厳密には、39話は10月放送ですが、39〜42話までの感想、書いておきます。
そろそろ終盤なので、毎週感想に切り替えてもいいかな、とも思いつつ。
さて、11月といえば、もう「ゼロノス編」と言っても過言ではありませんでした。
果たして、侑斗は無事にクリスマスを越せるのか……と気にしつつ、4話分を振り返ってみましょう。
39話「そしてライダーもいなくなる」
初の女性イマジンであるスネイルイマジン登場!
ムチを使うのもお約束……って、注目はそこではありませんなあ(苦笑)。
この回は、何よりも「侑斗爆死?」のインパクトが大きかったです。
そのまま駅伝のために2週間放置されていましたからねえ。
敵であるイマジンの目的も、「過去の改変」という抽象的なものから、「桜井侑斗(大人バージョン)の抹殺」という具体的なものへと明かされ、ストーリーの焦点が侑斗に絞られます。
いつもなら、主人公に重い設定を押し付けるのがライダーの作風だったのですが、今年は「明るいライダー」ということで、良太郎に重い宿命を押し付けず、悲壮な役割は侑斗が担当しています。まあ、主人公が過剰に暗くなるのは、作品のトーンを鬱にしますからなあ。自分としては、これでOKと。
「記憶から消えること」=「時間の流れから取りこぼされること」という設定で、他人の記憶を消費しながら戦うゼロノスの脆さが指摘され、
また、「侑斗の消えた世界」=「姉さんの悲しさも消えた、改変された理想的世界?」というジレンマをも感じさせ、次週に続きました。
40話「チェンジ・イマジン・ワールド」
侑斗の消失で世界が変わり、デネブも良太郎に取り付いたことになった『現実』。
侑斗の存在を覚えているのは、特異点である良太郎とコハナ、そしてオーナーのみ(もしかして、オーナーも特異点なの?)。
カイの指摘どおり、変わった世界は一見、誰も悲しむ者のいない理想的な世界のように見えましたが……良太郎は納得せず、逆にカイの矛盾点を指摘します。この辺は、物語の解決役としての主人公の面目躍如ってところですね。
「電王」の物語をミステリーになぞらえるなら、侑斗はドラマ・事件の渦中にある役どころ(加害者とか、被害者とか)である一方、良太郎は最終的に事件を解決する探偵に相当します。読者・視聴者は、探偵の気持ちや視点に自分を重ねてみますから、探偵役がいたずらに思い悩みすぎるようなミステリーは、かえってストレートな謎解きの面白さを遮るキライがあります。
その点で、良太郎は、事件の当事者に優しい視点で思い入れをしつつ(視聴者の共感は得やすい人物設定)、自らは事件の当事者にはならない(劇場版など、一部の話は除く)絶妙なキャラポジションで、物語の安定度を高めています。
もしも、物語の途中で脱落したり、失踪したり、思い悩むあまり戦闘不能に陥るような主人公だったら……少なくとも、安心して、その物語を味わうことはできないでしょうなあ。ハラハラドキドキすることはあっても、物語に仕掛けられた謎解きを堪能はできません。そうしようと思えば、主人公の想いとは別に、冷静な自分を維持しなければならず、主人公への感情移入度は大きく妨げられるでしょう*1。
結論するなら、ぼくたちは良太郎の想いにシンクロすることで、自然に「侑斗の悲劇」に共感することができ、その逆に侑斗を心配することで、良太郎にシンクロできるわけです。その意味で、良太郎はライダー史上、最も視聴者シンクロ率の高い主人公と言えるでしょう*2。
侑斗話のはずが、良太郎の主人公としての特徴話に展開してしまいました(苦笑)。
侑斗話としては、「ゼロノスカードのメリット」=「時間をセーブできる」というご都合主義的解放で復活、そして、さらなる自虐的カード使用によるパワーアップで、見せ場獲得。「錆びても強い」というオープニング前セリフと相まって、インパクトある強化変身でした。
デネビックバスターに武器変身したデネブもナイスです。
ただし、やっぱり良太郎も主人公。
過去に飛んだゼロノスをメインに立てる一方、自らも現代で再生(?)イマジン2体*3を撃退。これが、過去では登場不可能となったクライマックスフォームの活躍を見せることで、戦闘のヴァリエーションも示してくれ、なかなかナイスでした*4。
新フォームが登場すると、以前のフォームが使われなくなるといった弊害も出がちですが、電王の場合、うまく各フォームの見せ場を作ってくれる点も嬉しいですね*5。
41話「キャンディ・スキャンダル」&42話「想い出アップデート」
新しいゼロノスカードの副作用は、以前の「大人侑斗に対する記憶抹消」に加えて、今ここにいる「若侑斗の築いてきた記憶の抹消」であった。
他人の記憶から消える、すなわち侑斗が歴史から消えるということを危惧したデネブが、「記憶が消えても、また作り直せばいい」との気持ちで行動した結果、デネブ侑斗に恋する少女の物語が生まれ……そして消えていったエピソード。
この話については、松本夏空ちゃん演じる葉月翔子たんの魅力にハマれるか、がポイント(笑)。
しかし、葉月翔子たんの想い描くイマジンが、タコとはねえ(笑)。
千葉県の民話『タコとしゃれこうべ』が元ネタとは、翔子たんも通というかマニアックというか、前の回のカタツムリと並んで、触手度満載のエロチックイマジンでございます……って、何の話をしてんだか(苦笑)。
このタコイマジン、なかなか芸達者で、触手の取り付いた無生物を操ることができます。バイクのデンバードや、トラックを操って見せたのも、なかなか楽しい戦闘シーン演出でしたが、何よりもビックリだったのは、「電車斬り」時にライナーフォームの足元に出現するレールに取り付いて、巨大化したこと。
おかげで、巨大戦は非常に楽しいことに。
果てには、再登場が難しい? と思われたキングライナーまで登場して、非常に賑やかで見栄えのするバトルを堪能できました。タコ様様って奴ですな。
ドラマ的には、せつない恋物語が堪能でき、
「忘れる方も、忘れられる方もつらい」という侑斗の想いと、
それでも、「姉の記憶が戻る」という希望を捨てない良太郎の心の強さに、視聴者としてもハッピーエンドへの期待を募らされました。
PS:結局、ライダー・ネクスト、見に行けず。DVDで後日視聴することに。
関連玩具だけ、貼り付けておいて当座の代償行為。
PS2:新作タイトルに関するちょっとしたネタバレ&小ネタ
新ライダーの名前は「キバ」で確定っぽい。思い出すネタ、多数。
他には、ダイレンジャーの吼新星とか、ギンガマンの自在剣とか、ギャバンの魔女とか、Ⅴ3の男爵とか……。