昨日は、ライダーや戦隊をやったので、今回はウルトラネタ。
これも、昨年4月に「大怪獣バトルNEO」記事を書いて以来です。
さらに、今回は「円谷作品(ウルトラ以外)」もネタになるんですけど、前回、そのカテゴリー記事を書いたのは、07年3月の「生物彗星WoO」以来。それに出ていた谷村美月さんが、その後、「必殺仕事人2009」に出て「2010」で退場(?)するなど、ずいぶん時を経たなあ、と感じます。
ともあれ、玩具などの商品面から、現在のウルトラムーブメントを確認してみようかな、という記事。
ウルトラマンゼロ
劇場版のみの登場で、テレビの主演作は持たないのに、結構、関連商品(人形とか、変身アイテムとか、武器とか)が出ているゼロです。
昨年……じゃなくて、一昨年(09年)の冬の映画で、「ウルトラセブンの息子」という鳴り物入りでデビューしてから一年、
前作は、主役というよりも、主役の「メビウス」および「大怪獣バトルのレイ」を助ける強力な新ヒーローという形で登場。出番は少ないながらも、鮮烈な印象を残した、と。言わば、『マジンガーZ対暗黒大将軍』におけるグレートマジンガーの立ち位置になるわけですな。
その後の方向性としては、グレートマジンガー同様、テレビのレギュラー番組を持つ可能性も十分考えられたのですが、諸般の事情で、劇場版およびオリジナルDVDで展開、という流れになった次第。
まあ、その分、テレビでは見られない「お祭りイベント」、安定が求められるレギュラー番組としての世界観を突き抜けて「じっくり手を掛けた空想特撮ならではのビジュアル感覚」を堪能できたのだから、良し、と捉えます。
ダークロプスゼロ
主役のゼロを盛り立てるために、劇場公開前に発売された外伝DVDでは、敵キャラとして、いきなり偽者「ダークロプス」が登場します。
これがテレビ放映だと、普通に怪獣と戦って、防衛チームとの連携などを描きながら、徐々にゼロが成長していって、中盤に至る頃のイベント編として、強敵となる偽者が出てくる感じなんでしょうけど、
オリジナル商品として売る以上は、「いきなりクライマックスのイベント編」「ネタの出し惜しみはしない方向性」で勝負をかけないといけません。
で、そのネタが偽者続出という、稀に見る事態。
まず、最初。
偽ウルトラ兄弟VSゼロの対決ですね。敵のメンツは、ゾフィ、初代マン、セブン、新マン(ジャック)、エースの5人。これらは全部、サロメ星人が作ったロボットという設定。
サロメ星人は、昔セブンの偽者を作った前科があります。他は、初代マンに化けたザラブ星人や、ヤプールの作ったエースロボットなんていましたが、ザラブもヤプールも比較的最近、顔を出す機会があったので、同じネタの使い回しをせずにメジャーとは言い難い「サロメ星人」を出してくる辺り、マニア心を引き付けます。
サロメ星人の女司令官を演じるのは、宮下ともみ。ウルトラマンネクサスで、サードデュナミスト千樹憐(ジュネッスブルーに変身)の監視役を務めながら、次第に恋心を抱くに至った野々宮瑞生の娘です。まあ、密かにライダーキバの怪人とか*1、ドグーンVのゲスト*2とかで出ていたりするんですけど、あまり良い印象がなかったです。変な役ばかり回ってきて、瑞生的な愛らしさを感じるキャラにはならずに残念に思えていたり。
でも、今回は、唯一の女性キャラということで、悪女に転身した魅力を存分に描いてもらえたと思います。こういうのは、同じくネクサスで初期のヒロインを演じた中丸シオンが、ペダン星人の司令官を演じていたのと同じような使い方ですね。
宇宙人の美女という設定は、X星人の水野久美とか、キラアク星人の愛京子とか、結構ツボなんです。ウルトラでは、南夕子とか、乙女座のアプラサとか、白鳥座の白鳥エリカとか、ケンタウルス星人のあかねとか、宇宙人という属性と、それが彩る悲恋だったり悲劇だったり、まあドラマ的にも印象的だし、アニメでもスターシャ、サーシャ、テレサなど松本ヒロイン、それにガイラー星人のリタ*3とか、マリア・フリード*4とか、うる星やつらのラムとか、何だか「宇宙から来た女の子」というだけで、夢を感じます。
ちなみに、こういう奴なので、「スペースバンパイア」なんてものに遭遇したら、あっさり精気を吸い取られてしまいますね、自分(苦笑)。
吸血宇宙人ドラキュラスとか、レオに出てきたバットンとか、危ない危ない。
話の方向性が、偽ウルトラ兄弟からどんどんそれて行った気がしますが、いつものこと。今年も、こんな感じになるかな、と確信しつつ(オイ)。
ええと、エンタメの基本は「メカと美少女(美女でも可)」……ということで、次はメカの話に移ります。偽ウルトラ兄弟もメカですが、もっとメカっぽいのは、これ。
『ゴジラ対メカゴジラ』があるなら、『ゴモラ対メカゴモラ』があってもいいよなあ、と怪獣ファンがただのダジャレ的な感覚で、軽く口にしそうなネタを、本当にやってくれました。
ゼロ外伝の主人公は、ゼロと、大怪獣バトルのレイなので、それぞれの戦力に対する偽者がきちんと作られているわけですね。
ついでに、レイ本人や、ヒュウガ船長の偽者も登場します。まあ、敵ではなく、パラレルワールドの自分という設定で、共闘する流れなんですけど。とにかく、偽者というかコピー祭りだったわけですね。
こういうネタだと、クローン人間とかの話にも妄想が広がってしまいますが、
侵略宇宙植物にヒロインがボディスナッチされて、誘惑する側に回る……という展開はツボだと表明しつつ、原作はそういう展開にならないんですね。映画ならではのオリジナル。
妄想脱線はこれぐらいにして、ちょっと歪んだ萌え路線を燃え路線に軌道修正。
燃えるなら、これです。セブンの弟子がレオで、レオの弟子がゼロ、という正に師弟の絆ここにあり。見よ、東方は赤く燃えている! です。
いや、違う師弟が混ざっていますが、燃えさせてくれるなら何でも歓迎。
ともあれ、レオとゼロのウルトラダブルキックとか、ウルトラダブルフラッシャーとか、レオファン涙の一作です。
で、肝心のダークロプスですが、ゼロとの初戦ではゼロを圧倒していたのに、後編ではドラマの流れに乗せられて、一気に弱くなってしまいました。まあ、こういうのは「お披露目効果」と、「ドラマの中で気力か何かのポイントを溜めて、能力値補正が生じるゲームシステム」になれていますから、軽くツッコミネタ程度で流しておくことにします。
劇場版では、さらに量産されて、ザコキャラ化してますからね >ダークロプス
自分の鑑賞経緯は、「外伝(前編)→劇場版→外伝(後編)」ですから、前編でダークロプスの強さに驚き、劇場版でダークロプス大量出現におののきつつも、意外とあっさり倒されていることに一安心、そして後編見て、「まあ、ダークロプスじゃこの程度か」と納得した次第。
ここまで短期間(1ヶ月ほど)に、強さが激減して感じられるキャラも珍しい、かと。
カイザーベリアル
さあて、ここから劇場版話。
前作で、ゼロにボコボコにされながらも、何とか再生を果たしたベリアル閣下。ちなみに、彼も「悪のウルトラマン」ということで偽者の系譜になります。
てっきり、外伝のサロメ星人は彼の配下だと思っていたのですが、後編見て、「ダークロプスはただの拾い物」だと判明、「カイザーベリアルへの忠誠の記憶で暴走したダークロプスのせいで、サロメ星人が自業自得的に滅びる」という末路。それに対して、ヒュウガ船長が同情的に振る舞ったために、何だか悲劇さが加味されたサロメ星人の美女司令官に萌え。
一方、諸悪の根源というポジションの閣下は、怨みのパワーを蓄え、別の銀河で大艦隊を結成。まあ、帝国といっても名のある側近は2体だけ。
実質戦力は、量産されたロボット兵士のみ。
こういうワンマン企業的な帝国は、最近も海の底から出てきて、年末にあっさり滅亡してしまいました。まあ、ボスが倒されると、あっさり帝国も瓦解する、と。実質、零細企業と変わりない気もするんですけど、そんなことを言い出すと、スターウォーズの銀河帝国もそんな感じがします。まあ、そちらは外伝小説などで、帝国残党を率いる指揮官なんかも出てきて、人材の層に幅があることが証明されていますが。
帝国として、それっぽい作劇手法として考えられるのは、「複数の要塞砦」があって、それを突破する過程が描かれるか、あるいは「皇帝の後釜を狙う後継者」を登場させるか、かな。
ベリアルの場合は、いきなり本陣にゼロを捕まえて、いい気になっているところを逆転される、という爪の赤さ、いや詰めの甘さを露呈したから、まあ、それじゃ仕方ないよなあ。せっかく、復讐のためにウルトラの星に遠征軍を差し向けても、それを指揮する有能な指揮官もつけず、量産兵器の武力だけに頼ったのでは、烏合の衆と変わりないか。
それでも、短期間で大戦力を構築して、帝国を築けたのは、宇宙の古代遺跡で大規模な生産プラントを発見したからかな。「数は力」を地で行くドズル中将みたいな人だからな、閣下は。
彼に足りないのは、孔明みたいな知将? きっと、全宇宙の支配に成功したとしても、内政統治などということには及びも寄らず、あっさり崩壊してしまいそうですな。そういう皇帝は、「恐怖で統治するのだ」と平気でのたまいそうだけど、「アメとムチ」って発想はないのかな。
ただ、今回カイザーベリアルの特技として使えるのは、その「赤い爪」。何だかそれで悪の力を植え付けて、手下に変えてしまうみたいなことを言っていた。その被害を受けたミラーナイトが、ゼロによって浄化されたんだけど、そういう「悪堕ち」を増殖する能力をもっと活用すれば、あるいは……とも思います。
今回のストーリーの可能性を突きつめれば、もしかすると、ベリアルの背後には、こういう方がいたのかもしれない、という気にもなったりして。
ウルティメイトフォース
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今回のメンツを、声優ネタ的に並べると、こうなるんだよなあ。
で、刹那の声のゼロは語ったので、他の3人について。
悪堕ちしかけている自分を恥じて引きこもっている「鏡の騎士」の声は、ヒイロ・ユイ。いや、今、自分にとって旬なのは、こっちかな。
鏡という二次元空間を使って神出鬼没に移動できる能力と、幻を見せる眩惑効果は、ウルトラヒーローとは異なる個性として描かれておりました。
声のイメージとしても、騎士としての生真面目さを持つ反面、「フッ」と相手を出し抜いて、クールに鼻で笑うところがいいキャラです。
一応、ファイヤーマンが元ネタですが、一部に「メガロマン」の要素も入っているのでは、と意見する人もいるグレンファイヤー。
原作とイメージが大きく変わっているにも関わらず、関智一の声が非常にハマッていて、しかもゼロのキャラとの相性が非常にいい。何だかチームのムードメーカーにもなれそうな、超熱血キャラ。
「焼き鳥発言」など、このキャラにも通じるセンスだと思ったり。
口は悪くて、ケンカっぱやいけど、義理堅い。こういうキャラは、子供たちの人気を集めそうな気がします。抑え役は必要だけどね。*5
ウルティメイトフォースの中で、ミラーナイトとジャンボットは、「お姫様に仕える折り目の正しさ」って属性があるから、「思いついたことを遠慮なく口にできる無作法さ」はグレンの特権。
元ネタはジャンボーグAですが、メカっぽい超人ヒーローとして「グリッドマン」も入っている気がします。
ミラーナイトと、グレンは、ゼロとの組み合わせで魅力を発揮するキャラと思うけど、ジャンボットはこれ単体で完結しているというか、ゼロよりも、ナオやエメラナとの絆で、ドラマが作れそう。
少年と、意思を持ったメカというテーマでは、勇者シリーズや、ケータイ捜査官などの路線も引き継いでいるんだけど(グリッドマンもそれに近い方向かな?)、どちらかといえば、円谷では珍しいかもしれない。
元のジャンボーグも、自分の意思は持たない操縦型なので、感情を持たず機械的に判断して、反論はしながらも、命令には忠実なジャンボットは、もっと膨らませ甲斐がある気がします。
ティエリアの声も、うまくそのキャラにハマってますし。
で、希望としては、今回はゼロの人間態として活躍したラン兄貴にも、ロボットを与えて、タッグを組ませたい。
兄が地上ロボで、弟が空戦ロボだと、キョーダインの逆パターンですが、
「兄はすくっと大地に立って、弟マシンで宙に舞う♪」なんてのもありますし、エースとナインの合体攻撃とか、いろいろ希望が広がります。あ、ついでにエメラナにもメカを用意して、「海戦用のジャンクイーン」なんてのもいいかな。モチーフは、アンドロフロルとか。
まあ、オリジナルDVDで、ウルティメイトフォースの各キャラが単独で活躍する外伝(計3作)を作って、劇場版で各キャラが集結して巨悪に立ち向かう作品が年末公開できたら、今年のウルトラは万々歳かな。
PS:ひそかに、味方の宇宙艦隊旗艦として、マイティジャックも出ていたとか。そんなの言われないと気付かねえよ。後々DVDで確認したい。
PS2:本作のキーパーソンとなる、伝説の超人も貼り付け。
ちなみに、横で見ていた知らない子供は、「ウルトラマンネクサスだ」と喜んでました。いや、まあ、間違っていないんだけどね。
こちらは、聞こえよがしに、「ほう、ノアを出してくるか、やるな」と呟いてみたり。その子が認識したかどうかは不明だけど。
*1:ホースフライファンガイア。マッドサイエンティストに誘拐されて、「最強のファンガイア」になるべく人体実験されていたけど、暴走して本作ヒロインの「クイーン鈴木深央」を拉致したら、主人公のキバと、ライバルのサガの両方の怒りを買って、後者に抹殺される。こんなストーリーなので、狂気だけが目立った印象。
*2:人見知りで、変なコスプレで踊りながらコミュニケーションする地味なOL、という絵的にアレな役どころ。
*3:グロイザーXのヒロイン
*4:グレンダイザーの主人公の妹
*5:昔は、こういうのは「巨漢の3枚目」(ボスボロットのボスなど)が担うことが多かったんだけど、最近はコメディー一色のキャラがなくなっていて、コメディー要素が配分されるようになっています。「クールなはずなのに、天然ボケ」だったり、「可憐なヒロインなのに、ドジ」だったりするのが当たり前。