Shiny NOVA&WショーカのNEOスーパー空想(妄想)タイム

主に特撮やSFロボット、TRPGの趣味と、「花粉症ガール(粉杉翔花&晶華)というオリジナルキャラ」の妄想創作を書いています。

最終回感想

 「本当の意味で充実した、熱く燃えられる最終回」は稀である。
 とりわけ、歴代ライダーの最終回においては。


 これは何も、アクション要素よりもドラマ重視の平成ライダーだけではない。
 我が魂の故郷(の一つ)である昭和ライダーにおいても、盛り上がるのは「最終回1話前」であって、最終回自体は、思ったよりあっさり幕を閉じる作品が多かった。
 順に振り返るなら、

元祖「仮面ライダー

 1号ライダー本郷猛の変身が封じられたところで、つづいた最終回。
 唐突に「ライダー2号を忘れていたな」と、2号が1号を救ったところから、燃えるスタート。
 その後は、ダブルライダーによる「再生怪人も交えたショッカー壊滅大バトル」が繰り広げられるのだけど、戦いの舞台が「パルパル遊園地」という、決戦の地としては脱力する場所」*1だったり、ブラック将軍の変身したヒルカメレオンの振る舞いが、燃える強敵とは縁遠かったり*2、ツッコミどころは相当多いです。
 それでも、展開は相当早く、ブラック将軍撃破後も、滝とかライダー隊員とかが再生怪人に誘拐される流れを経て、ショッカー本部に乗り込むダブルライダー。再生怪人部隊を撃破した後、いよいよショッカー首領との対面になるのですが、まあ「蛇頭」とか「一つ目」とか謎の姿を示して、突然自爆、あいまいなラスト。ちょっと興醒め……というか、次回作につなげるための「まやかしの首領退場劇」だったりするのね。
 で、最後は、国に帰る滝さん見送って終わり。
 最初の「仮面ライダー」の最後は、「さよならライダー」ではなくて、「さよなら滝和也」で幕を閉じたわけです。
 真の「ダブルライダー退場劇」は、通算放送回数100話になる「V3」の第2話になるのですな。


 まあ、実質的な「ダブルライダー」のクライマックスは、92〜94話の「ショッカーライダー編」で、その後の話は、おまけと見なす意見もあるようですが。

仮面ライダーV3

 ええと、最終回のストーリーは、大まかに言って、元祖とさほど変わりありません。
 ヨロイ元帥の変身した幹部怪人ザリガーナの振る舞いは、必殺技「甲羅崩し」に代表される、威厳のないご様子だし、
 やはり、再生怪人が出てきて、ライダー隊員や純子さんを誘拐しますし、
 やはり、デストロン首領は「謎のガイコツ」の姿をさらして、自爆しますし、
 「おおい、脚本を使いまわしているのか?」とツッコミを入れたくなる類似ぶり。


 まあ、当時は「最終回だけを2話続けて視聴するケース」は考えられませんでしたしね。もう、最終回は「お祭り気分で、ドキドキハラハラさせつつ、アクション満載に締めくくればOK」と考えれば、似たような作りになるのは仕方ない……と擁護しておく(苦笑)。
 いや、まあ、でも、V3の真のクライマックスは、やはり最終回1話前の「ライダーマン退場編」だったのでしょうね。それと、3人ライダーの共演した「キバ族との決戦前夜」が燃え。

仮面ライダーX

 続くXライダーは、まだアクション満載だった前2作に比べても、失速感は明らか。その一番の原因は、最終回1話前に応援に駆けつけていた「2号ライダーとV3」がいなくなったこと。
 その3人ライダーで、巨敵キングダークと戦う話なら、「本当の意味で充実した、熱く燃えられる最終回」と言えたのになあ。そういう楽しみは、ストロンガーまで先送りにされました。
 で、結局、Xライダーは、単身、キングダークと戦う羽目に。


 おっと、その前に、恒例の再生怪人を出さないと。え、今回はサソリジェロニモ一体だけ? え、再生怪人ちゃう? 「胸につけてるマークはJR」、つまり、息子ってわけですか。それでも、使いまわしの安物感は漂ってますな。
 そして、恒例のライダー隊……はいないので、おやっさんと、本作のライダーガールズ・チコマコがやっぱり誘拐されております。さらわれるのが当時のライダーガールの役割と言えますな。
 クライマックスは、キングダークとの戦い。バイクのクルーザーで体当たりを敢行するXライダーが、(当時の映像では)格好よく燃える展開。*3
 あんな巨敵をどうやって倒すんだ、と思ったら、キングダークの口からあっさり体内に侵入に成功します。そこで出会ったゴッドの首領は、伏線も何もなく突然登場した「謎の呪博士」。頭部が異様に肥大化した気色悪さでは、「蛇頭」や「一つ目」「ガイコツ」に引けを取りません。
 しかし、ここで意外な展開が。再生怪人のサソリジェロニモ(再生怪人ちゃう^^;)が、手にしたヤリでXライダーの胴をズブリと突き刺します。背中までまともに貫通していて、これにはビックリ。
 でも、メカの体を持つXライダーは耐性も抜群で、体に突き刺さったままのヤリで、サソリジェロニモと、呪博士の両方を貫いちゃう。ダッシュ豪快*4なカイゾーグですな。
 で、呪博士を倒すと、自爆スイッチが入り、キングダークも大爆発。


 このまま死ねば、「快傑ライオン丸」と同じラストですが、どっこいXライダーは生きていた。旅に出る旨の手紙をおやっさんに残して。
 でも、ヤリで刺されて、キングダークの自爆に巻き込まれたのが、よほどショックだったのか、自分の名前の漢字をまちがえる、という痛恨のミスを犯してしまいます。
 たぶん、意識が朦朧とした状態で、それでもおやっさんたちに心配をかけまいと、必死に手紙を書いて、回復するまで姿を消すことにしたんだろうな、と好意的に解釈してみる。

仮面ライダーアマゾン

 ええと、アマゾンについては、最終回よりも、「ゲドン→ガランダー」の敵組織交代劇の方が盛り上がったと思うなあ。それと「モグラ獣人の死」。
 最終回はどうだっけ? 
 恒例の再生怪人は出ないし、身内の誘拐は最終回前話で行なわれていたし、ガランダー首領は凝った正体を考える手間すらかけずに、「ただのゼロ大帝」だし……。
 ハッ、もしかして「一度倒されたはずのゼロ大帝が、再生怪人として登場して、しかも謎の首領の役まで演じる」という究極の使いまわし? 
 ……いや、そこまで無理矢理な解釈をしなくても、単に「腸捻転解消*5による打ち切り」と見なして、一応、とってつけただけの最終回、と考えればいいわけで。


 それでも、「ギギとガガの腕輪が組み合わさった超エネルギーによる、スーパー大切断」という最終奥義には燃えました。それまでの謎解き伏線とかは全く無意味な、勢いだけの設定ですが。

仮面ライダーストロンガー

 これは、歴代ライダーが集結して、巨敵を倒す、という伝説の神回。
 よって、稀少な「本当の意味で充実した、熱く燃えられる最終回」の一つです。


 ただ、これは「仮面ライダーシリーズの最終回」であって、ストロンガー個人のドラマとしては、最終回1話前の「ジェネラル・シャドウとの決着」で終了、と言うべきでしょうね。
 その後の流れは、主役が、帰ってきた伝説の「ダブルライダー」にシフトしていくわけで。


 それはともかく、恒例の再生怪人は出ますし、おやっさんも誘拐されますし、首領の正体は、相変わらず(宇宙人と判明したものの)「結局のところ、何だかよく分からない姿」ですし、昭和ライダー特有のツボは外していないのは、さすがです。

「スカイライダー」

 これは、アクションよりもドラマ重視になった最終回。
 歴代ライダーが集結して、巨敵を倒す、という意味では、ストロンガーを踏襲していますが、実はそこんところはストーリー的にどうでもよかったりします。
 何よりも、主人公・筑波洋の両親に関するドラマが、最終3部作において展開されます。
 敵幹部・魔神提督が洋の父親? という疑惑から始まり、そのために戦意喪失したスカイライダー。
 サポート役のストロンガーが、ネオショッカーの奴隷にされていた洋の母親を救出し、父親の真実を突き止めることで、スカイライダーは魔神提督を倒すことに成功します。*6

 結局、父親はすでに死んでおり、また、母親も洋を庇って、暗殺者の矢に倒れます。
 奴隷生活の中で知った大首領の弱点を伝え残して。

 そして、悲しみを振り切って、大首領と戦う歴代ライダーの元に駆けつけるスカイライダー。
 弱点を突いた後、自爆しようとする大首領を宇宙に運んで、行方不明になる8人ライダー。*7
 まあ、次作を新鮮な気分で始めるためには、旧ヒーローには退場してもらわなければならない、という作劇の都合上ですが、ちょっと寂しい終わり方。
 アクション的にも、それほど派手な回ではなかったですし、方向性の変化を感じました*8

仮面ライダースーパー1

 スーパー1の最終回は燃えましたよ。
 前話では、同じ境遇にある宇宙開発改造人間ながら、悪の道に走った悲劇の敵幹部との対決を描き、
 最終回では、不死身の敵首領との対決。その過程で、主人公の師匠と兄弟子が命を落とす。
 宇宙開発改造人間と、拳法という、この作品の2大要素をまんべんなく描ききった、この最終2部作(22話、23話)が「スーパー1の白眉」です。


 え、それはドグマ編の最後であって、さらにジンドグマ編に話が続いたって? 
 だって、放送当時に、時間帯が変わったので、ぼくはリアルタイムにジンドグマ編を見ていないんですよ。
 だから、ぼくにとってスーパー1の最後は、ドグマの崩壊劇で終了。
 作風変わったジンドグマ編は、長いおまけ、言わば『スーパー1ごっこ』*9ですな。


 いや、一応、最終回だけはリアルタイムで見たっけ。
 放送終了間際、宇宙に旅立つ沖一也、という最後の部分だけ。
 で、後に見た最終回は、「スーパー1が真空でも呼吸可能という事実に気付かず、真空部屋に閉じ込めて勝利を確信してしまった悪魔元帥のマヌケさ」が、燃えとは無縁の雰囲気をかもし出しています。
 まあ、敵に複数幹部がいて、次々と散っていくクライマックス盛り上げ描写は、その後に踏襲されるのですが、ジンドグマの幹部は威厳も強さもそれほどでなかったため、いろいろ興醒め。

仮面ライダーBLACK

 かつての親友シャドームーンとの宿命の対決。
 その過程で、2人のヒロインと別れ、一度は命を失い、それを救ってくれた友と呼べる怪人も絶命。
 決戦では、戦友と言うべきバイクも破壊され、そして自らの手で親友を倒す。
 この次々と喪失する悲劇の流れに、昭和ライダー中一番のドラマ性の高さを痛感します。
 どちらかと言えば、この流れは「平成ライダー」の雰囲気ですな。

 燃える最終回というより、重さを堪能する最終回。

仮面ライダーBLACK RX

 今、思い起こすと、BLACKの重さは「Zガンダム」チックなんですな。
 そして、RXは「ZZ」的な明るさを帯びてスタートした。
 違いは、それを作風ではなく、一人の主人公で体現してしまったこと。
 BLACKの光太郎と、RXの光太郎のギャップは、リアルタイムで見ると、違和感ありまくりでした。
 ただ、初期の作風自体は、それほど変わっていないんですね。
 敵のクライシスは、別にジンドグマみたいにお茶らけていないし、ゴルゴム同様の怪奇な雰囲気を色濃く漂わせている。


 その後、滝竜介といった一部のゲストサポートを除けば孤高の戦士だったBLACKに対し、
 RXの方は「玲子さん」「かすみのジョー」「響子ちゃん」といった共闘者が次第に増え、自身のパワーアップも果たし、どんどん暗い影をなくしていきます。さすがは、太陽の子(笑)。


 そして、10人ライダーも応援に駆けつけてきた最終決戦*10
 しかし、最終回1話前では、かつての悲壮感を再現するかのように、佐原夫妻が殺されてしまいます。
 この辺りは、ドラマの雰囲気の統一感として、ちぐはぐな物を感じました。明朗快活なアクションヒーロー物として進んできた作品*11なら「非戦闘員の虐殺」なんて必要ない展開ですが、やはりBLACKの重さをこの辺りで引きずってしまった、という感じですね。
(ZZが後半に入って、シリアスな展開になっていったように)


 最終回にいたっては、クライシス皇帝の正体が「査察官ダスマダー」というのは、何だか「ゼロ大帝」チックだなあ、と。あるいは、「トンマノマントのゲキガスキー」*12
 敵首領の正体は、それまで普通に顔出ししていた幹部だった、という展開は、意外な面白さを生みますが、それまでの伏線やらドラマ性の盛り上げがなければ、「は?」となって終わります。それなら、まだ「正体を明かされても、よく分からない謎の首領」の方がいいです。
 RXの場合は、正体を明かすと共に、彼の死をもって、怪魔界壊滅というラストを迎え、これまで組み上げてきた伏線を一挙に崩壊させてしまう、という「ドラマとしては、トホホなオチ」をさらしてしまいました。


 歴代ライダーの扱いも含めて、終盤の方向性が思いっきり迷走していた最終決戦だな、と。それでも、最終2〜3話前の強敵グランザイラスとの死闘は燃えましたけどね。

PS:今夜は「電王・最終回」について書こうと思っていたのに、何故か数倍の苦労をかけて、「昭和ライダーの最終回」を追憶してしまった自分に呆然(苦笑)。
 まあ、いいか。「魂の故郷」だし。
 でも、「平成ライダーシリーズの最終回追憶」はしないぞ。当面は。


PS2:もちろん、「電王の最終回」はまだ、やる気あり。まさに「クライマックスは続くよ、どこまでも!」ですな。

*1:ロケ地とのタイアップなのは分かるけど、名称的にも、遊びの場所での戦い、というのも緊張感を削減します。

*2:威厳のある幹部が、怪人になるとキャラが変わることは多い。威厳を保ったのは「ゾル大佐のオオカミ男」、幹部よりも威厳を見せたのは「地獄大使のガラガランダ」というのが、NOVAの意見。

*3:もちろん、デンライナーのCGバトルとは比べるべくもありませんが。

*4:「ゴーオンブラック」の先取りです。唐突な引用ですが。

*5:1975年当時、毎日放送朝日放送によるTBS系列、NET系列のネット交換が行なわれた。このことにより、番組の変更や視聴率の変動などに見舞われた作品が多い。「アマゾンライダー」の終了以外にも、『秘密戦隊ゴレンジャー』の登場や、『必殺必中仕事屋稼業』の視聴率低下、『影同心』の誕生と、それに対抗する本家・中村主水のブランド化など、当ブログ的にも関連ネタは多い。

*6:当時は、まだ「スターウォーズ」の2作目と3作目が公開されていなかったからか、「父親が悪の幹部」というネタは、結局、敵の仕掛けたデマという流れに落ち着きますな。
 まあ、その先駆者は、もしかすると『レッドバロン』かもしれませんが。

*7:何だか『ジャイアントロボ』っぽい最期。いや、8人ライダーは結局、帰って来るんだから、一緒にしてはいけないな。

*8:大人になって再視聴したときの感想。リアルタイムで見たときは、ドラマのことなんて、ほとんど記憶に残っておらず、「うわ、8人ライダー死んじゃったよ。次のライダーは一人で戦うんだね。ファイブハンドがカラフルで格好いい。うわ、Vジェットって変形するの、すげ〜」って感想だったか、と(笑)

*9:元ネタは、石ノ森御大による、作風の変化に準じた『秘密戦隊ゴレンジャーごっこ』。

*10:中盤2話のみの登場となったシャドームーンの扱いは残念ですが

*11:RXは、そうだと認識。

*12:タイムボカンシリーズオタスケマン」より。