Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

もやしもん7話「仲直り」感想

 前回生じた「菌視能力喪失」の問題は、蛍が沢木に与えた打撃ショックで、あっさり解決。
 今回のテーマは、長谷川さんが沢木に対して放った暴言「菌が見えないと、あんたなんて、ただのバカで、出来損ないな大学一年じゃない!」をきっかけに、亀裂の入った人間関係がどう修復されるか、というもの。


 さて、本作はどうしても、カノンと比較してしまうのですが、
 「自分を否定されて、何となくもやもやとした気分で落ち込んでいる沢木」そして「沢木を庇って、長谷川さんに『あんた、そりゃ言い過ぎや』と抗議する2年の先輩たち」
 一方で、その場は強気に振る舞ったものの、「他人に対して、上から目線で能力面を厳しくケンカ腰に批評する癖で、人間関係がうまく構築できない自分を痛感している長谷川さん」
 短いやり取りで、それぞれの立場をしっかり描ききっている、こちらの方が作劇上は、明らかに上です。


 カノンは、カノンの心情を描いているようで、他のキャラとの絡みセリフがほとんどなく、あっても会話ではなく独り言風のセリフになりがち。どこかぎこちなく、独りよがりな感じに聞こえます。
 やっぱり、「ドラマは、キャラの絡みがあってこそ」だと思います。


 研究室を飛び出して、行き場を失った長谷川さん。
 一時的に孤立した心情描写なんかは、カノンと比較するのに向いたシーンですが、「自分が自宅と研究室の往復しかしていなかったことに気付く」とか、「バーに顔を見せるも、優しくされるとかえって居辛さを感じて、やっぱりいい、と出て行ってしまう」とか、居場所を求めてさ迷い歩く寂しさがいい演出さな、と思ったり。


 一方、沢木の方も、蛍から「長谷川さんが、影で沢木の能力が不本意に利用されることを心配し、進路の選択についても、沢木の意志を尊重していた」ことを聞かされ、長谷川さん探しを決意します。
 そして、発光するキノコという幻想的なビジュアルの前で、菌研究に対する互いの気持ちを示しあい、仲直りすることのできたシーン。セリフと絵作りの両面で、うまく場面構築できているな、と思いました。
 たった30分のドラマで、「仲違いと、落ち込み、寂しさ、そして関係修復」まで、うまくまとめることができたのは、お見事、と。


 とりあえず、5話まで順次、新キャラ出していって、一通り出揃ったところで、キャラ同士の関係を沸騰させて、混乱状態に追い込んだ後、うまくまとめ上げる。1クールのみのシリーズ構成でも、中盤でうまく盛り上げることができたな、と思います。
 カノンで、こういうことができなかったのは、「2クールあるさ」という余裕に基づくものか、それとも逆に「今まで4クールという枠内で作品を作ってきた」ために、ダラダラ描くスタイルから脱することができなかったのか、いろいろ疑問点ですが、まあ「もやしもん」を見ていると、こういうのが普通に完成度の高いドラマ構成なんだ、と実感した次第。