Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

商売人を現在、視聴中。

江戸プロフェッショナル 必殺商売人 (上巻) [DVD]江戸プロフェッショナル 必殺商売人 (下巻) [DVD]
 秋には、「仕事人2009」の続編はやらないのか、畜生め、なんて内心、思っていたら、
 この10月から、地方局のサンテレビ(月曜9時)で旧作「必殺商売人」が始まっていました。
 何だかタイムリーで嬉しい。
 で、作品紹介がてら、いろいろ昔語りでもしてみようかな、と(マニアックネタ注意)。

 さて、この商売人。
 主水シリーズとしては、「新仕置人」と「仕事人」の間にはさまれて、一般的な評価としては、比較的谷間に位置する作品だと思います。
 しかも、ちょっとしたシリーズ黒歴史的な設定がございまして。


 「中村主水は、種無しかぼちゃである」という常識をくつがえしているんですね。
 何せ、第1話のサブタイトルが「女房妊娠主水慌てる」ですから。
 これが後のシリーズだったら、「実は、りつ(女房)の思い違いでした」ってオチになるところですが、本作では、もう、ずっと「りつの胎教云々で振り回される主水」が描かれていきます。
 ……で、ラストは残念ながら流産の悲劇。


 ちなみに、自分は初めて、この作品を再放送で見た中学生の時、ラストの意味がよく分かっていませんでした。
 最後の仕置(仲間・新次の仇討ち)を終えて、家に帰ってきた主水を待っていたのは、悲劇の知らせ。
 で、その後は、葬式の場面が展開されたりするなかで、生き残ったもう一人の仲間おせいを見送る際の主水の言葉。それは「赤ちゃんが無事に生まれたこと」を報告するもので、旅立つ仲間に心配させないようにする気遣いからの嘘でした。
 でも、自分はその嘘を真に受けてしまって、「赤ちゃんは無事、生まれた。じゃあ、死んだのは誰? りつ? 何で、りつが死ぬねん?」と、同じ必殺ファンの友人と首をかしげていたものでした。
 いや、「りつが死ぬわけないやろ。シリーズの整合性を考えんか!」というツッコミもあるでしょうが、そんなことを言ったら「りつが妊娠すること自体、シリーズの整合性からはありえへんやん」とツッコミ返しできるわけで、とにかく中学生時代の自分(と友人)には、この作品の詳細が分からないことばかりだったのですが、
 分かっていることはただ一つ。
 それは、この作品が、レギュラー放送の『仕事人3(だったか4だったか)』よりも、はるかに地味で、アダルトで、難解に感じられたこと。
 まあ、初視聴の当時は、必殺シリーズの歴史も分かっておらず、商売人がどのポジションにあるかも知らなかったわけで(分かったのは、映画『THE必殺』のパンフレットを見たとき)。単に「必殺シリーズで、主水が出ている」という興味で見ていたら、内容は「子供には理解困難な代物」。でも、自分と友人は、当時、深夜放送の「ウルトラQ」や「怪奇大作戦」を見たり、ゴジラその他の東宝映画のリバイバル上映を楽しんだり、とにかく昔の特撮作品を見られる限り、あさっている最中。で、必殺シリーズも自分たちにとっては特撮の一環だったんですね。
 ただ、違うのは、子供の手に入りやすい怪獣映画の資料(主にケイブンシャとか、小学館の書籍)と違って、必殺の資料を入手する手段を分かっていなかったわけで。もう、ストーリー設定も謎なまま、手当たり次第、再放送などで見られるものは見るスタンスでした。
 そして、「おお、何でも屋の加代さん(鮎川いずみ)が出ている。え、殺しには参加しないの? 何のために出ているねん」とか、「おお、三味線屋の勇さんが悪人かよ」とか、「新さん(梅宮辰夫)の殺し技は、クシでの突き刺しが秀さんみたいで、帯での締めつけが勇さんっぽいな」とか、「おせい(草笛光子)の扇での首切りは、おりくさんっぽい?」とか、自分たちに分かる範囲での感想を話していたりしました。


 ……今、当時の記憶を思い出しながら、文面にしてみると、「何てマニアックな中学生だ」という気持ちと、「必殺のことが全然、分かっていないじゃんか」というツッコミが両方ふつふつと……。


 大体、「必殺仕事人3(または4)」→「商売人」という道筋は、接点が少なすぎると思います。
 まず、作品のノリが全然違って、「ヤング志向の仕事人3」と「超アダルト志向の商売人」。ドラマ部分の理解に求められる素養が全く異なりますね。色事に奥手な中学生当時は、小林旭の歌う「男も辛いし、女も辛い。男と女はなお辛い」の歌詞(作詞・阿久悠)の意味すら、よく分かっていなかった。
 次に、登場キャラが「中村主水」以外、全然かぶっていない。普通に時間軸で見るなら、「新仕置人」から正八(火野正平)が継続出演とか、「仕事屋稼業」からおせいが登場とか、そういう流れが分かるんですけどね。
 第3に、音楽世界が全く違う。基本的に必殺シリーズって、平尾昌晃&竜崎孝路のBGMが主流で、後の諸作品にも結構、流用されているので、たとえば「仕事人」から「仕置人」とかアダルト志向の「仕業人」を急に見ても、音楽的に通じている部分は分かります。でも、「商売人」と次の「からくり人 富嶽百景殺し旅」は作曲家が別人*1
 ただ、「単に、『仕事人』に対して、『商売人』かよ。芸のないタイトルやなあ*2」と何にでも批評家気取りで突っ掛かる反抗期な中学生モードで、理不尽なツッコミをしつつ、クライマックスの殺しのシーンだけはそれなりに楽しんでいた記憶が。
 でもね、中村主水が堂々とチャンバラしているのを見て、「いや、奉行所同心の立場を利用して、相手を油断させてブスッと突き刺すのが主水さんでしょ? 正面から堂々と渡り合ってちゃ、ただの時代劇じゃん。何のための『必殺』なんだか……」と理不尽なことを平気で言っていた中学時代でしたマル
 いやはや、無知というのは恐ろしい。


 こんな記憶しか残っていない「商売人」を(それでも視聴経験あり、と言ってきた)、あれから20年以上を経て、知識も経験もいっぱい蓄えた後で、再視聴している最中です。
 まあ、別に毎週、ブログ記事として追跡するわけではありませんが、ちょっとした懐古話のネタとして。


PS:なお、商売人に続いて、当時は「からくり人 富嶽百景殺し旅」も視聴。音楽が同一なのに加えて、知識も高まっていたので、「山田五十鈴」「沖雅也」「芦屋雁之助」のキャラシフトもなじみ深いと思ったり、「仕込み三味線」「仕込み竹竿」「びく」といった殺し道具が面白いと思ったり、商売人以上に楽しんでいました。
 でも、山田五十鈴演じる「お艶(えん)」というキャラ名が読めなかったので、ずっと「おりくさん」と呼んでいた記憶が(笑)。


 ……ということで、このネタ、まずはこれまで。あらあらかしこ。
 今から、今夜録画した商売人(4話)を見ます。

*1:森田公一。特撮者としては、『スターウルフ』と『ワイルドセブン』の主題歌&エンディングが気になるところ。

*2:でも、『仕事人』に対して、『仕掛人』『仕置人』『仕留人』などの頭韻を踏んだ「仕」つながりは格好いいと思った。『渡し人』は「三途の川の」という枕詞が気に入って、「助け人」は何だか違う感じがして、「からくり人」に対しては初めて知った際「ふざけるな」と思ったりも。いや、「仕掛け」と「からくり」ってつながり方を理解したときは、なるほどと思い直したんだけど。そして「何、それ?」ともう、理解の領域を超えていたタイトルが「うらごろし」。もう、タイトルの響きからして、心霊現象そのものですな。