翔花2号「ねえねえ、NOVAちゃん。私、粉杉翔花であることを辞めたいの」
NOVA「何だと?」
翔花2号「だって、同じ名前のお姉ちゃんがいるって紛らわしくない? 固有名詞に1号とか2号って変だよ」
NOVA「お前、仮面ライダーやパトレンジャー、それにパーマンなんかをバカにしているのか?」
翔花2号「その人たちは、本郷猛と一文字隼人、朝加圭一郎と陽川咲也、須羽ミツ夫とブービーって本名があるじゃない。私みたいに本名に2号ってのは明らかにおかしいでしょ。花粉症ガール2号なら納得なんだけど」
NOVA「確かにおかしいと言えば、おかしいが、今ごろそんなことを言うなんて遅くないか?」
翔花2号「この3年の月日を経て、ようやく気付いたのよ。大体、NOVAちゃんが仕事から帰って来て、自分の部屋にWhite NOVA2号がいたら、どう思う?」
NOVA「ショッカーが送り込んだショッカーNOVAかと思うな」
翔花2号「お姉ちゃんと全く同じ反応じゃない。遠い2018年6月7日のことを思い出したわ」
NOVA「うっ、だったら、今だとタイムジャッカーが送り込んだアナザーNOVAだと思うな。貴様、とうとう俺まで怪人化させやがって、ジオウに代わって成敗してくれる。レーザーブレード、NOVANダイナミック。フッ、偽者ごときに俺は負けんって反応かな」
翔花2号「問答無用で、いきなり成敗なの? お兄ちゃん、俺だよ、俺。生き別れの弟だよ。頼むから少しぐらい俺の話を聞いてくれよ、と涙目で訴えかけて来たらどうするのよ?」
NOVA「俺の兄弟だと? 新手の詐欺か? いや、兄弟を装うってことは、大方ザラブ星人の化けた偽者だろう。正体を現せ、ブルーアイズ外道照身霊破光線! 何、本当に俺の弟だと言うのか? 有り得ん。だが、ブルーアイズが真実を指し示す以上、俺はそれを受け入れざるを得ない。よし、分かった、2号よ。お前が俺の弟であるなら、今から特撮ヒーロー談義を始めるぞ。スパロボ談義でも、TRPG談義でもいい。とにかく、俺の話について来い。そうすれば、俺はお前が魂の双子だと認めてやってもいい……って、どこまで語らせるんだよ。どっかで止めてくれよ」
翔花2号「……NOVAちゃんは3年経っても、相変わらずNOVAちゃんね。何だか安心したわ」
NOVA「いや、お前にとっては3年でも、こっちにとってはそんなに経っていないんだよ」
翔花2号「だったら、3年後にもう一度、同じ質問をしてみるわ。どういう反応をするか楽しみね」
NOVA「おお、3年後も今の話を覚えていればな。まあ、その前にブログを書き続けて、相変わらず娘と喋っているかどうかは分からんが」
翔花2号「この世に花粉症がある限り、私たち花粉症ガールズは不滅よ」
NOVA「何だか嫌なフレーズだな、それ。俺としては、花粉症なんてなくなればいいのに、と春になるたびに思って来たが、花粉症ガールズがいなくなればいい、と思ったことは今のところ一度もない。まあ、一人になりたいから家から出てけって1号を九州に修行に送ったことはあったが、すぐに2号が生まれたわけで、俺の日常にもはや粉杉翔花は欠くべからざる存在となっていたんだな、これが。その日常を奪ったタイムジャッカーめ、俺は決して許しはしない。こぼれる涙を希望に変えて、俺は来たんだ、戦うために♪ って、歌い続けるのを止めてくれよ」
翔花2号「私がたとえ改造されて、悲劇に見舞われても、できるだけ変わらない日常を取り戻そうとしてくれる、こんなNOVAちゃんが私は大好きですマル」
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