ウルトラは1週休みでも、こちらは頑張って継続中。
第9話「非行の黒い館は蟻地獄」
若者の間ではびこる薬物(阿片)が、芸能界(役者)までむしばみ、無垢な少女が犠牲になる……何だか、現代を風刺した「仕事人2009」以上に、見事に今年の世相を反映しています。
この話、今年に見なかったら、あまり語りどころのない普通の佳作以上の印象は持たなかったのですが、ネタがあまりにタイムリーすぎて。
一応、この話の見どころと言えば、薬物取り締まりに熱心な同僚の同心を斬首に追い込まれた恨みを胸に、主水さんが主犯の商人を仕置する際、大刀で首を斬るアグレッシブさに尽きるでしょうか。
同心は娘の非行に頭を痛めていた一方で、商人の方も基本的には悪人ではなく、ただただ非行のドラ息子を庇うために悪事に手を染めた形になる。親バカやバカ息子はいても、いかにもな典型的悪役がいないというドラマ作りの妙は、大人になった目でないと楽しめないかも。
さて、この話を見て思い出したのが、これ。
いやあ、ヒロインがねえ(苦笑)*1。
恋人の死による精神的ショックで、幻視能力を持つようになった少女の物語なんですが、今年の一連の報道に触れた後だと、実は「あの幻視も薬物の影響?」なんて不謹慎な妄想を掻き立てられます。
う〜ん、アニメ『三銃士』の主題歌「夢冒険」とか、『トップをねらえ』の主題歌とか好きだったんですけどねえ。
で、そんなラリッちゃった可哀想なヒロインを愛していた鍛冶屋の政が死んじゃう話でもあるわけですが、特撮者としては、この討ち死に劇が凄い取り合わせなんですよね。
何せ、敵の「地獄組頭領・赤目」を演じたのが、死神博士こと天本英世。
すなわち、スカイライダーと、死神博士が相討ちになるという展開。
ちなみに、この赤目と似たような設定のキャラとして、TVスペシャル『大老殺し』に登場したのが、「地獄組首領・鉄眼」。このキャラの凄まじさは、時代劇なのに「目からビーム、手足がミサイル」という改造人間である点。しかも、演じるのがテラー・ドーパントこと寺田農氏というのがまた、今の視点から見ると、いろいろネタになるなあ、と。
そんなわけで、死神博士も、ドーパント首領も在籍する地獄組という組織は、まさに「迫るショッカー、地獄の軍団 我らを狙う黒い影」というべきですな。どちらのキャラも、今が旬の話題ですし。
商売人ネタからは離れちゃったけれど、劇場版ライダー上映10日前記念記事ということで。