、まとめやすいです。
 ゾンビと言えば、ホラー映画やゲームのスター的な存在ですが、ジョージ・A・ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』以降、「感染」と「食人」という2大特長が付与されており、現在のゾンビでも、それが主流になっています。でも、由緒正しいクラシック・ゾンビは、単に「妖術使いが蘇らせた動く死体」に過ぎず、人を襲わず、労働力として使用される存在。
吸血ゾンビ [DVD]
 ↑そういうクラシック・ゾンビが描かれている代表的な作品です。よく、ホラー映画サイトでネタにされていますが、『吸血ゾンビ』というタイトルに反して、ここでのゾンビは、血も吸いませんし、人肉を貪ったりもしません。タイトルに偽りありジャン、と文句を言っても、まあ、「B級ホラー映画ではよくあること、業界ではそんなの常識」というわけですね。
 で、ゾンビが人に噛み付いて、ゾンビ菌を感染させて、ゾンビ増殖という黄金パターンにはならないのですが、妖術師がゾンビに命令して女の子を拉致して、儀式の末にゾンビとして復活させる、という展開はあり。
 ゾンビが勝手に増えて、という展開だと、一つの村や町があっさり壊滅しかねず、ホラーならともかく、普通のファンタジー冒険話では扱いにくい。まあ、「悪い魔法使いが墓場の死体を掘り起こして、村の平和を脅かしているよ。悪い魔法使いを倒せば、事件は解決する。さあ、がんばって倒してね」ぐらいの内容の方が、扱いやすいわけですね。
 ちなみに、この「悪い魔法使い」を「悪い怪人」に置き換えれば、普通に正義のヒーロー物のプロットになるんですが。怪人さえ倒せば、眷族化して特殊メイクと牙を生やした事件の被害者も、呪いが解けて元どおり、という展開は、昔のヒーロー物では王道でした。


 それはともかく、クラシック・ゾンビの持たない「食人」要素は、本来、上位アンデッドのグールの特徴でした。
ワールド オブ ウォークラフト アクションフィギュア シリーズ5/スコージ・グール
 ちなみに、グールと聞いて連想するのが、「ブロッケン伯爵」という人もいますが、
悪の要塞コレクション マジンガーZ 空の要塞グール
 自分が、この飛行要塞の名前を認識したのは、90年以降のスパロボから、だったので、80年代にアンデッドモンスターのグールを知ったのが先。
 で、D&Dのグールに話を戻しますと、こいつがまた、鬱陶しい敵なんですね。それまでのスケルトンやゾンビには、特殊能力がないのに対し、グールはダメージこそ低いものの、「爪、爪、噛み付き」の3回攻撃と、「麻痺」という特殊効果が付いてきます。そして、麻痺させられた後、「生きながらにして貪り食われる」という、想像力旺盛なプレイヤー、あるいは描写力旺盛なゲームマスターのいる場だと、ホラー映画さながらの凄惨なシーンが展開されたりもします。
 でも、グールに食われたからといって、グールとして蘇ってくる、という展開はなし。元はイスラム起源の妖怪で、女性のグールは美人で、とか、アンデッドよりは異種族として扱われたり、クトゥルフ神話にも登場したり、とか、亜種はいろいろありますが、まあ、ファンタジーゲームのマスター的には、この辺から面白い、と言えますね。
 「爪、爪、噛み付き」と言いながら3回ダイスを振って、命中したら「はい、対麻痺セービングスローして♪」と宣言する醍醐味は、クラシックD&Dゲームマスター経験者が、サディスティックな快感を得られる共有体験じゃないか、と思ったり。スケルトンや、ゾンビじゃ、こういう快感は得られません。

ゾンビの歴史(草創期)

 さあ、先にグールの話をしてから、メインディッシュのゾンビの話に参ります。まあ、D&D的には、ゾンビって面白みのないモンスターですね。「動きが鈍いので、必ず先制権をとられる」ものですから、スケルトンよりも使い勝手が悪い。
 ここでは、やはり、特殊能力を得た映画のゾンビ、マニア表現で言えばリビングデッドの話をする方が楽しいですね。
恐怖城 ホワイト・ゾンビ [DVD]
 一応、元祖ゾンビ映画と言われる『ホワイトゾンビ(32年)』を挙げてみましたが、本流としては、こちらでしょう。
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 「夜(68年)」「夜明け(78年)」「昼(85年)」のロメロゾンビ3部作。ゾンビを語るには、この辺を押さえておくのが、まず基本ですね。
 日本で、「ゾンビ」という言葉がメジャーになったのは、真ん中の『ドーン・オブ・ザ・デッド(邦訳ゾンビ)』から。なお、第1作の『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』の段階では、ゾンビという言葉は使われておらず、ロメロ自身は生ける死体を「グール」と呼んでいたそうです。
 ロメロマニアだったら、近年作られた4〜6作目も要チェックでしょう。
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 なお、自分は未鑑賞。「ランド(05年)」は知ってたけど、「ダイアリィ(08年)」と「サバイバル(10年)」がロメロ作品だということは、今、初めて気付いたり。DVDショップで作品タイトルぐらいは知っていたんだけど、内容まで確認せずに来たわけで、ホラーマニアとしては失格。せいぜい、昔は「ホラーマニアだった時期があった」ということですな。ホラーで、ゾンビ物や、吸血鬼物だったら手当たり次第にレンタルビデオで借りて見まくっていた学生時代がなつかしい。


PS:ゾンビは奥が深いので、今回はここまで。次回も「ゾンビ」だね。DVDをペタペタ貼り付けるだけで、ネタにはなるんだけど、うちは別にホラー映画サイトじゃないので、まあ、表面だけさらっと流す程度で。